雨にしか行動しないエド



太陽が出ると苦しそうになるエド



夜になると物音がする・・・




なんとなくエドが只の人間ではないように思えてきた




そしてある仮説が立てられる――――












活動は主に夜で

















「エド起きて、日が沈んだよ」



「んっ・・・って!!何でお前日って・・・」


「 ・・・。夜=日が沈んだらでしょ?早く買い物いこ?」



「あぁ・・」



日、と強調しただけであの驚きぶり
酷いなぁ・・・私、3年間も暮らしてきた人を疑うなんて
無愛想に前を歩くエドワードの背中の裾を掴む
エドワードはちょっと繭に皺を寄せながら『なんだ?』とこっちを向いた



「体大丈夫?」


「大丈夫だって、昼遊べなかった分沢山遊ばせてやる」



こんな格好良いエドワードを見るとどーでもいいように思えてしまう
夜遊び、久しぶりだな・・・
あ、そういえば!




「ねぇ、私たちが出会ったバーで飲みたい」


「あぁ、あのときはビックリしたぜ?13歳の青臭い子がバーに来てるなんてな」


「だから会えたんでしょ?運命かなぁ」



運命なんかじゃねぇ、ずっとみててバーに入って
危なかったら後を追った
そして出会ったんだ
は運命とか言ってるけど
まぁ惚れてくれたのは運命かもしれない
俺がアタックしたのもあったけど





「変わらねぇな、此処も」


「うん・・・・」


「相変わらず変な野郎が居やがる、離れるなよ」


「大丈夫だって、私が声かけられたのエドだけだもん」


「それは俺が先に声かけたからだよ、俺だって結構有名なんだぜ?」



『悪い意味でな』と言うとは呆れてがため息をつく
『悪かったな』不貞腐れて言うと、笑って『格好いいんじゃない?』『そういう悪いの結構好きだよ?』だって
のことだから『最低』とか『怪我させたの?』とか言うと思ってたけど
案外悪らしい



「マスター久しぶりv」


「あぁ、何年ぶりかな」


「覚えててくれたんだv」


「あぁ、未成年の癖に堂々と入りやがって
 お前みたいな客は初めてだ、態度がでかすぎで皆追い出す気にはならなかったけどな」



「まだ未成年だけど、警察来ないから此処は好き」


「それはどうも」



何にも言わないのにもう何かを作ってる
まぁ昔飲んでた奴だろうけど
俺はマスターと仲がいいのに少し妬いていたが
俺と同じ匂いがする奴が近くにいたからあまり気にしていられなかった
そう、俺と同じ主食を血とするやつが近くに居るんだ
どいつだ?俺の知ってる奴は3人
火を思いどうり扱いやがる無能(ロイ・マスタング)
体重が重く真の正体では俺の能力をはるかに超えている嫉妬(エンヴィー)
俺が死ぬ気で戦って互角位なのが強欲(グリード)
エンヴィーは・・・・殺せない、というか返り討ちにされそうだ
『僕に挑もうなんて200年足りないよ!』とか言って
俺の何倍も生きてる・・・たぶん500年くらい
ロイ・マスタングは多分頑張れば殺せる・・・と思う
大体一番年齢が近い、50年くらいしか離れてない
使える技が弱点有りって可哀想だよな
グリードは一度攻略してしまえばあとは互角で戦える
・・・俺は錬金術を得意とするから弱点は無いし結構いろいろバリエーションがある
けどこの中で一番経験は浅いし・・・ちいさ・・・・ぃ・・・






頼む・・・ロイ・マスタングにしてくれ
明日から梅雨に入り一週間は雨だ
そうなると遥かにこちら側が有利になるのだ





「エドー?飲まないの?要らないなら私が飲むよ?」


「え!?あぁ・・・飲むよ」




美味しくなかった
視線を感じる・・・その視線が気になって味になんて集中できなかった



「なんかジロジロ見られてるね?やっぱり私成人並の色気ないかなぁ」



「さぁな?美しすぎて見とれてるんじゃねーの?」


「そうだったら嬉しいけど。そんなわけないし」



そんなわけあるんだよ
そりゃぁ最初はちびっ子だったが今は綺麗で皆が見てる
女としてな、そしてややこしい奴も見てるんだ
・・・っ糞どれだ!?無能か嫉妬か強欲か




「・・・帰るぞ」


「ええ!?今来たばっかじゃん」


「いーから帰るんだ!マスター釣りは今度返してくれ」


「そこは格好良く釣りはいらねぇって言うもんだよ」



ぶーぶー言うを頭を突いて黙らせる
後ろから聞こえてきたのはあの血の匂いのするあいつの笑い声






































「もー全然遊べなかった」



「・・・着替えて歯磨いて俺の部屋に来い」


「・・・はぁ?」



「ヤな予感がするんだ、早くしてこいよ」





うーやっぱり自己中
機嫌を損ねないようにさっさと済ませ、エドワードの元へ
その顔は少し怒っていて近づいたらすぐに腕を引かれた
久々にキスをした気がした
それも、前したような深いキスじゃなくて優しいキスだった




「んっ・・・久々だね」



「(今日は血飲んでねぇからな)あぁ」




エドワードの手に引かれるように私はベットに入り抱きしめられた
その腕に優しさは無くて束縛するように痛い抱きしめ方だった
それでも久しぶりのぬくもりが嬉しかったのも事実




「(あー糞、くらくらする。今日血飲んでなかったんだよな・・・
 は飲めねぇし、起きるし、やべぇ寝てしまいそうだ・・・
 こんなときにあいつが来たらどうするんだよっ!)」



「むにゃむにゃ・・・」



「糞、暢気なこった」




とうに100歳超えてるというのに、発情期は収まらないらしい
の顔を見ていたらヤバイと自分の胸に押し付け顔を見ないようにした
寝てはいけないと分かっていながらも血の足りなさでいつの間にか意識を失っていた
抱きたいと思いながら抱けないのは何でだろう
抱いてしまえば処女ではないのだから自分の血で俺を人間にするなんて考えないのに
なんで他の処女の血を飲まないんだろう
それはきっと、『生まれ変わる』というのにまだ信じれてないから
両方とも今日という日をにとっての前世を忘れるのが怖いから
だから俺は生きてしまうんだ
だから処女の血を飲めないんだ・・・
きっと抱けないのは俺との子が生まれないからだ・・・・
それに悲しくなるのが怖くて抱けない・・・
どっちにしろ俺はこの不安から抜け出せないんだ・・・






































「初めまして、吸血鬼に気に入られた女の子
 エドワードが飲んだ事ない血・・・・飲んでみたいな
 どれだけ美味しいのだろうね?こんな綺麗な体で穢れてないのもエドワードのお陰・・・か」












白い、大きな手がの髪を愛しく触った







































なぁエドワード、君の一生をかけて何度も愛すこの子は一体どんな味がするだろうね?





















生きているときに飲んだらどんな顔をするだろう?















ヤったらどんな色っぽい顔を見せてくれるのだろうね・・・・?


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