この息が途絶えても
私は貴方を護るよ

息が途絶えても護ると?




「だぁから、女は戦場に出たらいかん言うたじゃろ?」
「・・・」
そう言って火月は私の腕に包帯を綺麗に巻いていく。
「ほれ。出来た」
「・・・ありがと」
手当てを終えて、愛刀を手に立ち上がると火月が着物の袖を掴んできた。
「・・・何?」
「コレに懲りたら、もう、戦場に出ちゃいけん」
真剣な目で、火月が言った。
でもね・・・
「私は、行くよ。戦場に。それが私の生きがいだから」
「でも、こんな怪我までしてっ―――――!!!」
食い下がる火月の首に私は愛刀を向けた。
「私は私の勝手で動く。邪魔をするなら仲間でも容赦しない!!!」
戦場は、私の唯一の居場所だから・・・。
敵を切裂く感覚を感じる度に、キズを受け、痛みを感じる度に私は生きていると実感できる。
そして、何よりも君を護る為にできることができる、唯一の場所だから。
だから・・・
「邪魔・・・しないで・・・」
「――――――――――行けよ」
火月はうつむいたまま、静かに言った。

例え、息が途絶えても護るって決めたの。私は。
大好きな君を護るって。
だから、私は今日も敵を斬る。
斬って、斬って、傷ついて、斬って・・・
そして私が傷ついて帰ってきたら・・・
この傷跡だらけの体の傷を癒してね・・・
そうすれば、私は貴方を護りつづける事ができるから・・・




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