イカス**ロマンチックサマー2002
                       
   



      『北町公園が今、熱いらしい。
       アオカン・乱交パラダイスらしい。しかもフレンドリーで飛び入りOKらしい』 


夏も中盤、8月頭、暇な俺らは飲んでいた。 お金も無いし、彼女も居ないし、ヴァカンス愉しむ柄でも無いし、カテキョのバイトも、休みは暇だし、家で寝てると、親うるせぇし。 そしたら、アオキの爆弾発言。

アオカンですか? 乱交ですか? 北公園って爺婆ぷーの、憩うアレ? どうだい聞いたか? フレンドリーだと?


話の根元はこう云う事だ。 『北公園樹木伐採計画案』 土建屋やってるアオキの親父、今度の仕事はそいつらしい。 近頃、件の公園で、ラフな奴らが物陰で色々致して困るので、じゃ、木を切っちゃおうかな、ってな話だと。 


おいおい、そいつは灯台下暗し、のんきな地元で、こいつは椿事。 
ねぇ、いつ切るの? それ、いつやるの? 月末? 終わり? じゃ、急がなきゃ!! 今こそ見やがれ右脳の力。 瞬発力には自信があるぜ。 
俺の鼻穴、4割膨張。 ノギワの目の色、ウルトラピンク。 



かくして集う、馬鹿二人。 夏だ、深夜だ、全員集合。 顔も洗った、歯も磨いたし、今宵のパンツは勝負仕様。 死して屍拾う者無し。 勃たせて見せよう、イザ行かん。 

なぁなぁ、ノギワ、抜け駆け駄目だよ、チャンスは平等、な、わかるよな。 ち、違うよ、ばかやろ、何言ってんだよ、てめぇのヤルとこ、そんなの見ねぇし、はっきり言っちゃぁ見たくねぇ。 だからよ、じゃんけん、じゃんけんな。 チャンスがあったらじゃんけん勝負。  勝てば天国、負ければ地獄。 女体の神秘か神秘の右手か、そこが人生分かれ道。 


無駄に金かけ役にも立たねぇ、思ってたけど謝るよ。 北公園ってば今こそシュン。 ハの字に広がる公園の、奥中央に、でっかい噴水。 その向うには木立が広がる。 街燈ほんのり照らしてて、なかなか夜は良いムード。 


けどよ、なんだよ、誰も居ねぇじゃん。 ホレ、あそこんとこ、ベンチにリーマン転がっているだけ。  畜生ガセか? アオキ、謀ったか? え?何、奥?奥か? もう、ヤダ、あらま、ノギワちゃんたら、やる気満々、そだね! そうだよ、やるなら木陰。 森の木陰でドンじゃらホイってな! したら、決まり、
オラオラ、ノギワ、もたもたすんな、キングオブパークの俺に続け!



満開の、桜の下でポチが鳴く。 葉桜の下じゃ、鳴くし、喘ぐし、お、おい、ノギワよ、マジだよ、すげぇよ、今真っ盛りだよ、しっ! 静かにな、 そおっと覗いて見て御覧、皆で仲良く、シテいるよ。 


あ〜どうなってんだ?イチ、ニィ、サンか? やってて、やられて、立ってるあいつは咥えさせてんのか? 凄いよ姉さん、2対1で、なぁなぁついでだ、俺らも混ぜてよ、しかし焦るな、チャンスを狙え!  畜生、邪魔だな、あのツツジ、どうよ、どんなネェサンか、こっからだと、よく見えねぇよ。  肝心なとこに、あぁ邪魔くせぇ、良い気になんなよ、ツツジさんよ、オマエは今月切られる運命。


お、おい、ヤメレ、ノギワ、離れろ、暑苦しいだろ、気持ちはわかるが落ち着いて見ろよ、今、イイところだから、俺がこうして虎視眈々と、だぁ〜っ、鬱陶しい、鼻息荒いし、くっつくなって、余裕無さ過ぎ、そこらで抜いとけ。 抜いとけってって、え? 何手ぇ握ってんの?  

え?  コレ、コレって、  
   握ったチンポに真珠が三つ、こいつは春から縁起がイイ、 って春じゃねぇだろ、
いや、そうゆうんじゃない、おまえ、おまえは、

『バック、イイっスか?』


いやぁぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!! 何で? ちょっと? ノギワ、どこよ? そんでもって、あんた、ハイパーミネリュウタみたいなアンタ誰? ぶっとい腕が、がっちりホールド、俺の胸で、泣くがイイってか、いいです、オレは、結構ですって。 あぁ〜ん、 よしてよ、触んないでよ、思わず喘ぐし、思わず握るし、あぁでっけえよ、おおゴージャスだよ、だけども、オレは、マジ、結構ですよ、あ、あん、よしてぇ〜! 抜かないでぇ〜!イヤン、 こすらないでぇ〜!

『オラ、イっちゃえよ』


キャー男前、俺もそんなの言ってみたいね!  だけどもてめぇが言われたかないよ。  けど、でも、マズイマズイ、こりゃ、滅茶苦茶上手いよ、ミネリュウタ。  と、 え? マジ? え? うお? ね、ねぇさん、ねぇさんアナタは、兄さんだったの? 待て、おい、なんだ? それじゃぁ、それって、アオカンホモの、巣窟なわけ?! アオキ〜馬鹿タレ、恨むぞ畜生、てめぇの話は概ね合ってて、物凄い違う。 どうしてくれよう、どうするって、オレ? あ、そこ、は、ちょっと、んっ、あっ 、はぁぁ〜〜〜ん  思わず漏れちゃう甘い声。

『イイ声っスね』


良くないで〜〜〜す。 良くないんだけど、
     あぁ、もう、愚息は天高く、あぁ〜〜〜〜っっ!!  ・・・ イっちゃたじゃん、

馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、 え? ミネ、なんだよ、おい、今度はまさか、 駄目! 駄目! 
駄目です! ソレは駄目! イキ逃げゴメンで、さようなら〜〜!!  

鰻のように、すり抜けて、脱兎の如く、逃げる俺。 走れ走れ、そんでもってどこだ、ノギワの野郎め、ただじゃぁすまねぇ。 オレのピンチに、ノギワのくせに、許しゃぁしねぇぞ、いたいけなオレを、オレを一人にしやがって。 噴水の横、街燈の元に、あぁ、オソロシや、ここにも抱き合うホモ二人、ってか、ありゃノギワだよ、良く見りゃすっごい、嫌がっている。 相手はヤクザ? ホモヤクザ? ある意味最強、パンチでアロハでイカツイ感じの、


『ちょっとぉ、恥じかかさないでようっ!!』

・・・ ホモおばさんだ ・・・ そしてノギワがこっちを向いて、


『まァくぅ〜〜〜〜〜ん!!』

パンチのおばさん振り切って、駆け寄るノギワが、ひしと抱擁、
待て、まぁくん て、俺か?  まぁ君?


『あんた、ノンケって言ってたじゃんよぉう』

怒る、おばさん。 固まる、俺、どうするノギワよ


『ずっと、まぁ君が好きだったんだ!!好きだ!まぁ君!愛してる!!』

すっげぇ棒読み、ノギワの告白、が、しかしオレにも、危機が迫る


『・・・彼氏連れなら、最初に言って、欲しいっす』

うわ来た、ミネだよ、後ろに居るよ、前には怒ったパンチのおばさん、今やオレって、危機一髪?!あぁ、ならば、もう、残された道は、すっごくヤだけど、あぁ、厭だけど、


『おオレも、ノギワが好きだったんだぁ〜〜〜!!愛してるっ!』
『まぁ君!!』


空に輝く満天の星、月の光に照らされて、バックに豪華な噴水背負って、ひしと抱き合うオレとノギワ。 真夏の夜は、アンビリバボー。


『純愛ってヤツ?』
『幸せになれよ!』

ミネとおばさん、和んでる。 そうして何だか、ザワメキ増えて、


『ほらほら、カップル誕生だって!』
『若いよな・・・』
『あぁ、思い出すわぁ』

あぁ、ホモギャラリーが増えてゆく。 そしてどっかの馬鹿が、畜生、


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
パチパチ・・・・・・・・

拍手の渦が広がってゆく。 


期待の重さと熱い眼差し、ホモギャラリーの視線釘付け、何かセネバの重圧に負けて、俺とノギワは、すっかりショート。 

ナ、ナニカ一発シナケレバ!!



                  イカス**ロマンチックサマー 2002  
                  今宵ロマンチックなチュウをアナタと 


           ・・・ すっげぇ、イヤダ ・・・



               この夏一番、
     オレとノギワの忘れちゃいたいスウィートメモリィ。



               ラァ〜〜〜〜ヴ**




2002/08/02





      * タカタ 様    『友達以上の微妙な関係バカ2人、往来で接吻』
         
友達だけども微妙でもない、ナチュラルテイストの馬鹿二人。 如何ですか?・・・・