手を繋ぐ



「あ〜眠い…」



人ごみの中、眠い目を必死に開きながら歩く
眠気に負けそうになっても必死になってよける


そうしてたせいか、足元に注意がいかなかった





「うわっ」





けつまづいてよろめき、そのまま倒れる…





と思った







「何やってやがる」
「あ」




跡部に手首を掴まされていた





「勝手に一人で何処かに行くんじゃねぇ」
「ん〜ごめん」


跡部がいるのをすっかり忘れてた…と言うのを止めといた
多分跡部も解っているから

「…たく、ほら行くぞ」
「うぃーっす」









心なしか俺の手首を強く握っている跡部


「ねぇ、痛いんだけど」

「………」

「離せよ」

「………駄目だ」

「何で」

「俺が駄目だからだ」

「言い訳になって無いC〜〜」

「言ってろ」

「………」



俺は握られた手を振り解いて






「!」

「これがいい」


跡部の手を握った



…うっわ、メッチャビビってるよ跡部。しかも顔赤いし


こっちまで恥ずかしいつーの






「……もう離すなよ、その手」

「解ってるって」





顔を背けながらガサガサの手で力強く握られたその手は




デカくてあったかかった




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