「ねぇ、」 「何ですか?」 「今度、デートしようか」 「……………………へ?」 誰にも見せた事の無い笑みを零しつつ、机の上で肘を付き手の上に顎を乗せる雲雀に、は驚く。 突然の申し出に意味不な笑み。 には其れが怖いと感じていて。 しかし、何とかして平常心を保とうと、は必死に顔を笑顔にさせようとしていた。 「ど、どうしたんです突然……。何かありました?」 「ううん、そう言うのじゃ無いよ。何となく、とデートがしたいだけ」 「何と、無く………」 「うん。今週の日曜日にね」 が少しボーッとしている間に、雲雀は勝手に鞄の中を漁り、の手帳に赤いペンで「デート」と書いていた。 本人が其れに気付いた時には、雲雀がの隣に座っている所だった。 「でっ、でも……!風紀の仕事とか………」 「大丈夫。全部草壁に任せるから」 「は、はぁ………」 「は、僕との甘いデートを楽しみにしていれば良いんだよ」 ―――――ニコリと笑って、私を抱き締めてくれた恭弥さんは、とても優しかったです。 砂糖漬けの恋に焦がれる。 (甘い甘い、恋が好きなんでしょ?) |