「最初にこれだけは言っておくが、俺はアンタとヤり合うつもりはねぇ。
 アンタに付き合ってやるだけだ。
 それを弁えられねぇってんなら、容赦しねぇからな」
真田を連れて自室に引き上げ、
相変わらずの勘違いと猛進ぶりをいかんなく発揮し、
おざなりに直しただけの俺の着物を剥がしにかかる、
ヤる気満々の真田を何とか宥めすかした後で、
期待はできなかったが一応念のために釘は刺しておく。
それに真田は俺の上に乗っかかって押さえ込んだ状態のまま暫し考え込み、
クソ真面目な顔で口を開いた。
「……されど、某、我が槍で貫く以外、やり方を知り申さぬ」
「……」
いや、まだ想定内想定内。
まあ、これでぜってぇヤらせるわけにはいかねぇと、
改めて確信できただけでも……そんな確信いらねぇよ。
とにかく、一回イかせて後は追い出しちまおう。
「……Ah、つまりだな……」
真田を押し返しながら、奴の袴を脱がせ始めると、
真田は途端に騒ぎ出した。
「な、何を為されるのだ!? は、破廉恥にござるうぅっ!」
「てめぇがそれを言うな」
つい先程まで正に同じことをしていた奴の発言とは思えないが、
予想の範疇だったので、文句は言ったが構わず続ける。
袴を脱がし、暴れてはだけた長着の裾から下帯に手を差し入れた。
片手で下帯を取りながら、もう片方で直に触ってみる。
当然勃ち上がっているので、それを上下に扱くと騒いでいた声が上擦った。
何度か上下に扱いてやると、先走りで手が濡れてきた。
滑りは良くなったので、指に絡めながら塗り込めるように撫でる。
 上擦った声がくぐもっているので顔を上げると、
声を漏らすのを恥じたか、真田は真っ赤な顔をしたまま、口を手で塞ぎ、声を抑えていた。
「……」
それに嗜虐癖が疼いたか、こちらも幾らか興奮してきたので、
口を押さえている真田の手に触れた。
「だ、て殿……?」
訝しげにこちらを見る真田に目を細め、そのまま口付ける。
目を丸くする真田を見つめたまま、舌を入れ、逃げる奴の舌を追いかけた。
首の後ろに手を回し口を離せぬようにしながら、舌を絡めて遊んでやる。
「っう、むぅ……」
若干苦しそうにしているので、一旦唇を離す。
咽せ込んだので、案の定だ。
「……息は止めなくていいんだぞ?」
「……」
顔を更に赤くして、真田は少し気まずそうにしている。
それが存外微笑ましいので、ついつい笑ってしまうと、真田は少し不機嫌になった。
 笑いを堪えようと顔を逸らしたのが悪かったらしい。
不意に視界が反転し、真田にまた押し倒されたと気付く。
「……次は、某の番にござる」
言うが否や、真田が脱げかけの着物の隙間から手を突っ込んできた。
下帯ごしに触れられ、何とも知れぬむず痒い感覚に、思わず声が漏れる。
「こら、おい、待てって……」
真田は引こうとした俺の腰に手を回し留めると、
隙間から入れた手でまさぐりながら、下帯を取り払う。
先端を強く握られ、その力加減の無さに悲鳴を漏らした。
「あたたっ、加減しろ、この馬鹿力!」
嬌声とはほど遠い悲鳴だが、本気で痛いので出しようもない。
ついでに殴ってやったので、真田は流石に恐縮したようだ。
「し、失礼致した……」
素直に謝り、真田はまたまさぐり始める。
先程殴ったのが聞いたのか、手つきが幾らか慎重になっている。
が、剥ぐのを諦めたのか、袴が中途半端にしか脱げておらず、
そのせいでたまに思わぬところを掠り、
しかも直にそこを見られないことが、妙に感覚を過敏にする。
上擦るどころか色めいてきた己の声に身体がまた熱くなる。
「んっ、待て、脱ぐから…っ」
「あ、はいっ!」
真田の腕を掴んで押し止め、そう声を掛けると、
己の様に当てられたか、思考をどこかに飛ばしていた真田が慌てて返事をした。
 半身を起こして、袴の紐を解く。
脱いだ袴を放っていると、そこで我慢できなくなったのか、真田が抱き付いてきた。
今度は倒されはしなかった。
が、股間に脚を割り入れて閉じられないようにした上で、
真田は手を伸ばして掴むと、先端に指を押しつける。
声を上げると調子づき、しつこくそこを弄ってくる。
「っ…あ…っ」
勢い余ったであろう先程とは違い、扱い方は流石に心得ているようだ。
でなければそれはそれで引く。
「は…っ」
吐息を零しながら、真田の肩を使い、足が震えるが何とか腰を上げる。
拍子に手が離れたので、真田は手を伸ばす。
「も、いい…」
その手を制して、膝立ちの状態で密着し、真田の腿に跨る形になる。
そして、勃ち上がっている己と真田のそれを掴んで擦り合わせる。
「あっ、伊達、どのっ」
「っん、あっ」
膝が震えてくるので真田の肩に顎を乗せ、両手で包み込み上下に扱く。
手と雄がそれぞれ擦れ、身体が痺れた。
真田の雄が脈打ち、身体がびくついたので、奴の限界が近いと知る。
肩に乗せていた頭を上げ、真田を見下ろし、
潤んだ目で見上げてくる奴に笑いかける。
「いい、イっちまえ……」
少し力を強め、先端を擦り合わせると、短く呻いて真田が果てる。
その後、両手に放たれた精も使って続けて扱き、己も達した。




 息を整え、密着していた身体を離そうとすると、
真田が背中へ手を回して、それを押し止める。
「……おい、今日はもう終いだぞ」
「……」
そう声を掛けるが、真田は黙り込んだまま動かない。
「真田幸村」
「……」
先程より声を強めるが効果はない。
気が短いのは自覚しているので、奴を引き剥がそうと背中を探ると、
丁度良いのがあった。
「真田!」
奴が後ろでまとめている髪を乱暴に引っ張ると、
若干の奇声を上げて顔を仰け反らせた。
その顔は相変わらず真っ赤なままだ。
「ひどうござる……」
俺の背中に回していた手を離し、引っ張られた頭皮を撫でながら、真田が涙目で抗議する。
勿論予想の範疇だったので、放っておいて己の後始末に取り掛かった。
手拭いで身体を拭い、着崩れというよりも半分脱げた着物を整えていく。
最後に袴の紐を縛ろうとした時、真田がまた飛び掛かってきた。
タックルされて、またしても引っ繰り返る。
「お前っ、いい加減に――」
今度こそ殴ってやろうと拳を握った時、真田がその手をがしっと握った。
「ま!」
「ま?」
口をパクパクさせながら、何か言いかけている。
ヤる気ではなさそうなので、とりあえず動きを止める。
「ま、ま……!」
「……」
"ま"から始まる言葉を思い浮かべてみようかと試みるが、
一文字だけでは当然ながら何も浮かばない。
「おい、言いたいことははっきり言え!」
「はいっ!」
恫喝すると、真田は応と返す。
返事だけならvery goodなのだが、続きがなかなか出ない。
のは今までで十分理解している。
しかし、今回は覚悟を決めたのか、口を開くのが速かった。
「ま、政宗!殿っ!!」
「何だよ」
と思ったのだが、名前を呼ばれただけなので、次の言葉を待つ。
やや沈黙した後、真田はごくりと生唾を飲み込んで勢いよく口を開いた。
「と、お呼びしても宜しいか!?」
「お、おう……」
真田の勢いに圧され、思わず頷く。
それに真田が喜色満面になった。
「感激にござるうぅっっ!!」
そしてまた、勢いそのまま抱き付いてきた。
奴の中で何かが完結したらしいが、奴の思考に全くついていけない。




時期尚早。真田幸村を理解するのは、思った以上に難解だ。

























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一人称で書くと完全にその人の視点になっちゃうので、
相手についても色々とフォローも出来ずに履き違えたままになりますね。

そういうわけで、真田の思考について誰のフォローも入らないので、
伊達は真田について盛大に勘違いというか、過大評価しているところがあります。

真田もたいがい伊達を美化しているけどね。

ちなみに真田は真田なりに、
「伊達殿」から「政宗殿」に呼び方を変えるという手順を踏もうと思ったわけですよ。
最終目的変わってるけど。


以下は、ちょっと出張り気味になってしまった成実について補足という名の個人設定。

成実と政宗は、梵、五郎と呼び合うほど仲良し。
政宗としては、いつまでも幼名で呼ばれるのは気にくわないけど、
成実に悪気が全くない上に何度言っても直さないのでちょっと諦め気味。
あと成実を五郎と呼ぶ政宗がツボにきたので。私が。

諱と仮名の使い方色々と間違えてますが、
みんな普通に諱で呼び合ってるので、
仮名の方を親しい間柄で使うような感じにしています。