「なぁ、オレのことどう思ってんの?」
「・・・・・は?」
珍しくカカロットが真剣な目をするから、また性懲りもなく愚かな敵が、
世界征服なんていう平凡な野望を、それもこのベジータ様がいる地球で広げようとしているのかと、
ほんの少し期待したところだったんだ。
まさかこんな乙女上等な質問を、いい年こいた男から受ける日が来るとは思わなかった。
愛してくれとでも言うつもりだろうか、この男が、この俺に。
ああ頭が痛い。

「貴様、自分の顔を鏡で見たことあるか?」
「・・そりゃ、あるけど?」
「どう思う?」
「なかなかのイイオトコ」
「ケッ、幸せな感性だこと」
「だから、オレのことどう思ってんだって」

蒸し返すのか。相変わらず真剣な色を宿した瞳で、睨むように俺を見つめて。
ああ胃まで痛くなってきた。こんなんじゃ健全な俺の精神がやられそうだ。

「どうも何も、貴様はカカロット以外の何でもないだろうが」
「んなこた聞いてねぇよ。分かってんだろ?」
男が一歩一歩近づいてくる。見慣れた快活そうな笑み、だけどそれはきっとウソ。
心臓がきゅっと縮んで、気づけば背中に触れる壁。
「ベジータ・・どうした、喉がつぶれちまったか?」
「ッ・・・・・」
顎を掴まれた。思わず目を閉じそうになって、無理矢理見開く。
上手く睨めているのか分からない。
碧の瞳、鋭くとがって、突き刺すような、飲み込まれたくなんかないのに。
抵抗、吸い取られて、逃げられない。
「んんっ・・・・ふ」
ああ食べられた。



「ほら言ってみ。オレのことどう思ってる?」
唇が離れた途端、またこれだ。どうやらこの男は本気で愛されたいらしい。
真剣だった瞳は、何故か自信ありげに細められている。
「そうだな、貴様の強さは嫌いじゃない」
「へぇ」
「貴様のキスも嫌いじゃないな」
「ふん、それで?」
「貴様のことは、大っ嫌いだ」
一発殴って横柄な男の腕から脱け出す。愛してほしい?このベジータ様に?
相手してもらってるだけで、ありがたいと知れ大馬鹿者。