嫌だ・・・




何処を叩いても壊れる事は無い



壊す道具も無い



あいつが来たときに逃げるなんて無謀



合鍵を作れるようなワイヤーも・・・無い





つまりは、監禁状態












赤の情景に愉悦する。


















ぼーっとしていると夜中に帰るといっていた奴が帰ってきた
私が苦労して開けようとしていたドアを難なく開ける
あぁ本当に私って無力だ




「・・・・」



「泣いていたのか?目赤いぞ」



「どうして私を飲まないの?わざわざ飲みに行く事無いのに」



「処女だからと言いたいが、きっとエドワードと同じなんだよ。理由は」



「私は貴方を愛していない」



「・・・主人を怒らせたらどうなるか覚えておくと良い
 私は君の生死を握っているんだよ」





又私はコイツに押し倒された
今度はベットで





「ふかふかだね、このベット」



「余裕だな」



「どーでもいいもの、さっさと終わらせてよっ・・・殺しなさいよっ・・・!」




必死で怖いのを堪えていたのが切れた
それはもうプッツンと
ロイが歯を出した瞬間に






私は殺されるのだと



エドワードの生も死も分からないまま





「・・・飲まないさ、只犯すだけだ」




「・・・・・嫌」



「面白い言葉を知っているか?エドワードの使っている錬金術に関係する言葉」



「・・・・れんきんじゅつ・・・?」



「これも知らないのか・・・まぁそれに等価交換があるんだ」



の頭にはレンキンジュツやトウカコウカンが浮かんでいる
さっきの全てを失ったような顔は何処に行ったんだと苦笑した



「君が私を求めるなら私は君をいま抱かない
 求めるまで待ってやろう、1ヶ月待ってやる」



「今、体を渡すかわりに一ヶ月の間に好きになれと」



「そうだ、君を傷つけるのは・・・エドワードを見ていたせいで気が引けてしまう
 確か私は鬼畜だったはずなんだがね・・・」



シュンと項垂れるロイにはさっきのような威圧感無い
まだ危険な体制ながらも笑ってしまう自分がいた




「等価交換なんでしょ?
 等価交換を要求してきたんだから私も等価交換を要求していいよね?」



「なっ!さっきのは君の方が得があるはずだ!」



「でも等価交換って言ったのは貴方よ?
 自分で対価同じだと感じたからこと言葉を出したんでしょう?」




全く頭の回る子供だ、と心底思った
いつもはヘラっとしてるのにこういうことだけ・・・
ずる賢いというかなんと言うか
未だに押し倒したままのを座らせてあげた
最高のシチュレーションで私は一体なにをしているのだ、と自分でツッコミたくなる
何故、こんな人間に惚れたのかとも







どうせ、エドワードを助けてきてって言ったって了承してくれないから
ここはエドワードの生命力を信じて、私の事を考える
まずは私が生き残る、それがもう一度愛しい人に会う為の条件



「家から一歩も出ないから家の中での自由を頂戴?」



「・・・見られたくない本があるのだがね」



「何?エロ本とか?」



「違う!!」




錬金術の本・・・だ
それと吸血鬼に関する本
それを知れば、はまた自分を殺すかもしれない
それに日記もある、エドワードとの前世を見ていて書いたもの
の前世の頃はまだ好きという感情は無かった
ただ見ていて面白かっただけ
そしてとエドワードの最後なんて映画のラストシーンのようだった
の血を飲んでみたいと思った好奇心
風呂に入れてくれた頃からかな?君に惹かれていると思ったのは




「エロ本じゃなかったら何よ?」



「その・・・日記とか」



「いいじゃない小さい頃なんて変な事書くものよ
 私なんてその日の食事しか書いてなかったんだから」



「・・・一つ鍵の部屋を作る、プライバシーは守ってくれ」



「分かったわよ、で?代価はどうすればいい?」




あぁ!と手をポンっと叩くロイ
言わなかったら気づかなかったの・・・?
言わなければ良かった



「家事でもしてもらおうか」



「じゃぁ野菜を買わなきゃね!(昨日の私のご飯お菓子だったし)
 まともに食べ物ないんでしょ?じゃ、さっさと買い物済ませてくるね!」



「・・・一人では行かせんぞ、どうせ逃げる気だろ」



「・・・(チッ)」











































「なに見てんだよ」



「あのおチビさんの女、前世から愛してたって噂本当だったんだ」



「あぁ?目悪くなったのか?どうみても焔の方じゃねぇか」



「囚われてんの、あの焔のに」



「・・・あーゆう女って男に守られて、きったねぇ世界見たことねぇんだよな」



「グリード、あの女で遊んでみない?」



「っとに趣味悪ィ・・・」






黒い二つの影が屋根から飛び降りた































「今日はレバーいるよね・・・あと〜」



「なんでレバーなんだ」



「あんた血が居るんでしょ?私の血、飲ませるつもりないから」



「いや、別に他の女の血を飲みに行くから・・・」



「あ、そう?実は私レバー嫌いなんだよね」



「・・・・少し味見はさせてもらうかもしれないがな」



「・・・・・・やっぱり私の為にレバー買わなきゃ・・・」





買い物もひと段落つき、袋に沢山の食料を買い家路に着こうとしてたとき
真っ赤な、血を見たのはそのときだった
ロイもと一緒に入れる時間が楽しく気づけなかった
二つの吸血鬼の気配に・・・





「あ?もう来ちゃったの?
 もー少し人飲んでから死体を沢山見せてあげようと思ってたのに」



「これは俺達が飲んだ女の死体だ
 お前のご主人様と前のご主人様は毎日これをしたんだぜ?」



「――――っいつから居た!?何故この子の事を知ってるんだ!?」



「お前達があまりにも大切にするからどんな子かなって
 へー近くで見ると良い顔立ちしてるじゃん」




血まみれの手で髪を掴まれ顔を引き寄せられる
自分の足には血があり、そこらじゅうに死体が転がっている
私は意識を保つのが精一杯で、髪を強く引っ張られようが痛くは無かった
意識をはっきりさせてくれる行動でもあった




「一緒に来てもらおっか」




「飲んでみてェな、焔のですら飲んだ事の無い血」



「そーそー、焔のったらおチビさんがの血の感想を言う前に撃ってくれたしね
 前世だっておチビさんまともに感想言わなかったし、泣きながら飲んでたのは笑えたけど」




は訳の分からない言葉に戸惑っていた
ただでさえ、意識を保つので精一杯なのに
【焔の】【おチビさん】なんの事を言っているか分からなかった
へんな髪型の方が手を伸ばしてくる
私はその手になんの反応も示せなかった



「あらら。放心状態だよ」



「・・・」



「なぁ焔の、一緒に来てもらってもいいよな?まさか俺達相手に挑もうなんて思ってねぇだろ?」





ロイは悩んでいた
こいつらに対抗したって無駄なことは良く分かっていた
経験も力もすべて上
死にに行くようなものだった
それならば、エドワードと一緒に助けに言った方が賢いのではないかと
だが、その間のの生死の保障はできない





「・・・何にも言わないね」



「OKと取っていいんじゃね?どうせ足掻いたって無駄だ」



「んじゃ、遠慮なく連れて行くよ」


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