エルフの娘がはらはらとルビーの涙を流している。
「……申し訳ごさいません…ピサロ様…お許しください…」
「もうよいロザリー。何もお前が悪いわけではない」
「ピサロ様……このような私でもまだ……」
「もう何にも言うな。今宵はもう休むとよい」
魔族の青年はエルフの娘を寝台の上で強く抱きしめ額に接吻し、睡眠の呪文を娘に掛け眠らせた。
ピサロはロザリーを抱いたまま、大きくため息をついた。
世界樹の花によって再び生命を与えられたロザリー。それは肉体の再生だけでなく、忘れてしまいたい記憶さえも蘇らせたようだ。
かつて人間達に陵辱されたことで深く傷つき、男としてのピサロの身体を受け入れることは出来なかった。
心ではお互いにすべてを許しあい愛し合っていれば、肉体の繋りなど意味のないことだとピサロは思っていたが、
苦しむロザリーを見ているだけで、胸が痛む。
今なぜ、苦しみながらロザリーと供にここに存在しているかというその意味を……
。
「…抱いてください……わたしを…女にしてください」
勇者と呼ばれる少女デリアはすみれ色の瞳で、王宮戦士である男ライアンをため息まじりに熱く見つめながら呟いた。
「デ、デリア殿な、何を……」
ライアンは突然のデリアの訪問とその言葉に驚き、戸惑う。
「ご自分の言っている意味がおわかりか……デリア殿」
「わかっているわ。わたし、子供じゃない」
デリアは衣服をずらし、自ら乳房を露出させライアンに近づく。柔らかそうで桜色をした乳輪が大きな乳房にライアンは一瞬ごくりと生唾を飲み込んだ。
が、すぐに目をそらして首を横に振る。
「…い、いけません。もっとご自分を大切になさい。それに貴女には…勇者としての使命があるではありませんか…。それを果たすまでに……男に穢されては……」
「穢れるなんて……思わない…」
デリアはライアンに抱きつきながら、寝台の上へと倒れ込む。
「おやめください…そのようなことは…」
口では否定しながらもデリアの体からほのかに香る甘い香と柔らかな乳房の感触がライアンの理性を徐々に奪ってゆく。
「……今日のわたしね。赤ちゃんが出来ない日なんだって。だから最後まで……」
デリアの直接的な誘惑の言葉にライアンは思わず面食う。
だが、下半身のほうは次第に緊張してゆき、それを悟られる前に最後の理性を振り絞り、デリアの身体を突き離した。
「おやめください。デリア殿。今宵はどうかなさっている……」
「どうして?…わたしのこと嫌いなの?」
ライアンはデリアの縋るような視線から背を向け、ぽつりと呟いた。
「このような事をなさる貴女は……嫌いです」
その言葉にデリアは居たたまれなくなり部屋を飛び出した。
宿から少し離れたところにある大きな木のある湖のほとりでデリアは一人静かに泣いていた。
こんな事でこれほどまでに絶望的な気持ちになるなんて、思ってもみなかった。
子供である自分の意見を冷静に受け止め正しい方向へと導いてくれた大人の男。
いつのまにか募っていたこの想いをも受け止めてくれると思っていた。
この事でライアンが自分から離れてしまうのではないかと考えると、涙が溢れてきた。
でも、どうすればいいのか今のデリアには考える事ができず、ただ泣いていると、急に背後から人の気配を感じた。
振り向くとピサロの姿があった。デリアは驚き思わず、目をそらした。
「あの村で初めて会った時の何も知らぬ、幸せそうな顔とは大違いだな。今にも死にそうな顔をしている」
デリアが目を合わさず黙っていると、ピサロは皮肉な笑みをうかべながら言った。
「男に断られたくらいでそのようになるとは…人間の女とは…全く愚かだな…」
「……なっ!」
デリアはピサロのすぐれた聴力の事を思い出した。そして先ほどのことを聞かれていた恥辱感と侮辱された事に思わず不快になり、自分でも思わぬ言葉をピサロに投げつけた。
「いいわね。あなたは今、幸せなのでしょう?ロザリーと毎晩楽しんでいて!」
デリアのその言葉を聞いた瞬間、ピサロの表情が歪んだ。
「幸せだと?……幸せに見えるのか……おまえには」
ピサロはデリアの両手首を乱暴に掴み体を木の幹へと押し付けた。デリアはピサロの突然の怒りと仕打ちに戸惑い恐怖を感じた。
必死にピサロの腕から逃れようとするが、片手の割には凄い力で両手首を頭の上で掴まれた上に、足を挟むように体全体を木の幹に押し付けられていて、思うように力が入らない。
氷のように冷たいピサロの身体の感触がデリアの恐怖感をさらに煽った。
ピサロは深呼吸するようにデリアの体臭を嗅ぐと、冷たい息を耳元に吹きかけ囁いた。
「おまえ……いい女だな……」
そして冷ややかな笑みを向けた。
「私とロザリーがどう楽しんでいるか……教えてやるよ」
ピサロはデリアの下腹部へとその冷たい手を伸ばし下穿の中へ滑らせると、花弁を指で挟みながら花芯のあたりを刺激した。すぐに愛蜜が溢れだした。
「ほぉ……なかなか感度がいいようだな……未通娘とは思えんな……おまえさっき男が欲しかったのだろう……淫乱な女だな……まだ男を知らぬというのに」
ピサロの煽るような言葉にデリアはさらに身体から力抜けてゆき、ピサロのなすがまま地面へと押し倒された。
ピサロはデリアの下穿を取り去り、両足を開かせ太腿を腕でがっちりと挟むと、蜜壷へと顔を近づけた。
赤く充血し硬くなった花芯と蜜で濡れた花弁がピサロの劣情を煽った。
「これ…今すぐ欲しそうになっているようだな。…望みどおりにしてやるよ……」
デリアはなぜこんな目に遭わされているのかもよくわからないまま、突然下半身に激痛と異物感を感じた。
涙がこぼれ、声を上げたかったがそれは叫びにならなかった。
「ふっ……おまえ…なかなかなものを持っているな…並の男ならば……おまえのこの身体に溺れるだろうな…」
ピサロはあくまでも冷静に語りかけながら、身体は獣のように激しく揺さぶりデリアの身体を弄った。
ものすごい激痛と押し挿れられているものの冷たさで、デリアの頭の中はまっ白になってゆく。
ピサロの姿も声も感じられなくなっていた。いや、感じたくなかった。すべては悪い夢だと思いたかった。
「……うっ」
ピサロが一瞬そう呻くと、デリアは身体の中に何かが蠢き、冷たいものが注がれた感触がした。次の瞬間ピサロに突き飛ばされるようにして身体の拘束を解かれた。
デリアは自身の花弁から何かがどろりと流れ出る感触を得たが、それを見る気力も、勇気もなかった。
即座にピサロは何事もなかったように、乱れた衣服を整えていた。
「おまえ…まだまだスキだらけだな……そんなことでは本当の敵は倒せんぞ」
そう言い放つと冷ややかな笑い声とともにピサロはその場を立ち去った。
ほんの数分しか経っていないはずなのに、デリアにとっては随分長い時間に感じられた。
下半身を中心に全身にじんじんと痛みを感じながらも、どうすることも出来ず、ただぼんやりと夜の空を眺めていた。
いきなり陵辱され、それにろくに抵抗出来なかった自分がひどく情けなく悔しかった。
いったい何がピサロをあれほどまでに怒らせたのかがよく解らなかった。
そして最後に言われた言葉が深く胸に突き刺さる。
故郷の村を襲われた時と想いが重なり、涙が止まらない。
そして『勇者』として育てられていた子供のときから、たびたび感じていた疑問が頭に浮かぶ。
(どうしてわたしは女なのだろう……)
そしてあの時のことが。
(きっと男に生まれていれば『勇者』としてふさわしく育ち、あの時も村の皆を両親をそしてシンシアを救えていたかもしれない……)
突然陵辱されるという、女として最大の屈辱を受け、圧倒的な力の差を見せつけられたデリアはピサロに対して憎しみを増すとともにその力に強く嫉妬した。
ライアンは随分と長い間デリアが飛び出していった部屋の扉を見つめ続け、大きくため息をついた。
岬のお告げ所で『伝説の勇者』が少女であることを告げられたときから、『勇者』に対し複雑な感情を抱き始め、そして出逢い、いつのまにか親子ほどの年の離れた少女を一人の男として、欲している自分に気付いた。
それでもデリアを『勇者』として一生守りたいと想う気持ちに変わりはなかった。そして、一人の男して一生傍に置きたいほどと愛しく想っていることも。
そんな自分の願望を察したように今夜現れたデリアに驚き、戸惑ってしまった。
だが求められても、勇者として目覚しく成長し、剣士としても自分を超えた、デリアの純潔を己の劣情で穢してしまう事を恥じ、答えることが出来なかった。
ライアンは今一度自ら気持ちを告げ、その上でふたたび自分を欲しいと言ってくれるならば、今度はそれに答えようと思い。デリアを探す決心をした。
ライアンは宿を出てみたものの、どのあたりを探したらよいのかと一瞬とまどった。
が、とりあえず今朝デリアと剣の稽古をした、大きな木のある湖を思い出し、そこに向かってみることにした。
稽古の後、デリアが宿に戻ったと思い、裸になって湖で汗を流していると、デリアもまた、すぐ傍で湖に浸かっていた。特に動じなかったデリアに対し、自分は彼女を見ないようにして、詫びながら慌てて湖から飛び出し、宿へと戻った。
そのあと顔を合わせても、ひどく気まずく、今日は一言も口をきかずにいたのだ。
そんな事を思いながら湖のほうへとむかっていると、向こうから来るピサロの姿になかなか気付かなかった。
傍に来てもライアンは声を掛け損ったてしまった。ピサロはすれ違いさまに、一瞬にやりと冷たい微笑みでライアンを見ると、そのまま立ち去った。
ライアンはその微笑を不思議に感じながらも、デリアが気になり、振り返ることなくそのまま歩きつづけた。
やがて湖の茂みの傍で倒れているデリアを見つけ慌てて近づいた。
下穿きは脱がされ、太腿には血と体液らしきものの筋が付き、虚ろな表情で涙を流しているその姿を見た瞬間、先ほどのピサロの微笑みを思い出し、身震いした。
「……マーニャ殿を呼んできましょう」
ライアンは混乱しながらも、とりあえず今デリアの介抱するには女性でなければと思い、再び宿の方へと振り
返り、歩き出そうとすると、デリアが全身を震わせながら言った。
「だめ。みんなには…この事は誰にも言わないで。お願い」
ライアンはそんなデリアを思わず強く抱きしめたいと思ったが、陵辱されたあとに男である自分が触れてもいいものかと躊躇してしまう。
「わかりました。今夜のことは誰にも…それより湖につかって身体を洗われたほうが…」
デリアは小さく何度も頷くと、身体を起こし引きずるようにして水に浸かった。
ライアンはデリアの立てる力ない水音を背にしながら、さっきすれ違ったピサロの表情を思い出し、怒りがこみあげてきた。
「あの男とは…もう離れましょう…」
デリアはしばらく黙ったままでいたが、やがて耐えるように口を開いた。
「……あの男はこの先必要なのよ。今度の敵はとてつもなく強く進化しているはず。あの男の力を借りなければ……利用しなければ、皆がやられてしまう。それだけは絶対に……いや。わたし……あなたを……みんなを……そして世界を守りたい…」
陵辱されるという女としては最悪の仕打ちを受けてもなお、あの魔族の男の力を利用しなければ世界を救えないと『勇者』としての使命を思い、それを言葉にして告げるデリアはこのうえもなく、痛々しかった。
ライアンは故郷を出た時から『勇者』を守ると心に誓ったはずなのに、最も大事なところで守ることが出来なかった自分に対し、逆に守りたいと言われ、ひどく複雑な気持ちになった。『導かれしもの』の戦士として一人の少女を愛し始めた男として、今の自分が無力な存在であることを思い知らされ、このうえもなく恥じた。
ライアンは、ピサロを今すぐ殺したい衝動を押さえ身体を震わせながら言った。
「では……この旅が終われば私があの男を……必ず……」
その言葉を遮るように、デリアは湖から飛び出し、濡れたままライアンに抱きついた。
「だめ。あの男はあなたでは敵わない。わかるでしょ?わたし……あなたを失いたくない」
ライアンはこんな無力な自分をなお必要としてくれているデリアが、たまらなく愛しかった。
「お願い。抱いて。そして忘れさせて……さっきのことは」
ライアンは深く頷いた。今はデリアの望みどおりにする事が彼女を救い、守ることなのだと思った。
「わかりました。では……とりあえず宿に戻りましょう」
その場ですぐに抱かず、また否定するような態度をとるライアン対しデリアは不安な表情を見せた。
「……やっぱり……だめなの……他の男に……された…わたしなんかは……」
ライアンはデリアをそっと抱き寄せると額に接吻をして囁いた。
「私はただ……先ほどの『続き』がしたいのですよデリア殿」
宿屋の部屋に入り鍵をかけ、デリアを抱きしめると、ライアンはまたあの甘い香りを感じた。ふいに劣情が湧きあがり、息を荒しくながら、デリアに激しく接吻する。
デリアを立たせたままで服を脱がしていくと、手首や太腿の指の跡や背中の擦り傷が生々しく目に付き、一度拒絶してしまった後悔と、ほんの一瞬の間に他の男に奪われた、強烈な嫉妬がライアンを襲った。そのライアンの激しい仕草と一瞬の険しい表情にデリアが少し怯えを見せる。
「……やさしく…してくれるよね……」
「大丈夫ですよ。すぐに気持ちよくしてさしあげましょう……」
デリアの服をすべて取り去り、抱きかかえて寝台に運ぶと、自分も手早く服を脱ぎ捨てデリアの傍へと身体を横たえた。
唇を合わせて舌を入れ絡ませながら、手は柔らかな乳房を掌で包み、先端をそっと指で摘みながら愛撫する。その桜色をした大きな乳輪の先が堅くなったのを確認すると、口で含み舌で弄んだ。
「…んふっ…」
デリアが息を荒くし身を捩りだした。
乳首を口で含みながら、手は下腹部の繁みの中の花弁をゆっくりと刺激する。
もうそこはかなりの蜜が溢れていて、指が花弁の中に沈むたび、ぴちゃぴちゃと卑猥な水音を立てた。
もっと指を挿れて愛撫しようとしたが、デリアの身体の中の傷がまだ癒えてはいないだろうと考えると、なるべく舌だけでそっと愛撫をし、それだけでデリアを絶頂まで攻めることができればと思い、とどまった。
ライアンは身体をずらしてデリアの陰毛に接吻し、足を開かせ花弁を指で押し広げ、蜜壷を露わにしに唇を這わせた。そして舌で蜜壷の中を弄り始めるとデリアが声を出し小さく喘ぎ始めた。
「あっああん…ああ」
愛撫に答えるように喘ぐ声を聞くだけで、ライアンの肉茎も徐々に昂ぶってゆく。
早くこの蜜壷の中に自身を沈めたいと思った。戸惑っていながらを舌での愛撫を続けていると、デリアが小さな声で呟く。
「……きて……わたしの中に…あなたと…ひとつになりたい」
ライアンは身体を起こしデリアを見つめた。
「本当に……よろしいですね…少し痛むかもしれませんが……」
デリアが頷くのを確認すると、自身の肉茎を慎重に蜜壷の中へと埋めてゆく。その入り口はまだ堅く抵抗を感じたが、その感触がたまらずそのまま奥へと押し進めた。
「…いっ……」
デリアの顔が一瞬苦痛で歪むが、それに耐えるようにライアンに笑顔を向けた。その仕草がたまらなく愛しくなり何度も接吻を繰り返し、デリアを抱きしめた。
やがて肉茎が吸い込むように呑み込まれると、ライアンはおもわず呻いた。肉茎の形に沿うようにねっとりと包込み、蠢くような襞の感触。いままで経験した女性達のなかでこんなに気持ち良く感じたのは初めてだった。
デリアの中にいるだけで達してしまいそうになった。
挿入したまま動かずそのままでいていると、デリアがまた呟いた。
「ねぇ…動いていいのよ……好きにして」
「…まだ…痛むのでしょう?私はこのままで構いませんが…でも…よろしいのですか…」
ライアンは少しでも動くと本当に射精してしまいそうだった。だが、デリアの中をより深く味わいたいとも思い、ゆっくりと肉茎を前後へと動かした。
「……んくっ!」
動くたびにまとわりついてくる襞と心地よく窮屈なデリアの中に思わず声がでる。
ライアンは射精感に堪えながらゆっくり動きそれを味わっていると、やがてその中のねっとりとした愛蜜がさらに溢れ出した。ライアンはたまらず動きやすくなった、デリアの蜜壷の最奥を激しく突いた。
(すごい…こんなのは…初めてだ……ああ…なんということだ…私は『伝説の勇者』たるこの少女の身体に……)
ライアンは罪の意識を感じていた。戦士として自分を超えたデリアを犯すことで、男としての征服欲を満たしていることに。そして今までに感じたことのない快楽の波間を漂い、やがてこの少女に身も心も溺れて行くであろう自分を予感した。
「…ん…あっあーーん」
やがてデリアが声を押さえつつ、涙を流しながら苦痛とも快楽ともとれる叫びを上げた。
それに答えるように、ライアンも耐え切れずデリアの中でそのまま果てた。
「大丈夫でしたか……」
ライアンはデリアの柔らかな巻き髪に愛しそうに指を絡ませながら語りかけた。
「うん。痛かったけど…やっと…抱いてくれてうれしい…それに最後のほうは……何だかちょっと……」
デリアはライアンの胸に顔を埋めながら再び大粒の涙をこぼした。そして温かな人の体温を感じながら、さっきまでのライアンの行為を反芻する。
甘く優しい囁き。熱い指での柔らかな愛撫。髭と唇と舌の感触。そして熱いものが身体中に満たされるようなあの感覚。
デリアはライアンから身体を離すと、ライアンの全身を見つめ愛撫した。
戦士として完成された逞しい肉体。そして自分が女であることを改めて思い知らされた男性自身に。
こうして触れ、女としての悦びを感じても、決して自分自身が持つことは出来ないものに羨望し、嫉妬した。
やがてデリアの愛撫に答えるようにライアンの肉茎はふたたび力を持ち始めた。
「もういちど……して……いいのよ……」
「……いけません…デリア殿………まだ…貴女の中の傷が痛むはず」
『痛み』と言われ、ふとデリアの脳裏にピサロの顔と身体の感触が蘇った。
(……違う……違うわ……わたしにとって男はこのひとだけ……あんたなんか…決して……それに……闘う力も
越えて……そしていつか……)
デリアはピサロの面影を振り切るようにライアンに強く抱きついた。
「教えて!……『感じる』ということを。あなたとこうしている時だけは、何もかもすべて忘れるぐらい感じさせて……」
「仕方ありませんな……ならばこうしている時はすべて私に委ねてください。貴女のその身も心も包み隠さずすべて。互いに信頼し合いすべてをさらけ出して愛し合わなければ、本当の快楽は得られませんぞ……」
デリアには本当の快楽も愛の意味もまだよくわからなかった。
今はただこの男が、自分の過去の悲しみを、現在の苦悩を、そして未来への不安を忘れされてくれるであろう存在であることを感じ、その肌のぬくもりを求め貪り続けた。
− fin−
あとがき
時系列としては「love affiar-情事-」より先になっていますが、こちらの方はあとから書きました。
これを書いたときはPS版DQ4が発売され「会話システム」のおかげで、某巨大掲示板の某スレでライアン×女勇者話が一部で盛り上がっていました。またその巨大掲示板関連板のDQの官能小説スレも当時字書きさんが沢山いて、盛り上がっていました。
これを書いたのは某スレで「ピサロにやられる女勇者」がみたいという方がいらして、私より先にライアン×女勇者の小説を書いた方がその後日談として、そのシチュエーションを書かれたのを受け、私はその逆のパターンを書こうと思って出来上がったのが、これです。これも女勇者ちゃんの「その後」を考えて書いていました。これを書くことで、私の中の女勇者ちゃん像が出来上がったといえるべきお話となりました。それをなんとか書いてゆきたいとおもっています。
ブラウザバックでお戻りください。
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