*サンゾロですが、触手にサンジもゾロもセクハラ(?)を受けています。大丈夫なかたのみどうぞ。 「……ち、くしょ、てめ、ばか、こっち見ん、な、っ」 「ばかはてめえ、だっ、ろうが、――ん、あ、」 「あんだ、とッ、……ちょ、ちょおっ、ま、待て、待てって!」 最後はゾロに向けた言葉ではなかった。慌ててばたつかせた手足がむなしく宙を漕ぎ、サンジはぎり、と歯を食いしばった。 服越しに体中を這いまわっていたそれが、とうとうボトムの中にも侵入してくる。下腹にじかに触れる、濡れた感触に全身が総毛だつ感じがした。妙に温かいのも生々しい。そもそも動物なのか植物なのかも定かでない生物だ、言葉が通じるとも思えないのだが、なにせ体が言うことをきかないから他に手もなかった。 ベルトをはずされ、ジッパーまで下ろされる。同じものが、手足の関節にも蔓のようにがっちりと巻きついていて自由を奪っている。 枝だか雄しべだか雌しべだか、サンジとしてはせめて雌しべであってほしい。表面がつるりとした、蛍光色に近い鮮やかなピンク色の、ひも状の物体はくねくねとじつに器用に動いた。まるでそれ自体が意思をもっているような動きで、なんだかわからないのでとりあえず触手と呼ぶことにする。 辺りには蜜のような濃厚な香りが漂っていた。 どうやらそれがこの脱力の原因らしいと、ぼやけた頭でサンジは思った。 いっぷう変わってはいたものの、はじめはただの大木だと思ったのだ。 苔色の太い幹、そこからほうぼうに伸びた枝に葉は一枚もなく、かわりに毒々しいほど赤い大きな花をいっぱいに咲かせた、その根元でゾロはのんきに昼寝をしていた。ように見えた。 手間かけやがってと近づいてみれば、ゾロの息が荒く顔も赤い。薄く開かれた唇からふ、ふ、と吐かれる呼気と、不機嫌なときとはまた違う、眉を顰めたその表情にはあきらかに覚えがあった。 よく見ると服の下をなにかがもぞもぞと動いていた。おそるおそる、だが遠慮なくがばりとシャツをめくりあげてサンジは愕然とすることになる。 鍛えられた胸板の中央、ぬめぬめと光る細い紐のようなものが、両方の乳首に巻きついていた。ゾロの吐息に合わせるように、まるで指で挟んでこねるように、きゅ、きゅ、とリズミカルに締めつけている。すっかり色づいた実は、サンジがねちこく舌先で舐めあげたときと同じように尖っていた。 呆気にとられたまま、やけに長いその先を目で追った。開ききった花の中央からそれは伸びていて、数ある他の花からも同じものがこちらへゆっくりと向かって来ている。少し膨らんだ先端を揺らし、ぽたぽたとなぞの液体を垂らしながら。 サンジは確認するように、もう一度ゾロを見た。触手は足にも這っていた。ゾロからはひどく甘ったるい匂いがして、それは皮膚や服のあちらこちらに付着している液体のせいのようだった。花の蜜だろうか、どろりと白濁していて、まるきり精液みたいに見えた。 「……んだよ、こりゃあ」 独りごちた瞬間、くらりとめまいがして、まずい、と思った。足に力が入らない。 柔らかな土に膝をつくと、触手はあきらかにゾロの中心に向かって、内腿のきわどいところを這いはじめている。むしり取ってやろうと手を伸ばす、そのときに背後から両足を掴まれ引きずられた。ぐるぐると足首に巻きつき、同様に手も拘束される。 ゾロにまとわりつくそれもあっというまに数が増え、そのひとつがボトムのなかへと消えて行った。しかしゾロはいまだ眠っている。殺気には聡い男のはずだがそれを感じないからか、それともこの匂いにやられているのだろうか。顔が上気し、腰がひくつくようにときおり揺れる。漏らす声が甘さを増してきて、かっと頭に血がのぼった。 「冗談じゃねえぞ!」 こんな訳のわからねえやつにゾロを好き勝手されちゃ困る。 すげえ嫌だ、ゾロは俺んだ、俺だけのモンだ。 男同士の見栄も矜持もあるから日頃は抑えている、手を先に伸ばしたのはサンジだけれど、なにせ好きだとちゃんと言ったこともない。だが実のところサンジはそうとうに嫉妬深い。 「ゾロ!!おい、てめえ、いくらなんでも寝ぐされすぎだろ!起きろ!」 「――は、コッ、ク、やめ、ろ、」 「俺じゃねえよ!この馬鹿マリモ!!」 こんなときで無ければにやけてしまいそうな勘違いに、サンジは全力でつっこんだ。目の前でゾロの衣服が乱されていく。肌を覆う触手が光りながらうごめくと、ゾロの表情がいやらしく緩み、唇が開き顎がだんだんとあがってくる。ちくしょう色っぺえ、けど、そんな場合じゃねえ。 「起きやがれ!!」 渾身の力を込めて頭突きをすると、んあ、とゾロが悠長に目を開けた。ぼやけていた焦点がはっきりとし、まずはサンジの有様をまじまじと見つめ首を傾げる。 「なにしてんだ、コック」 「……俺が聞きてえよ……」 サンジはうなだれ盛大なため息をついた。 時はすでに遅く、二人して向かい合わせで触手にがっちりと絡めとられていたのだった。 たちあがりかけたものに、とうとうそれが伸びてきた。ぬめった粘液の糸を引きながら性器をゆっくりと這いあがる。絶妙な力加減でしごくように動かされて、すぐに硬く育ち反り返ってくる。 ぬちゅ、ぬちゅ、と立つ音がやけに卑猥だった。身体が熱い。触手が触れて液がついたところは痺れるような感覚がして、たぶん媚薬のような効果があるのだろう、思考力を根こそぎ奪われてしまいそうなほど気持ちがよかった。奥までいっぱいに頬張られて、強弱をつけて吸いあげられているような。 ゾロの心配もだがそろそろサンジ自身も切羽つまってきた。そういやゾロに口でしてもらったときも気持ちよかったな、勢いあまって顔にかけちゃって以来してくんないけどと、気を逸らそうとして考えたところつい想像して墓穴を掘った。 腰からぞくぞくと、馴染みのある感覚が這いあがってくる。やべえ、いきそう。 ふ、う、と思わず低く呻くと、今度はゾロがごん、と頭突きをかましてくる。四肢以外は比較的自由がきくのだった。といっても、力加減としてはいつもの半分にも満たないだろうが。 「何すんだクソマリモ!」 「るせえ!なんかいい声出してんじゃねえ!」 ゾロは本気手ぬぐいを巻いたときの、あの悪鬼のような形相でサンジを睨んでいた。 「だ、出してねえ!だから見んなつってんだろうが!」 「目の前だから見えんだよ!だいたいな、てめえがぼんやりしてっから、こんなことになんだ!」 すじ違いな罵声を浴びせてくる、目の前のゾロを負けじと睨みつける。だんじて俺のせいじゃねえ、そもそもはおめえがこんなところに、と言いかけた唇をふいに塞がれた。 「ん、」 目一杯首を伸ばし、ゾロがくちづけてくる。声を吸い取るように、息苦しいほどに、舌が深く音をたてて絡んだ。歯茎まで舐められて唾液がこぼれる。ぷは、と二人して息を継いだ。 「な、なにし、」 「その声むかつくんだよ!!」 「……は?」 「てめえは俺んだろうが!そんなんでいきやがったらぶっ殺すぞ!!」 「え」 訊き返そうとしたらまた勢いよく塞がれた。ゾロの口のなかはとても熱い。白っぽくかすんだ頭でさっきの言葉を反芻する。俺のって。俺のって、ゾロが言った。 ゾロの舌を今度は自分から絡めとる。歯で甘噛みしながら吸うと、ん、んう、とゾロが声を漏らす。薄目を開ければゾロの前ももう弾けそうに滴り震えている。こうしているあいだにも、触手は容赦なくうごめいている。 「は、ちょ、これやべえってゾロ、よけい気持ちよくなってきた」 「ん、お、れも、や、べえ、」 二人の顔の近くでふらふらと揺れていた触手の先が、風船のようにぷくりと膨らんだ。避ける間もなくそれが弾け、びゅ、と頭から降りかかる。この俺にぶっかけとはいい度胸だと、自分が前にゾロにしたことは棚にあげてサンジは呻った。不快きわまりないのだけれど、目の前に晒された白く汚れたゾロの蕩けた顔にまた思い出して煽られてしまう。 口に流れ込んだぶんはなんとか吐き出したが、皮膚からも吸収されるのだろうか、ますます体は過敏になり、それとは逆に頭は霞んでくる。さらに追い詰めるつもりなのか、くびれた部分と、その先の小さな穴を重点的に責められてサンジは頭を振った。 ゾロの片足のブーツはとうに脱がされ、下履きごとずり下ろされたボトムがもう片方の膝下にわだかまっている。その膝を固定していた触手が、張力をかけて両足を左右に開きはじめた。 「あっやめろやめっ、ぶっ殺、」 必死で暴れる腰が空に浮き、あられもない姿が眼前に晒されていく。ゾロのそこはすでに先走りと粘液でぐしょりと濡れていた。 いわゆるみごとなМ字開脚。サンジの視線は局部に釘付けだった。 「――ご開帳……」 「あ、あほかァ!!このどエロまゆげ!!てめえも後で斬る!!こんなんいっつも見てんだろう、がッ、う、あ、ン、」 ゾロの罵声が途切れたのは、数本束になったやつらが尻の後ろから回りこんだからだった。そのうち一本がぬるぬると入り口をこすり、他の二本が表面のひだにかかる。ゾロにも媚薬のような成分が効いているのだろう、あらわなそこはもの欲しそうにひくついていた。 たらたらとこぼし続ける前にも、サンジと同様に他の触手が巻きついている。じゅ、じゅ、としごかれるたびに飛沫が飛び、後ろは生き物のように口を開きそのなかを晒した。射精を耐えるゾロの唇からは唾液がこぼれている。戒められたままの乳首は立ちあがり、他より生白く見える内腿が痙攣しはじめている。 「見、見んなっ、あ、ああ、」 うわずったゾロの声でようやく我に返った。日頃はあまり羞恥心と縁の無いゾロも、さすがにこれは恥ずかしいのか視線をわずかに下向けている。いつも強い目元は血が集まっていて赤い。サンジはぎりりと音を立てて歯を軋らせた。 ちくしょう、あんな顔をゾロにさせていいのは俺だけだ。俺だってあんな恥ずかしそうな顔させたことめったにねえのに。 過度の怒りと愛ゆえにサンジの体温は急上昇した。自然発火しそうなほどのそれに、サンジにまとわりついていた触手が動きを止めた。少し緩みはじめた触手の力に抵抗するように全身に力を込める。繊維が裂けはじめたような音が足元から聞こえる。 「よし、これならなんとかなるか、も、――!」 あと少しで千切れそうだ、というところで、他のものよりも数段太い触手がゾロに近づいているのが目に入った。内部は管にでもなっているのか、ぽこりぽこりと一定の間隔で、球状のものが花のほうから移動してきている。そんなもんをゾロのなかに入れて、あまつさえ出そうってのか、植物だかなんだかわからねえ分際で。 それが遊ぶようにゾロのほころんだ場所をなぞると、びくん、と大きくゾロの体が揺れた。とろりと水の膜を張った瞳がサンジを映す。 「も、あ、――う、あ、こっ、く、……い、っ――」 ――コックのじゃなきゃ、嫌だ。 サンジの耳にはそう聞こえた。 「ラブコックなめんじゃねえぞこのクソ触手がァァ!!ゾロに突っ込んでいいのは俺だけだああああ!!」 髪を逆立てうおおおおおおおおと腹の底から雄叫びをあげれば、さらにサンジの表面温度は急上昇した。辺りには触手の焼ける焦げ臭い匂いが立ちはじめ、それで服が燃えないのはおかしいのだがサンジはいまそれどころではない。 ぶちぶちと手足に絡んでいたものが千切れる。まずはいままさにゾロに沈もうとしてた触手を飛び蹴り一発で撃退した。燃えさかる愛の炎が移ったそれは、のたうつような動きをしながら退きさがった。 「コック!……抜け!」 目配せでゾロが右腰を示す。つま先で器用に鯉口を切り、鍔をそのまま蹴りあげるようにして鞘を払った。口元に飛んできた柄をゾロはいつものように歯で噛んだ。たった一閃で、周囲のあらかたの触手はばさりと斬り払われる。刀さえあればゾロはまず大丈夫だ。とりあえず本体である木を蹴り倒すことに集中する。 めきりめきりと音を立てて、赤い花を散らしながら根元の辺りでそれは折れた。うごめいていた触手たちの動きがだんだんと小さくなり、やがて動かなくなっていく。 「――ゾロ!!」 サンジより長くここに居たせいだろうか、ゾロはまだうまく動けないらしく、しどけない姿で地面に横たわっている。顔を横向けた耳たぶが赤い、呼吸が荒く、全身が小刻みに震えていた。そういえば、寸前まで追い詰められていたのだ。 「ゾロ」 「……コッ、ク、」 とろんとしたような顔でゾロがサンジを見る。何も言うな、というふうに、サンジは頭を静かに左右に振った。 「わかってるぜ」 「あ?なに、が」 「……いきてえんだろ、俺ので」 耳元で囁けば、ゾロが呆気にとられたように絶句する。サンジはやさしく微笑んで、そのまだ汚れたままの頬をそっと拭った。 おもむろに両膝に手をかけて、股を広げさせ、さっきと似たような格好をさせる。ゾロのものはまだ勃ちあがったままだった。その先にくちづける。あ、とゾロがきつくのけぞった。 指で開くようにして舌先をいれ、吸いあげてやれば透明な液があふれてきた。膝裏に置いた手にぐ、と圧をかけると尻が浮きあがる。先端から幹へ、そして後ろの膨らみを舐めあげ、迷いなく後ろに唇を押しあてる。 「お、い、やめっ、ん、……んんっ」 「いくらなんでも少し馴らさねえと、な」 周囲を舐めてから、ぬるりと舌を挿しいれる。媚薬のせいもあるのか、すぐに柔らかくとろけてくる。わざと音を立てて念入りにほぐしていった。あ、あ、と甘く喘ぎながら、その合間にやめろやめろとゾロが身をよじる。照れ屋さんめ。サンジはますます愛撫に力を入れた。 「……ふ、んあっ――も、っ、う」 ひくりと袋が前に引きつけられ、ゾロがいきそうになっているのがわかった。まだ、もちっと待って、そう言ってサンジは根元を握り込んだ。 そのまま指を入れる、二本目を入れたときに、ゾロの性器が震え太腿が大きく痙攣した。きゅうきゅうときつくなかが絡んでくる。びゅ、と射精とは違う、噴きこぼれた水がゾロの顔をなお汚した。 「あ、おめえいま、軽くいっただろ」 「うあ、ちが、ちくしょ、はや、くっ」 「うん、……もういいみてえ」 指を抜けばそれは濡れて光っていた。見せつけるように広げて舌で舐め、ゾロの味、とにやりと笑う。ゾロがは、と湿った息を吐いた。片手で膝を固定して、先端を押しあてながら、もう片方で乱れた髪を梳いてやる。 「なあ」 「な、んだよ」 「好き。……すげえ好き」 言ったのはこれがはじめてだ。ゾロは一瞬、ぽかりと口を開けた。 「……は?……てめ、な、な、なに言っ、――」 ぼん、という音がしそうなくらい顔を真っ赤に染めたゾロを見たら、背筋をぞくぞくと悪寒じみた興奮が這いあがった。ぐじゅ、と一気に突き込んで、同時に前を解放してやる。ゾロは声もなく全身を跳ねさせた。 長く我慢していたせいか、何度かにわけて撒き散らし、二人の腹と胸を白く汚していく。吸いあげきつく食いしめられて、サンジもなかに放ってしまった。顎があがる、ぶるりと腰を震わせる。ごぷ、と漏れたものが下腹を濡らすのがわかる。 抜かずにそのまま腰を高く抱え込んだ。すぐにまた硬く育ったもので、上から穿つようにして深く突いてかきまわした。尻を叩くような、皮膚と皮膚がぶつかる激しい音がする。 「あ、ああっ、つえ、えッ、ば、――」 「は、ッ、好き、好き、だ、ゾロ、」 「てめえっ、ず、ずりいッこんな、あ――う、あ、」 「だってよ、も、と、まんね、」 しこった乳首を引っ張るようにこねると、ゾロも腰を揺らしはじめた。繋がっているところを、サンジの腹にあたる性器を、もっととすりつけるように。すぐに二度目をかけあがったゾロの、焦点がぼやけはじめた瞳を覗きこむ。ぽたぽたと汗がゾロの頬に滴り、混ざり合って顎へと流れていった。 震える両手が下から伸びてくる。片手で髪をわし掴まれ、首の後ろに回った腕でぎゅうと抱き寄せられた。すでにあの甘ったるい匂いは薄れて、ゾロの匂いがいっぱいにする。 ゾロもそうだといい、俺だけを感じてほしいとサンジは思う。 「ば、かが、はなっから、な、……し、ってん、だよ」 「……うん」 俺だって知ってるぜとサンジは笑った。うるせえ、と答える声は掠れている。 触れあわせた頬がひどく熱かった。 あの触手もどきはとうてい許せないけれど、こんなゾロを見れたのだけは感謝してやってもいいと、ちょっと息苦しいほどきつく抱きしめられながら、サンジは濡れた顔中にくちづけを落とした。 そういや俺のだって言ってなあと、ふにゃりとした顔でサンジは煙を吐いた。 酷使した腰をさすりつつ、ゾロはひそかにため息を吐く。やりたい放題さんざんやりやがって。思いはするが、自分のせいでもあることは自覚しているから何も言えない。 「おまえさ、レディには妬かねえのにな」 「てめえの女好きは不治の病みてえなもんだろ」 サンジの女好きなどゾロも重々知っている。女と見ればまめまめしく声をかけ、すらすらと賛美の言葉を並べたて、くねくねとおかしな踊りを舞うのは、料理と同じくらいサンジにしみついた習慣みたいなものなのだろう。 諦めているというよりは、それも含めてサンジだと思っているだけだった。突き放したつもりが、サンジはますますヤニ下がった顔で笑っている。 「……なんだ、その顔」 「それってよ、俺のすべてが好きって、そういうこったろ」 「……」 あのなぞの液体で脳細胞がやられたのだろうか。もともと思い込みの激しいやつではあるけれど。そういやさっきも、何かおかしなことを言っていた気がする。いつもなら反論するところだが、サンジのじつに幸せそうな顔を見ていたらどうでもよくなった。 それに、とサンジの口元の煙草を奪いながらゾロは考える。 あながち、コックの言うことも間違っちゃいねえのかもしれねえ。 「俺もたいがい……」 「ん?」 「……なんでもねえよ」 うれしげに懐いてくるひよこ頭をわしと掴んで、金色の髪に顔を埋めた。煙草と汗の混じったサンジの匂いは、それでもやはりゾロの気に入りだ。 まぶたを閉じる前、ちらと視界の隅に入った触手もどきは、行為後に施されたサンジの執拗な足技ですでに原形すらとどめていなかった。 (11.05.09) なんか急に触手が書きたくなったんだけど、やっぱりサンゾロなのでこうなりました。 いま読み返すとつくづくアホですねえ… |