ここは・・・何処?












閉ざされた空間に籠もり

















起きると窓一つ無い空間に真っ白い布団
周りには何も無い
あるとしたらドアだけ





「・・・何処?」




答えてくれる者は居なく沈黙だけがある
自分の服に違和感があると思えば大きいシャツだけ
もしかして下着つけてない?と思い見てみたらビンゴ
私の胸あたりには血が拭き取ってあるような跡があった
タオルでこすったような・・・跡
首には噛み付かれた跡があった




「昨日・・・」




一体何があったっけ?
そういえばエドワードが私の血を飲んだ・・・
騙しててゴメン・・・・?エドワードは私の血を飲むために愛してるといってくれてたの?
血を飲むってことは吸血鬼?
いろんなことが頭の中に渦巻いて痛くなってきた






「おや、起きたか」




ドアがいきなり開いた
足音なんて聞こえなかった
其処にはお風呂とタオルを貸してあげた男性が居た





「ほら、早く風呂に入りなさい
 タオルで血を拭いといてあげたよ
 服も洗っておいた」




『立場が昨日と反対だな』と男性は笑った
私は訳が分からず、昨日のずぶ濡れの男を見る
そしたら又笑うのだった


思い出してよ・・昨日・・血を飲まれた後なにがあった?
確か・・・・最後に生ぬるいものがっ・・・分かんない



「・・・・どうかしたんだ?昨日の事が余りにもショックだったのか?」



私は自分の体を見る
シャツの隙間から見えるのはやはり、タオルでふき取られたような・・・・血
これはエドワードの・・・血




「エドワードは・・・・何処に居るの」



「エドワードはエドワードの家に居るのが普通だろう」



「私はエドワードの家に居るのが普通なの!」



シャツのままドアを開けて廊下に出ようとするのを阻止された
昨日のずぶぬれの男に



「何?」



「恩知らずだな、服を洗ってやったと言うのに」



「そのことについては貴方からもお礼の言葉を貰ってないわ」



「そんなのこれから沢山与えてやる」



ガタンと冷たい床に押し倒された
名前も知らない男に何故押し倒されなければならないのでしょうか?




「・・・・名前くらい教えてよ」


「ロイだ、ロイ・マスタング」


「あのね、昨日初めてエドワードが血を飲むって知って
 あんないっぱいの血を見て・・・気持ちの整理くらいさせてよ」




ロイがため息をついた
『なんにも話していないのだな・・・と』
を起こしソファに座らせる



「何よ、知ってるなら教えてよ」



「・・・あいつは吸血鬼だ」



驚くだろうと思っていたが案外すんなりと受け止めていた
表情は『やっぱり・・・』というのが相応しかった



「エドワードはさ、どうやって生きてきたの?
 夜中に飲みに行ってた?」


「あぁ・・・大体夜中に活動するからな、きっとそうだろう
 処女ではない女の血を飲んでいた」


「・・・・全部?」


「普通は全部だ」


「殺したってこと?」


「あぁ」



無表情でそういうとの顔が強張った
自分も飲まれるんじゃないか、殺されるんじゃないか
恐怖するのは当然だと思う
だが、違った




「馬鹿っだぁ・・・本当に
 キスがあんまり無かったのも血の味がするから
 昨日辛そうだったのは血を飲んでなかったから
 そんなに身を削らないで私なんて飲んじゃえば良かったのに
 処女の血が嫌ならヤっちゃえば良かったのに・・・
 エドワードの為に死ねるなら本望なのに・・・」




・・・昔のを思い出した
きっと昔のもこう思いながら死んでいったのだろうか?
涙ながらに飲んでいたエドワードを君は知らない
私は声もかけれなかったのを覚えている




エドワードが君に触れるのを拒絶する理由が分かったよ






































もう君を手放したくないんだ







































「――――私もだが・・・・な」



「何?ロイもエドワードの為に死ねるの!?
 まさか・・・・ホモ?・・・ボーイズラブってやつ・・・?」



「なっ・・・!そっちじゃないっ!!・・・独り言だ・・・」



「何考えてたのよ」



クスクス笑う君を手に入れるのはいつになるだろうか・・・
君もいつか、私のために死んでくれるだろうか?
まぁ人間にはなりたくないがな






「それより!私の服何処?昨日誰かに撃たれて血がいっぱい・・・」



「・・・その撃たれた人物の下に居た君は何故ここにいると思う?」



エドワードの下にいたをつれてきたのはロイ
つまりロイはエドワードに会っていると言う事



「看病してくれたの・・・?」



「まさか、撃ったのは私だよ」



「―――っなんで!?」



「君を手に入れるためにね
 大丈夫だ吸血鬼はそう簡単に死い 
 あいつは・・・あの日君の少量の血しか飲んでないから分からないが
 地べたを這いずり回って適当に飲んでるだろう」




『止めをさせなかったのは、昔友達・・・嫌、まぁそれなりに一緒に居たのでね』
平然と言うはいつの間にかロイの頬を叩いていた










「吸血鬼は他の人間より丈夫なのだよ、覚えておきたまえ」









「血を飲みに行ってくる、夜中には帰ってくる。あぁ鍵は閉めておくからな」







































私は完全に出口を失った・・・・




































そして光を失ったのだ


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