夜はこれから




もっと、とねだる自分の高い声を、信じられない思いでゾロは聞いている。
せまい個室、大きく足を開かされ、立ったままで、後ろから。
壁についていた手はどんどん下にずれて、自然、尻を突き出す体勢だ。
「はじめてなのに、すごいね。中、うねってますよ」
巧みに腰を使いながら、楽しげにサンジが言う。
硬くなった乳首を強くつままれのけぞった。内側がぎゅっとペニスを締め付ける。
「いい反応」
かわいいなあもう、サンジが体を曲げ顔を近づけ、その拍子にいっそう深く入り、蕩けた先端から蜜がしたたり床を汚した。
首の後ろをべろりと舐められ、噛まれ、吸われ、また女のような声が出る。
なんて男だ。
あんな優しげなナリをして、ちくしょうちくしょう、だまされた。
いくら言ったって、もう遅い。






――さっきからお前のこと見てるぜ、あの子。
耳打ちされその方向に目をむけた。カウンターの、ゾロとは反対側の端、一人で酒をのんでいる金髪の若い男のことだ。目があうと、慌てて逸らす。
「見ねえ顔だな」
「いや、最近よく来てた。お前がたまたま会わなかったんだろ。誰から誘われても断って、一人で帰ってたな」
理想がお高いんだろうよ。ジンをストレートで煽りながら、シャンクスはにやりと笑った。
この店は同じ嗜好の人種があつまる場所だ。
声をかけられ気に入れば、その夜の相手がきまる。話が、早い。そういう店。
「へえ、好みだ」
「言うと思った。お前もすきだね」
線の細い、神経質な感じの男がゾロは好きだ。顔のきれいな男も。
そういう男を組み敷いて、さんざん喘がせるのが。
観察するように見ているとまた目があった。今度は逸らさない。瞳は何色だろう。
「いけるな」
「いけるだろうな」
「行ってくる」
「ええー、今日こそお前を落とそうと思ってたのに」
「あほか。てめえが掘らせるってんならともかく、誰がケツ貸すかよ」
金髪の男と視線を絡ませたまま、軽口をたたきあう。
シャンクスもゾロと同じだ。突っ込むほう専門、タチしかやらない。昔はどっちもやっていたらしいが。
「お前、向いてると思うんだけどなあ。やってみなきゃわかんねえぞ」
新しい世界が、開けるかもよ。
「ふざけんな」
言い捨てて、席を立った。
ふられたー、とみっともない声を出すこの男が、一人で店を出ることなんかないのはよく知っている。


ここ、いいか?
声をかけ、返事を聞く前に男の横に座った。
男は少し驚いた顔をしてゾロを見たけれど、すぐに我に返り、どうぞ、と言った。意外に低い声、ひかえめに笑った。
近くで見ればますます好みだった。眉が変な風に巻いているが、それも愛嬌だ。
色が白い、瞳はブルーだ、筋の浮いたきれいな手をしている、煙草を吸っていた。年は、同じくらいか、少し下だろう。
さて、ここから。自信はあったから、ストレートにいくことにする。もともと駆け引きは嫌いだった。
「理想が高いんだってな」
「そうかも、しれないです」
男は微笑みを崩さずに言った。
「俺は?」
目を合わせたまま腰に手を回す。尻まで撫でるようにして確かめると、意外に筋肉がついていた。
「素敵、だと思います、すごく」
抵抗しない。顔が少し赤くなっている。
「名前は?」
「サンジ」
「俺は、」
知ってます、とサンジが遮った。
「ロロノア・ゾロ。いろいろ、噂話を聞きました」
「なんて」
「あなたと一度でも寝たら、夢中になるって」
ゾロは同じ相手を何度も抱かない。後腐れなく、その一晩を楽しむ。それがゾロのやり方だ。
「試してみるか?」
声を低めた。サンジは完全に堕ちている。
黙って頷くサンジの、染まった耳元に唇を寄せ、ゾロは言った。
こいよ、かわいがってやる。






店を出てすぐ、いきなりサンジが抱きついてきた。ホテルまでなんて、とても待てない、と湿った声で訴える。
ビル内には似たような店がいくつかあって、共同のトイレはそういう目的にも使われていた。個室は三つ。何を見ても、何が聞こえても、誰も気にしない。うっかり紛れ込んだノンケの男がひどい目にあうだけだ。
この時間はまだ空いているはずで、そう言うとサンジは、じゃあそこで、と恥ずかしそうに俯いた。

トイレには案の定だれもいなかった。端の個室に、サンジの手を引いて入った。狭苦しい空間だが、それがよけいに興奮を煽る。
サンジがゾロの背をドアに押し付けるようにし、唇をあててきた。頬に手をあて何度か軽くあわせたあと、舌がするりと入り込み、中をまんべんなくなぶる。
キスがうまい、とても。それに、ゾロが思っていたよりずっと、サンジは積極的なようだった。
唾液が絡まる音が天井に反響し、唇を離すと糸を引いた。サンジの眼はうっとりと潤んでいる。白い肌が上気して、赤味がいやらしかった。ごくり、と互いの咽を鳴らす音が聞こえる。
「夢みたいです、あなたと寝れるなんて」
そうサンジが呟き、大げさな奴だな、とおかしかったが、悪い気はしない。
がちゃがちゃと音を立ててベルトを外し合った。いつもより高ぶっている自分に、ゾロは気付いていた。
「さきに、舐めさせて」
サンジが言い、ゾロの前に屈みこむ。奉仕されるのはもちろん大歓迎だ。

半勃ちになったものをすっぽりと口に含まれる。
飴をなめるようにしゃぶられ、あっという間に硬くなった。さっきのキスのときの舌の動きで、ねちっこい愛撫を加えてくる。
「一回いっときましょうか」
上目遣いで言うと、奥の方まで銜えられた。
舌全体を裏にあて吸いながら、唇をすぼめてしごかれ、片手で袋をやわやわと揉まれて、あっけなくのぼりつめる。思わずサンジの頭を両手でつかんだ。きつく目を閉じる。
何度か小さく体が震え、口の中に放った。のこらず飲みほした後、サンジが名残惜しげに、尿道をじゅう、と音を立てて吸いあげる。ん、と思わず声が漏れた。
こんなに早くいったのは初めてなら、こんなに気持ち良かったのも初めてで、これはほんとに大当たりだったな、とゾロはぼんやり考えていた。
だから。サンジがポケットからごそごそ何か取り出し、指になすりつけているのに、気付けなかったのだ。

余韻に浸っていたゾロの、まだ小さくなりきっていないものを、サンジがまた口に含んだ。
「おい、もういい」
慌てて言うが、サンジは聞かない。それどころか。
さっきよりもなお熱心に育てながら、片手を後ろに回し、穴の周りを撫でるようにしだした。べたべたするのは、潤滑剤か何か、か。冗談じゃない。
「よせ。俺はそっちは」
手首をつかんで阻もうとするが、こんな細い腕のどこに、と思うほど力が強い。
背中がドアにぶつかり、どん、と音を立てる。前を銜えられたままだから、思うように力がだせなかった。
「だめだだめだ、ふざけんなてめ、あ、あっ」
罵倒した瞬間、指先がつぷり、と入ってきた。うそだろ、とゾロは思う。
アナルはバージンだ。指だってもちろん入れられたことはない。うそだろ。
そんなゾロの事情には全く構わず、サンジの繊細な指が、浅いところをゆるゆると出入りしはじめる。
信じられなかった。何年も守ってきた後ろをこんなにあっさりと。
「アナル、はじめてなんですね」
「あ、あたりまえだ!だから、やめ、ん、」
「よかった、嬉しいです。じゃあ、しっかり慣らしますね。気持ちよくなってもらいたいし」
サンジが優しげに笑い、太ももの内側のやわらかいところをちゅう、と吸った。ゾロの片足を自分の肩にかつぎあげ、後ろをあらわにする。
ペニスはどんどん硬さをまし、両手で口を押えても、ふうふうと息がもれる。
ゾロの反応に満足したのか、サンジは指の動きを大胆にしだした。リズムをつけて動かしながら、いいところを探っていく。
「ん、んあっ!」
「あ、見つけた」
探られるとびりびりと電気が走るような場所、よく知った、その場所、そこを指先で小刻みに撫でられ、そのたびに、ぴくりぴくりと前が跳ねる。
やりにくいから、後ろむきましょうか。
そう言って、指が入ったまま体を返された。ドアに手をつき、サンジの方に尻を向ける格好をとらされる。
たしかにこの方がやりやすいのはわかる、わかるけども。
ゾロは半ばパニックに陥っていた。いつの間にか指の本数は増えている。
おまけに、サンジが片手で尻を割り、襞の周りに舌を当て、蕩かすように音を立てて舐めだした。ときどき指の横からねじ込んでほぐしていく。
柔らかく濡れた熱い舌があらぬところを這いまわる感触に、はげしい羞恥がわきあがり、けれどからだはどこまでも白熱する。
ア、ア、ア。
とうとう喘ぎが抑えきれなくなった。たまらず自分の腕を噛んだ。背中が反りかえる。
「きれいな色ですね。ほんとに使ってないんだ」
「だから、さっきから、言って…、あ!」
「でも、すごい反応いいし、だいぶ開いてきたし。たぶんいけますよ、後ろで」
「そ、そんなこと、」
「だってもう、おいしそうに吸い付いてきてる。いやらしいな」
感心したように言われ、一気に顔に血が上った。
こいつ、ふざけやがって、と思う、思うのに、それなのに。
「ほら、前もぬるぬる」
ひっきりなしに先走りをこぼす、小さな穴を指の腹でこすられた瞬間、腰を揺らめかせてゾロは果てた。精液がドアと腹にぱたぱたと飛び散る。はじめての感覚に、全身が硬くこわばり、目の前が一瞬白くなった。
「ね、いけた。才能ありますよ、先輩」

せんぱい、先輩?

聞き返す間もなく、サンジが力の入らないゾロの腰を支え、先端を押し付けこするように動かしてきた。
「ちょ、まて、先輩ってお前、」
「同じ高校出身なんです。俺が一年のとき、あなたが三年。すごく好きで、ぜんぜん忘れられなくて、探しましたよ、大変でした」
「は?でも話したことも」
「ないです」
サンジが断言する。
「それに俺、昔メガネでチビだったから、今とはだいぶ違うし」
たしかにゾロはいろんな意味で高校のときから有名人だった。ひそかに憧れてました、などと知らない人間に告白されることもあった。
けれどこれは、これは、行き過ぎてないか。
「ずっとずっと、抱きたかった。ほんとうに、夢みたいだ」
「いやだから、俺は、」
「うん。はじめてなんですよね。優しくします」
「てめえ人の話をっ、まてまてまて、や、や、あっ」
ゾロがだした粘液と潤滑剤の力をかりて、あまりにもあっさりとサンジのペニスが侵入してきた。先の太いところが通るときの違和感は、やはりつよい。
「い、いてえ、」
「すぐによくなりますから。しばらくこのまま、ね」
中途半端にいれたまま、サンジが背後から手をまわしゾロのシャツをはだけさせた。胸を撫で回し、乳首をつぶし、転がし、軽くひっぱる。指先をひっかけ、ぴん、と弾く。何度も何度も、くりかえしいじられる。
そうすると後ろが緩み、一緒に口も緩んで、甘い声がとめられなくなってくる。サンジがすこしずつ腰を進めていく。それでもまだ、半分くらいしか入っていないはず。
「乳首、感じるんでしょ」
必死で頭を振っても、意地っ張り、とサンジは笑うばかりだ。
胸を執拗に責めながら、耳をしゃぶりだす。口をあければすかさずそこに指が入って犯してくる。足ががくがくと痙攣しはじめた。
もう、だめだ。
いよいよゾロが根をあげそうになったとき。

人が入ってくる物音がして、サンジが動きを止めた。
助かった、とゾロは見知らぬ誰かに心から感謝した。
二人分の声は、たぶんお仲間だろう。一つ間をあけた個室に入ったようだった。すぐに荒い息遣いが聞こえてくる。
「誰かきちゃいましたね」
小声でサンジが囁く。ぴく、と後ろが締まった。
さっきからゾロは、自分がどうもこの声に弱いようだと、うすうす気が付いている。認めたくはないけれど。
「なあ、人が来たし、もう、やめ……」
「なに言ってるんです、ここまできて。だいたいもう入っちゃってるんだから。往生際が悪いですよ」
「て、てめえは鬼か!」
「わかった。後ろで感じるのがイヤなんでしょ」
「かんじて、ねえ!」
「ふうん?」
いじわるげに言ってから、サンジがいったんぎりぎりまで引き抜き、ぐい、とふたたび突き入れた。硬いペニスが内壁を擦り上げる感覚に、ひん、と情けない声をゾロはあげた。なんなく最後まで侵入を許してしまう。
「よし、ぜんぶ入った。動きますからね」
ゾロは恐慌した。
今でさえ限界に近い。これで動かれたら、自分がどんな痴態を演じるか、考えただけでもぞっとする。
ばか、しね、やめろ、へんたい、思いつく限りの言葉で罵った。
「そんな大声だしたら、ばれますよ、あなただって」
こどもを諭すように、穏やかな調子でサンジが言う。
ゲイの世界は狭い。
バリタチで通って、それを誇りにしていたゾロのような男が、こんな優男に掘られたなどと知れるのは、かなりの屈辱なのだ。
「ね、もう観念してください」
かわいがってあげるから。
どこかで聞いたような台詞だった。

ゾロの答えなど待たずに、サンジが尻を揉みながら突き上げはじめる。じっくり慣らされたそこは、なんの抵抗もなくその動きを受け入れてしまう。
「これなら、前からでも大丈夫かな」
言って、サンジがずるりとペニスを引き抜いた。便座にフタをして上に座ると、すばやくゾロの尻を掴んで開き、向かい合う形で上から沈ませる。
ぐちゅ、と音がして奥まで深く入り、思わずのけぞったゾロの腕を、サンジが自分の首に回した。体をぴたりとくっつけ、下から突いてくる。
後ろがひくついてぐずぐずに溶けそうだった。どうしようもできずに、サンジの肩に強く顔を押し付けて耐えた。煙草の匂いに交じって何やら甘ったるい香りがして、頭がくらくらする。
「ねえ、顔がみたい。ゾロのやらしい顔、みせて」
耳朶に熱い息がかかり、溶けてしまいそうだ。
「あ、んあ、ちくしょ、てめ、耳元でしゃべんな、」
「俺の声、好き?」
「す、きじゃ、ね、」
「うそ。俺がしゃべるたんびに、ここ、締めてくる」
少しめくれ上がった粘膜をつう、と指でなぞられ、ゾロは知らず擦りつけるように尻を振っている。
「強く願えば夢は叶うって、ほんとなんですねえ……」
しみじみと言うサンジが心底憎らしい。
俺だって夢みたいだ、とゾロはかすんだ頭で思う。
この俺が、こんな風に、しかも後ろで、男に喘がされているなんて。
「すきです、すきだよ、ゾロ。かわいい、すごく、かわいい、ゾロ、ゾロ」
「やめ、な、なまえ、よぶな、ばか、あっ」
この男の声で呼ばれると。頭も、体も、なぜだか灼ききれそうに熱くなる。
サンジがあやすように背中を撫で、そんなことにさえ感じる自分がはずかしかった。泣きそうだ。
「気持ちよさそうだね、ゾロ」
「よ、よく、ね、ち、くしょ」
「ゾロ、ゾロ、俺ももう、」
サンジの追いたて追い詰める動きが激しくなり、腰から下にはもう力が入らない。がくがくと揺さぶられ、嫌がおうにも高められていく。
「あ、ああ、うそ、うそだ、こ、んな、も、いく、も、や、……!」
ゾロが勢いよく白濁を飛ばしながら、サンジを絞り上げる。ほどなくサンジも続いた。
サンジの熱がどくどくと伝わり、下腹いっぱいに広がるのを、ゾロはぼうぜんとしたまま感じていた。


くたりと力が抜け、抱きついた体勢のまま動けないゾロの頭に、サンジがすりすりと頬ずりをする。後ろにはまだサンジのものが入ったままだが、抜く気力さえない。
いつのまにか、もう一組はいなくなっていた。それすらわからないくらい、夢中になっていたのだと思うと、顔を覆いたくなる。
あれだけ喘いで、名前を何度も呼ばれた。明日にはもう噂になっているだろう。
くつじょく、くつじょくだ、このストーカーまがいの男のせいで。
今頃になって、怒りが込み上げてきた。
ようやくゾロの息が落ち着いたのを見て取って、ゾロの気も知らないサンジが言った。
「つぎのときは、ベッドでしたいですね」
ゾロをぎゅっと抱きしめて、当然のような口ぶりで、にこりと笑う。
つぎ、だと?どういう男なのだ、こいつは。
「……死にてえらしいな、てめえ」
「強がっちゃって。あんなにあんあん言ってたくせに」
「言ってねえ!」
「言ってました。気持ち、よかったでしょ」
う、と言葉に詰まる。
「とにかく、俺はタチがいいし、おんなじ相手とはやんねえ主義なんだよ。一晩で、はいさようなら、だ」
「主義?」
「おう」
「主義なんて、変えたら?」
ね、ゾロ。耳の後ろ、骨の上に唇を乗せ、甘い声を響かせてくる。
だめだ、やはりこの声には弱い。さっきの感覚が思い出されて、反射的に後ろがひくりと息づいた。当然、中のサンジにまでそれは伝わり、だいぶ萎えていたそれが、むくりと反応する。
しまった、と思った時にはもう遅かった。
サンジがにやにやしながら顔を覗き込んでくる。
いいこと、思いついた。
「一晩しか、だめな主義」
「そ、そうだ」
「まだ、夜ですよね」
「……そうだ、な」
いやな、予感がする。
「じゃあ、朝までに、考えが変わったら言ってください。俺もせいぜい、この一晩をじっくり楽しませてもらいます」
しゃべりながらもサンジのペニスはどんどんその質量と硬度を増している。
そういえば、サンジはまだ一回しかいっていないのだ。
「抜け!抜けよ!」
慌てて立ち上がろうとするが、まだうまく力の入らない腰を押さえつけられ、逆にぐりぐりとすりつけるように前後に動かされる。角度を調整し、弱いところを重点的に。
「あ、あ、それ、や、めろ!」
さっきの余韻で敏感になっているから、すぐにゾロのものが頭をもたげていく。
「こっちは正直なのにねー」
サンジがぴん、と爪先でそれを弾くと、濁りの混じった液が跳ねて散った。
男の沽券だとか、プライドだとか。
ゾロはそういうものをとても重んじるタイプだった。
だけど、それすらもどうでもよくなるくらい、この感覚は凶暴だ。
触れてもらえない前をどろどろにして、後ろから得られる快楽に、ゾロは今にも呑み込まれてしまいそうで。
「後ろだけでいきまくったら、あなたの主義、とやらも変わるかな?」
サンジが後ろに指を這わせ、人差し指を入れた。がくん、と体がぶれる。
広げるようにした指とペニスの隙間から、サンジの精液がどろりと出ていくのがわかる。馴染みのない感覚に、うう、とゾロは呻いた。
大丈夫、もっとたくさん、出してあげますから。
あいかわらずお上品な言葉遣いで、おそろしげなことを、サンジは言った。

「夜はまだまだ長いですよ。気が変わったら、いつでも、言ってくださいね」



                                  (08.09.05)




ほとんどやってますね、おどろき。あー、楽しかったあ!
インテの帰りの新幹線でネタを思いつき、たまらずある方にメールしたら、「トイレかアオカン希望!」というお返事が来て、すでにトイレを考えていたのであまりのかぶりように思わず笑いました。