すりすりと頭を擦りつけ。 腹が減った。それは皆同じ。 恋次に連れられ食堂へと行ったが、そこで目にした光景に某漫画を思い出してしまった。 宇宙人がいる・・・・・・・。 「・・・・・恋次」 「・・・・・・・・・ああ」 見慣れてるとは言え、どうにも納得が出来るものではない。 2人席をどこか探して見るが、生憎あいている席が中々見つからない。どうするか?恋次としては、だけでもどうにかして座らしてやりたいという思いが強い。 「!こっちこっち!」 だけを呼ぶ声がした。そちらの方に2人して振り返れば、乱菊と七緒、桃がを呼んでいた。恋次を眼中外に。 「ほら!早く来なさいよ!」 「・・・俺もいるんすけど?」 「あんたはあっち」 あっちとは、修兵や一角がいるテーブルの方。地獄に行けとおっしゃるのか? 睨むように乱菊をみていれば、その視界にとピンク色の髪の物体が見えた。畜生、お前もいたのかよ。後ろから首を絞められながら、かなり逃げたいオーラを放っているの背中に合掌した。 「あ、あの・・・・・乱菊さん?」 「毛並みいいわね」 耳を触りながらまったく人の話しを聞いていない、むしろ聞こうとしない乱菊に、脱力して首を下げた。せめて七緒か桃の隣に座りたかったと、心のなかで泣きを入れていたら、七緒が隣の席へと移動して来てくれた。耳触りたいためだとかこれで言ったらマジで泣きますよ? 「大変でしたね、さん」 優しく頭を撫でてくれるその手が気持ちよかった。何時の間にか猫のように喉で鳴きながら、七緒の手に頭を摺り寄せていた。これが凄く気持ちがいい。 「ちゃん、可愛い」 テーブルをはさんで桃がそんな事を言っていた。女の子と言うものは可愛いものに目が無いらしく、テーブルを挟んで桃はをだきしめた。乱菊で無くて良かった。そう思った。 「恋次の部屋に住むんでしょ?大変ね。いつでもあたしの所に来ていいわよ、抱き枕になってくれるなら」 「・・・・・・・・・・・ご遠慮します」 最後の台詞がなきゃ、今夜でにも厄介になろうと思ったのに。 「ー、の分のお昼もらってきたよー」 お盆に乗せられている、自分の昼となるそれをやちるが笑いながら見せてきた。ああ、癒し系だ・・・・・ムカつくけど癒し系だ・・・・。 「どうよ恋次?」 「答える気はないっすよ」 まったく相手にするきなどなく、とりあえずさっさと食べて、が食べ終わったのを見計らって此処から逃げよう。そう思っているのにこいつらはずっと邪魔をしてくる。 「あんだよ。人が折角、十二番隊の隊長がの事実験台にしようとしてるって事言ってやろうと思ったのに・・・」 「もっと早く言えよ!そういうことは!!」 修兵を怒鳴りつけながら、の傍にネムがいないか確認をした。生憎、自分の視界に入ったのは、一度ならその豊満な胸にかおを埋めたいと男なら願ってしまう、正にそのシチュエーションにはあっている最中だった。窒息してないだろうか? 「女ってもんは、どうしてこう可愛いもんとかに煩いんだろうな?」 「可愛いっていうか、あれは萌えだろ、萌え」 修兵が言うとかなり厭らしい。ジタバタと腕を振り回しながら暴れているを苦笑している見ている七緒や、を解放するようにすこし戸惑いながら説得している桃の姿をみつめつつ、ようやっと食い終わった食器やらをそのままに、恋次はの所へと行った。 「乱菊さん、俺ももまだ仕事あるんで早く飯食わせてやってください!!」 「いいじゃない。どうせこの後も一緒にいるんでしょ?1人占めは許さないわよ」 「―――――――ッパァ!!!」 やっと解放され、大きく息を吸い込むを視界の端に捕らえながら、グッ・・と言葉をにごらせた。 「・・・・・・・・・・お腹空いてるんですけど・・・・」 物凄く食べたいと訴えるように顔をしかめながら、主張するに苦笑をおくるしかなかった。蛇の生殺し。目の前に食料があるのに食べれない。早く食べさせて。 「・・・乱菊さん?」 「ごめんごめん、気にせず食べてていいわよ」 そうさせてもらいます。 やちるの配慮からか、秋刀魚定食に箸を伸ばして食べる。なぜか物凄く魚が美味しいと感じながら、食べ続けるその光景がなぜか微笑ましく見えてしまうのだ。 何故だろう?食堂にいる全員の視線がこの場所に集まってくるのは?そんなに珍しいのか?そんなに癒されたいのか? 「さん、ご飯粒がついていますよ」 口の端ついている米粒をてですくいとる。それを見て、は七緒の指についている米粒を口に含んだ。 食い意地が張っているというわけではなく、ただ朝食べて無かったのでお腹が空いていると言うのが理由である。 ザラっと感じた猫の舌の感触に、七緒は擽ったいと笑みをもらした。 「あ、すんません」 「いいえ、気にしてないわ」 伊勢七緒。今物凄く目の前にいるを可愛がっております。愛でております。多分元の姿に戻るまで、女性死神の癒し系的な 存在は間違いなし。物凄く可愛がられるでしょう。 「可愛いーvv」 食後の後の茶をすすっているの首に抱きつき、すりよる。その後ろから、乱菊がを抱きしめた。 「恋次、頂戴」 「あげません」 「いいじゃない、あんた絶対世話できないだろうし」 「ろくに片付けも出来ない乱菊さんに言われたくないです」 頭上で繰り広げられるデットヒート。どうしたもんかと思ったが、後ろから感じる人のぬくもりが気持ちよく、食べた後もあってウトウトして来てしまった。 ゴロゴロと喉を鳴らし、頭を乱菊にすりよせ甘えるその姿に、恋次の何かが切れた。 「!!!」 乱菊からを奪い取ると、そのまま早足で食堂から出て行く。ああ、面白ーと何やらケタケタと笑う乱菊を、迷惑そうに一角達は眺めた。 |