それが
全て本当だったかと問われてしまうと
僕は困ってしまうから

綴られた言葉




確かに
君のことは嫌いじゃなかった
同時に好きでもなかったのかもしれない


感情というものは
ひどくあやふやで
不意に与えてしまったやさしさは
時にあたたかく
時に残酷で
きっと僕は
使い方を間違えるのが怖かったんだ。


君は、僕の知らないところで何度傷付いた?
僕は、君の知らないところで何度傷付けた?


そうして僕は君が怖くなった。




否、君に傷付けられるのが怖かったんだ
僕は自分で思っていたよりも脆くて弱かったから
もう、これ以上耐えられないってことも
よく分かっていたんだ


結局、僕の世界は僕を中心に回っていて
その中心のはずの僕は
本当に弱かった
そして同時に醜くて
とても身勝手で…





だから





僕は、君を置いて
ひとりで



堕ちることを決めたんだ



+++



さぁ、飛び立とう
牙も翼も引き千切られた体で



奈落の底の
濃縮された苦しみの闇で待つのは
きっと全てを失ってしまうくらい
激しく、そして安らかな
苦しみだと信じて




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