『冬樹殿、応答するであります！』
唐突に沈黙を破ったのは、久しぶりに聞く異星の友人からの通信だった。
トリニティサイトからできるだけ遠くへ逃げろというギロロの言葉に、数十キロの距離を飛んで来た矢先の事である。
「軍曹！？ 軍曹なの？ 早く、伍長が大変なんだ！」
冬樹はアンチバリアに守られた空輸ドックのブリッジで、パネルに通信映像を映し出す。
そこには数日ぶりに顔を合わせる、懐かしい顔ぶれがいた。
ケロロ、タママ、モア、ドロロ。
そしてもうひとり。
彼等はたった今、この地球へ帰還したらしい。
『了解であります。危険が及ぶと困るので、冬樹殿はそこで待機願うであります！』
「頼むよ軍曹！ 少し前、別の光の玉があの場所へ着いたのを見たんだ！」
頷き、敬礼するケロロの顔は、返答より先に画面から消える。
通信はそこで途切れた。
「……ボケガエル、帰ってきたのね。……ギロロ、もう少しだから頑張って！」
PSを解除した夏美が、まだ消えたモニタを凝視しながら祈るような口調で呟く。
「大丈夫だよ、姉ちゃん。今軍曹達が行ったんだ。きっとみんな無事に帰って来るよ」
ギロロを一人地下に残して来た罪悪感からか、いつになく弱気を見せる姉の肩に手をやりながら、冬樹はさっきの通信のさなか、ちらりと背後に見えた見知らぬ異星人について思う。
「……リトルグレイみたいな、小さな宇宙人だったけど、軍曹の知り合いなのかな……」
カタカタというキーボードの音。
何事かを呟く声。
それ以外は全くの無音の世界であった。
「出品者」の立ち位置より離れ、先刻のパスワード入力を待つモニタの前には、依然として黄色の男が転がっている。
苦痛による脅しは全く効果がなかった。ではやはり直接脳に仕掛けるしかないという事か。
そうするためには、自分の権限が及び、しかも設備の整った惑星へと移動する必要がある。
しかしケロンの勢力圏は避けなければならない。
「出品者」は目的地の吟味を続けていた。
この場所へ来さえすればすぐにメモリーボールを解読できると踏んでいただけに、苛立ちは隠せない。
それにしても何故、これほど簡単に暗示が妨害された？
クルルの撃った最初の二発の弾道が逸れたのは？
あの下士官の声だけが原因とは思えない。
「出品者」は額に青筋を立てながら、自問自答するように考える。
その背後。
ゆっくりと動かなかった筈の影が移動し、音のない世界に立ち上がる。
「出品者」はまだ気付かない。
影が一歩ずつ「出品者」に近付いている事に。
影はこの狭い艇内を傷つける事のない、小型の銃を携帯しているのみであった。
そしてそれが先刻クルルが取り落とした物である事を、まるで誇るかのように歩を進める。
あと少しで目標の後頭部に銃口が突き付けられようという時―――――
振り返った「出品者」は慌てて飛び退き、携帯していた銃を正常に構える間もなく発砲する。
しかし不安定な体勢からの弾丸は逸れ、次元転送のシールドに阻まれた。
「……お前は……！」
「出品者」の目が見開かれ、驚きの表情が形づくられる。
しかしそれは一瞬の事だった。
驚きはすぐに怒りと憎しみに取って変わり「出品者」を激昂させる事となった。
「聴こえん音を使う癖に、不可視シールドには気付かなかったのか？」
そこに立っていたのは、先刻倒されたギロロ。
「……生きていたのか…… ということは、クルルもそれを知って撃ったという事か……」
「出品者」の手がぶるぶると震えていた。
クルルに撃たせたのは、オルルが「出品者」の触れた箇所から始めた、生体データの解析を終えるまでの時間稼ぎであった。
次元転送の不可視シールドがあったとはいえ、至近距離で胸に食らった衝撃は思いのほか強く、ギロロは瞬間的に失神する事になった。
「もう諦めろ。貴様の逃げ場はない。ケロン軍本部から手配も始まっている」
「何だと！ 貴様のような末端の兵士に何ができる」
その発砲は盲滅法、という表現が正しい。
「出品者」は既に正気を失いつつある。
長く待ち、望んだメモリーボール。
それを手に入れるための余りに手の込んだ手段と過程。
しかし、あと一息という所で彼の野望は頓挫しようとしている。
「出品者」にとってそれを阻止しようとするのが、名も無き一介の下士官であるという事がどうしても理不尽に思えて仕方がない。
……誰だ、こいつは。
一体何者なのだ。
長くケロン軍本部に君臨し続けてきた自分を破滅させる者。
「出品者」はただ、引金を引き続ける。
発砲された弾丸はギロロの立っている場所を掠め、彼の周囲に張り巡らされたシールドに吸収された。
戦く「出品者」に向け、真直ぐに歩を進める赤い男。
赤。
そういえば、どこかで聞いた事がある。
確か、こいつは―――――
「出品者」が脳裏に過った言葉を拾い上げようとした時。
「……諦めな、その先輩は『戦場の赤い悪魔』なんて呼ばれてた、武器を持たせると宇宙一おっかねぇオッサンだぜェ」
「クルル！」
そう叫んだのは「出品者」だったのか、それともギロロだったのか。
先刻首を絞められ、失神した筈の黄色の男が目覚めていた。
喉を擦りながらクルルは続ける。
「首絞められるくらい、慣れてんだヨ。……なァ」
「何が『なァ』だ！ 俺はそんな事をした覚えはない！」
「あんたじゃねぇよ、先輩の兄貴だ。……なあ、もう諦めな、中佐殿。執念深さじゃ軍でも一、二を争うガルル中尉が乗り出してんじゃ、どんな宇宙の果てまで行っても逃げ場なんかないぜ」
クルルの言葉はいたく親切丁寧な提言であった筈だ。
しかし、既に「出品者」は怒りと憎悪に冷静な判断など欠いている。
次の標的にされるのは、挑発したと判断されたクルルだった。
「馬鹿者っ！」
ギロロが叫ぶ。
何故貴様はそのまま失神した振りができない。
怒らせる言動しかできないなら、大人しく眠っていればいい。
俺がどんな思いで、操られた貴様に相対したか―――――
ギロロは気付く。
クルルは今、転送バンクにシールドを持っていない。
あるのは『乾きの大地』の過酷な自然に対処するための、大量のペットボトルだけだ。
それでは「出品者」の弾丸を防ぐ事は不可能だ。
ギロロはクルルの傍へ走り、一旦消去したシールドをその場に再構築しようとする。
しかし、銃撃の方が早い。
万事休す。
思わず目を閉じる。
残像となって目蓋の裏に映るのは、クルルの胸に咲く、真っ赤な花。
しかし、それは幻だった。
ずん、と腹に重い衝撃が来ると共に、ギロロは蹌踉け、目を開く。
クルルは先刻のパネルを背にしたまま、片膝をついて座っている。
その手前にて「出品者」の弾丸を無効化した者。
それはギロロにとって数日ぶりに出会う、懐かしい人物であった。
「……遅くなって面目ないでござる。クルル殿」
「ああ、あんたもこれで全部貸し借り無しだぜェ」
ドロロの体色の青が、このメインブリッジに加わった新たな色彩となってギロロの目に飛び込んで来る。
では、先刻の衝撃は。
ギロロが問いかけようとするより早く、ドロロの身体が音もなく「出品者」の目前へと移動する。
「久しぶり、いや、ほんの昨日であったでござるか。……『出品者』殿」
その手がほんの軽く「出品者」の額に付けられる。
「オルル殿、そしてノルル殿、更にクルル殿やギロロ殿にまで、……貴公、少しやり過ぎたでござるな」
「出品者」はこの人智を越えた技を駆使するアサシンのトップを、戦慄の目で見ていた。
しかし、その手に握られた銃はまだ下げられていない。
「本来ならば本部の決定に委ねるところでござるが…… 拙者、少々怒っているでござるよ」
ドロロの空色の目は光を失い、底知れぬ闇をたたえて暗く「出品者」を凝視している。
確かにギロロはこれ程怒っているドロロを初めて見た気がする。
「……アサシン兵術」
ドロロが軽く「出品者」を突き放し、再び引き寄せ。
「……『兄の愛』！」
静かに。
音なき世界で軽く呟かれたような技は、ドロロの手から離れ、この忌むべき存在をあまりに簡単に卒倒させる。
まるでサイレント映画の一場面のような沈黙の中で「出品者」は硬直し、床の一部となった。
ギロロは始終を見守りつつ、改めてドロロの技の凄まじさ、華麗さに感じ入っていた。
「出品者」は床に仰向けに倒れたまま、その目を見開き、喘ぐように喉を鳴らす。
意識を失わせぬまま筋肉のみを硬直させ、自らの肉体反射によって拘束するという、まるで拷問のためにあるような施術であった。
ギロロとクルルにゆっくりと向き直ったドロロは、少し照れたように笑い、言った。
「ギロロ君、無事でよかった。……クルル殿、本当に面目ない」
その口調の差に、この数日のドロロが如何にクルルを守る事に全身を緊張させていたかが伺える。
「謝る事はないぜ。あんたはあの場でやるべき事をやったんだ。……それに……」
クルルは倒れたままの「出品者」を見下ろす。
「……おかげでオルルにも会えたからな」
「出品者」は動かない身体を震わせ、三人のケロン人を血走った目で凝視していた。
「ギロロ！ クルル！ 助けに来たでありますよ！」
先刻の衝撃は、ケロロ達の高速宇宙艇がこの地下に埋められた探査艇へと突っ込んだが故のものであったらしい。
一足早く降下し、単身乗り込んだドロロに続いて、ケロロ達がメインブリッジへとなだれ込んだ。
「どこですかぁ！ その『出品者』とかいう悪者はぁ！」
「おじさま、気をつけて！」
ケロロはフル装備どころか、背中にも抱え切れない程の武器弾薬を用意しており、殆ど身動きが取れない状態だった。
しかし、すっかり全てが片付いたかのような、この場の弛緩した空気を目の当たりにした瞬間、急激にその重さが身体にのしかかって来たようだった。
既に「出品者」と思しき男はシートの上に座らせられ、何事か術を施された後のように目を見開いたまま、硬直している。
「……何だ、ケロロか」
「御苦労サン、もう終わったぜェ」
「エエーッ、もう終わったの！？ ウソ、我輩まだ何もやってないじゃん！」
ケロロはひとしきり激昂して見せた後、ますます重さを増す武器類を放り出す。
それをタママが溜息を吐きながら片し、通り道を作った。
そんな喧噪の後から、ゆっくりと異星人の女、ノルルがメインブリッジへと入って来る。
彼女は湿性環境下で活動可能な白の防護服を着けていた。
「ノルル殿」
ドロロがそれに気付き、ギロロとクルルに紹介しようと呼び掛ける。
しかし、それよりほんの少し早く、彼女の方がこの艇にある懐かしい肌触りに気付いていた。
ノルルはその場に止まり、目を閉じる。
そして一言、呟くように呼び掛ける。
「……兄さん」
オルルはこの場に集う者達の中に、自分にとって涙が出る程懐かしい存在が在る事に気付いていた。
それはもういつの事なのか思い出せない程遠い昔、切り捨てて来た者だった。
一時は悲愴と憎悪の対象でもあった、故郷、そして家族。
しかし長い年月がオルル自身を緩やかに変化させ、その冷えた心を溶かしていた。
「兄さん、……こんな形で会えるなんて」
―――――||||||||。……元気そうだな。父さんや母さんは元気か？
「いいえ、亡くなりました。……ずっと、兄さんの事を心配していました」
ノルルの本名はケロン人には発音どころか、聞き取る事も難しい。
しかし、遠い惑星の、全く逆の環境に生きる者であろうが、肉親を思う気持ちは何ら変わりはない。
「私はずっと、母星そのものを恨む兄さんに捨てられたと思っていました。……でも、そうではなかったのですね」
目を閉じたままのノルルの頬に、涙がどんどん溢れる。
彼女に流れ込むのは、オルルの意志。
若くして故郷を蹂躙した者のために働く事を強いられ、その肉体に理不尽な装置を施され、この世界全てを憎悪しながら旅立った筈の兄に、この地球で何が起きたのか。
ノルルはその答えを欲しがっていた。
―――――そうだな。……そろそろ種明かしをしよう。
―――――そうすべき時が来た。クルル。
突然自分に向いた鉾先に、クルルは「はぁ？」と間の抜けた受け答えをする。
―――――お前ならわかる筈だ。メモリーボールのパスワード。
「ああ？ パスワード？」
「出品者」があれ程願いながら知る術を持たなかった、パスワードの入力画面。
それは依然として小さなモニタの中で点滅を続けている。
―――――そこに、俺が地球へ来てからの全ての記録がある。
―――――こんなに早く、こんな風に公開する事になるなんて、思いもしなかった。
―――――クルル。尻尾付の糞ガキ。……お前は本当にいい奴だ。
その言葉に一瞬眉をひそめてみるクルル。
周囲で苦笑めいた反応が起きるのを、ギロロは不思議と真剣な顔で受け止めていた。
ゆっくりとメモリーボールの解読装置に進み、入力画面を覗き込む。
点滅する箇所を見ながら、クルルは指先で入力する。
「俺が解るって言ったら、これくらいしかねぇな。……あんたらしい間抜けだぜ」
『ジジイ』
そして、リターンキー。
画面の色が青から緑に変わる。
「……確かに、こんなキーワード、誰にも想像がつかねぇ」
一つ目のゲートは潜った。しかしそこに再び新たな入力画面が現れる。
「二重ブロックかよ。……これのヒントは？」
―――――俺達の母星の神話だ。
神話。
そういえばそんな話もした事があった。
兄と弟の物語が『乾きの大地』の創世記のオープニング、そしてキーワードだった。
……fuckしない兄弟って訳だ。
クルルは一文字ずつ入力する。
『brother』
リターンキーを押した瞬間、モニタは急激に明るく、眩しく輝く。
ブロックが解除された瞬間だった。
この部屋にある四方のメインパネルが全て、三次元の映像を投影するためのスクリーンとなり、その中に若き日のオルルの姿が映し出される。
シートに座らせられたまま凝視する「出品者」は、果たしてそれらをどんな思いで見ただろうか。
あれ程綿密な手順を踏みながら手に入らなかった物。
それが今、彼の目の前にある。
―――――ギロロ。あなたの守りたがっていた地球人はどこにいる？
突然話を向けられ、ギロロは口籠りつつ答える。
「……夏美か。何が起こるかわからんからな。空輸ドックで避難させた」
―――――地球人にも見てほしい。
―――――これは、俺が地球と地球人に向けて遺したものだ。
「だったらあんなパスを設定すんなよォ」
クルルが笑う。
ドロロが背後にあった旧式の通信装置を作動させ、冬樹を呼び出す。
「通信で中継すれば、冬樹殿や夏美殿にも見てもらえるでござるよ。……オルル殿」
このブリッジへ入ってからずっと、ドロロはオルルを感じていた。
そして、その魂が決して憎悪や悲しみといった暗いものに支配されている訳ではない事も。
クルルからオルルの話を聞いた『乾きの大地』のホテルでの、オークション前夜を思い出す。
あの場で想像した、温厚故に哀しい青年のイメージがドロロの中にそのまま甦っていた。
オルルが故郷に残し、わだかまっていた妹と再び対話できた事。
そしてそれが浄化されるような、美しい和解へと繋がった事。
全てが今のドロロには、我が事のように嬉しかった。
―――――ドロロ、あなたも早く
オルルが呼び掛ける声が聞こえる。
わかった、拙者も早く。
そう心で答える。
『こちら冬樹、みんな無事だったんだね！ よかった！』
『ギロロ！ ボケガエル！ ……みんな、みんな揃ってるのね！ もう、こんなに心配させて！』
ブリッジ中に響く、冬樹と夏美の歓喜の声。
「冬樹殿…… 夏美殿…… 心配をかけて、我輩、隊長として申し訳なかったであります……」
ひとしきり興奮して喜びを伝えた冬樹と夏美の声が涙を含み、やがて切なく嗚咽するのを一同は聞いていた。
「僕も……、なんか涙が出てきちゃったですぅ」
「……ってゆーか『感慨無量』？」
そこには立場を越えた、不思議な絆があった。
「夏美が、心配してたってヨ」
クルルの嘘臭い笑いが低く、響く。
「そ、そうらしいな」
「クックックッ…… もちっと素直に喜んじまえば？ 嬉しいんだろ？」
しかし、ギロロはクルルと目を合わせぬまま、床を見詰めたままだった。
「何だヨ、俺に気遣ってんのかよ？ 薄気味悪ィ事すんなよな」
そう言われてギロロは顔を上げる。
違う、そうではない。そう言おうとして既にクルルが自分の隣から去っている事に気付く。
クルルはノルルの前に立っていた。
「……あなたが、クルルさん。兄の友達になってくださったとても優しい方ですね。……それなのに私は、あなたにこんなに御迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありません」
その言葉は当然背後のタママやケロロの耳にも入る。聞いていた彼等が「ぐっ」と詰まるものの、ノルルは何を疑う事もなく続けた。
「……あんた、俺に呼び掛けてくれた人だよな」
ノルルは大きく頷く。
「はい。「出品者」の仕掛けが私に影響し続けるなら、同じプログラムを施された私とも感応できるのではないかと思って」
「そうか。……助かったぜェ。……俺は大事な相手を撃ち殺さずに済んだ。もしあのオッサンの頭に風穴開けてたりしたら、一生分の後悔をしても足りねェとこだったぜ」
ノルルの手は防護服に守られ、素肌に触れる事はできない。
だが、クルルはあえて手袋越しのそれを取った。
遠い昔、オルルの身体に触れた時、この防護服の感触の他所他所しさにひどく傷ついた事がある。
しかし、今は違った気持ちで彼女の手を握る事ができた。
特殊繊維越しでの触れあいであろうが、自分達は解りあえる。
ノルルはクルルの手を握り、再び涙を零す。
「……兄に、優しくしてくださって、ありがとうございました。とてもいい方なのですね」
そのあまりにストレートな感謝に、クルルは背筋に冷たい汗が滲むのを感じているものの、言葉を遮る気にはならなかった。
クソ、俺様が優しくていい人だとか、俺が一体何をした
……罰にしてももう少しマシな罰が―――――
「その男はスッゲー、いい奴でありますよ、ノルル殿！」
「そーですぅ。優しくて親切で切れ者で僕も憧れですぅ！」
「ってゆーか『完璧帰趙』？」
クルルの背中が既に我慢の限界を訴え、小刻みに震えていた。
が、彼等は懲りず、更なる美辞麗句を並べ立てる。
まるで長く心配する事を強いられた復讐のように。
メモリーボールが映し出すのは、数十年前に地球へ来たオルル。
それはノスタルジーを伴いながら、彼の波瀾に満ちた半生を描き出していた。