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ポケスペ赤青

エロパロ4の107~

作者コメント
「位置的には二巻のバッチがとられてすぐの当たりです。」

まとめ注
 レッド×ブルーあるいは逆。破瓜。中。

続き

「待て、ブルー!」

草原を一組の男女が走っている。
いや、男女というには幼い少年と少女が、だ。
それに、二人ともかなり必死に走っている。
少なくとも『私を捕まえて~』等と少女が言うような場面では無い。

「ハッ……ハッ……ハッ……」
「ハァ……ハァ……ハァ……ハア……」

どちらも速いが、やはり体力的に言って少年の方が一枚上手だ、徐々に差は縮まっていく。
少女にはもはや後ろを向くような余裕はないようだ、ただひたすらに走っている。

「だあぁ!」

ただ追い付いたのでは対象に反撃を喰らうかもしれない。
そう判断した少年は、ギリギリの距離でスパートをかけ、一気に飛び掛かった。

「……」

それに対して少女は、完全に無言で引き倒されてしまい……

「あ!? くそ!」

捕まえた! と思った少年の目の前を、カメールを連れて全く同じ顔の少女が駆けていく。
慌てた少年が確認すると、今捕まえた少女の腰にはモンスターボールが付いていない。
はめられた……少年はそう思った。

「こっちはメタモンか……」

もう立ち上がって追い掛ける気にはならない。
少年はそのまま恨めしそうに少女達の後ろ姿を睨むだけだ。

「タケシとカスミのバッチが……」

(もう! なんですぐ離さないのよ、メタモンなら用は無いでしょうが!
 てゆーか手! まさかわざとじゃないでしょうね!?)

レッドの腕の中で私は焦っていた。想定外の事態だ。
本来の作戦はこうだった、

レッドに捕まる⇒自分に変身したメタモンをカメールと一緒に走らせる⇒レッドが諦める⇒悠々と逃げる。

会ったのも追い掛けられたのも偶然だから、咄嗟にこんな作戦しか思い付かなかった。
それでもレッドなら引っ掛かると思ったんだけどなあ……いや、引っ掛かってはいるのか。
なぜかメタモンだと思ってる私を離してくれないってだけで。

(ああもう! メタモンの振りしてるから喋れないぃ)

レッドはさっき飛び付いたときの姿勢のままうなだれてる……つまり背後から抱き着くような姿勢……つまり
――その手つきにはやらしさ等といったものは全くない(それはそれでムカつくような)にしても――
握っているのだ、レッドの左の手が、右の胸を。
結構しっかり抱き着かれてるからわかるけど、こっちは必死に声をこらえてるのに、
今のレッドにはそうゆうものを全く感じない。

(我慢よブルー、我慢。そんなことで腹をたてあっ……んっ)

一瞬レッドの手に力が入ったような感じがして、気がついたら背中に抱え上げられていた。ようするにおんぶだ。

「しゃあない、ブルーが迎えに来るまで預かるか……ピカ!
 逃げようとしたら攻撃しちまっていいからな」

(ちぇっ! ピカチュウがいるんじゃ気絶させて脱出とか出来ないじゃない!)

ツイてない……というよりもう完全にドツボだった。

***

「困ったなあ」

ああ、とうとうおんぶされたまま町まで来てしまった、
広くて暖かくて汗くさくて……困ったなぁ、なんてそれは私の台詞よ!
……ところでレッドは一体なにを困ってるんだろう?

「どこで宿をとろう?」

ああ、そういえばもう大分暗いしね。
でも、どうしようもなにも普通にポケモンセンターに泊まればいいじゃない。
私も走ったから早くシャワー浴びたいし。

「みんなはセンターに預けるにせよ、こいつはなぁ」

こいつ? って……まさか……

「喋れないからなぁ……奮発して適当な宿に泊まるか……はぁ」

あああああ! やっぱり私かぁ……溜息つくんならとっとと解放しなさいよね!
てゆーかまさか二人合わせて一部屋? これって貞操の危機ってやつなんじゃ……

(なんなのよもぉ……)

何故だか知らないが、ようやく探し当てたホテルの一室で、
レッドはさっきからずっとベッドの上でぐったりしてみせてる私を睨んでいる。
もしかしてばれたのだろうか?
それとも今更ながら私の肢体の魅力にでも気付いたのだろうか?
どちらもあまりありがたくない。幸いピカチュウもいないことだし、
一撃で気絶させて逃げる算段を立てるべきだろうか?
と、唐突にレッドが立ち上がり、近付いて来た。

「そうだよな、お前メタモンだし、別にいっか」

(なにが別にいいのよ!)

戦慄する心をよそに、さっきまでぐったりさせていた身体はなかなか動いてくれない。
ああ、レッドが覆いかぶさってくる。もうダメ……ってきゃあ!

「よいしょっ! っと、やっぱ正面からだと重いなぁ」

……なぜか抱き上げられた。なにをする気なのだろう? と、頭を回転させてい
る私の視界に入ったプレート『Bath Room』つまりお風呂……

(まさか……部屋を汚さないために風呂場でやろうなんて……
 レッドったら意外と場慣れしてるのかしら?)

だとしたらまあ肉体的なダメージはあまり考えなくていいかもしれない。
やっぱりなれてる人の方が気持ち良くはしてくれるだろうし……ってなに考えてんのよ私は!
と、気が付いたら浴槽の中に座らされていた。

「よし、大人しくしてろよ……ってもわからないか」

ユニットバスじゃなくて、浴槽とシャワーがちゃんと別になってるやつだ。
珍しいなどと思っていたら、視界のなかに帰って来たレッドは既に裸だった。
タオルで隠したりもしていない。

(わあ、やっぱり筋肉とか結構ついてるなぁ……さっき負けたのもナットク……
 じゃなくて! キャー! もう! 仮にも女の子の前なのにどういうつもりよ!)

「ふう、本物なら手足縛ればいいけど、メタモンじゃそうは行かないもんな。
 めんどくさいけど見張ってるしかないか」

それにメタモン相手なら恥ずかしくも無いしな。なんて、本気だろうか?
まあ本気なのだろう。この年になって、こんな近くで生のこれをお目にかかるのは初めてだが、
それでもいわゆるたっているという状態じゃないのはわかる。

そんな私の心をよそに、レッドは自分の身体を洗い始めた。
くぎづけになってる私の目の前で、それは何故だかムクムクと大きくなっていく……
が、レッドはあまり気にした様子もない、なんだか自分が馬鹿みたいだ。
見る見るうちに身体を洗い終わった(この辺が男と女の違いだ)レッドは、
シャワーを止めて立ち上がった。ようやくこの奇妙な拷問のような時間が終わる……

「ん?」

(ちょっ、なんでこっち向くの? まだなにかあるの!?)

もう性も根も尽き果てそうな私に、レッドの顔が近づいてくる。
心臓の音が聞こえないだろうか? 顔が赤くなってないだろうか?

「ああ、そっか」

唐突に顔を離したレッドは、いきなりシャワーを向けて来た。
思わず咳込んでしまう、がレッドは全く気にしないで、いきなり全身を撫で回し始めた。
遠慮も容赦もありはしない。咳込んでるせいで声がでないのが、有り難いような辛いような。

(あっ……あっあっあっ……ああっ……んんっあっ……)

手や足の先、髪の毛や頭なんかはどうということもないけど、
レッドの手は服越しの胸やあそこ、首筋やお尻、挙げ句スカートの中にまで伸びてくる。
だんだん頭の中が白くなって行くような・・・

「これくらいでいいか」

(え……)

突然始まったレッドの愛撫は、あまりにも中途半端に終わった。
恐る恐る目を開けようとするとまたシャワーをかけられる……まさか、ただ洗っただけ?

「ずっとおんぶしてたからニオイうつちゃったみたいだしな」

殴りたい、目茶苦茶殴りたい。怒りかたによっては乙女の道を踏み外すような気もするけど、
とりあえずこいつをめちゃくちゃにしてやりたい……!

「さて、拭くか」

え? ちょっと待ってレッド、今なんて言ったの? なんでバスタオル持ってくるの?
まさか拭くって……本気で? ちょっと待ってよ、さすがに思い止まりなさいよ、
このままじゃ私お嫁に……ってなんだ服の上からか。

「あれ? おかしいなぁ……なんでメタモンの体なのに拭けないんだ?」

あ、嫌な予感。

「もしかして服は本物なのか?」

ちょっと待って、いやホント待ってよ、
それ以上スカートたくし上げられたらパンツが……あっ、いや、ダメ。
それ以上はホントダメだって、まだ私ブラ買ってないのに……あっ、あっあっあっいや! あっ!

(あ……見られちゃった……あん! ちょっ、なんでそんなとこ、あ!)

「へえ、下着もやっぱり本物なんだ」

(ダメ、それはダメ! ホントにお嫁にいけなくなる……のに、あ、ああ、ぃや……)

「へぇ、女の人ってこうなってるんだ……なんて、本物な訳無いか」

こんの馬、鹿、は、あぁ! 本物よ! てゆーかあんたわざとじゃないでしょうね!?
ああもう拭き方乱暴ね、髪が傷むじゃない! まあ変な心配しなくていいのは助かるけど……ってあれ?
私が脱いだ(脱がされた)服は? 洗濯物ボックスに? まさか私このまま一晩裸で過ごすの?
もしかしてレッドも裸だったりして? ベットがダブルなのに二人裸で? 
無理、今だって無理なのに……絶対耐えられない……ああ。

もういいよね。

触られたし、脱がされたし、見られたし、何があっても悪いのはレッドでいけるよね。

「レッド」
「は? え? なんでメタモンがしゃべ」
「いただきます」

***

もうこれ以上戯言を言えないように、そういいながら足払いをかけて、浴槽の中にひっくり返す。
すかさず腿と二の腕に、膝と親指を使って思い切り体重をかける。

「ぐあぁっ!」

これでしばらくは痛みで力が入らなくなるだろう。そもそも抵抗しないで
(しないで、だ。間違っても出来なかったわけじゃ無い……絶対に、違う)力を貯えていた私と、
半日私を担いでいたレッド……彼ではこんな小細工も必要なかったかもしれないけど。


「はっ……はっ……はっ……まさか……本物のブルー……なのか」

痛みを堪えながら、目尻に浮かべた涙を拭えないでいる彼はそう聞いて来た。
風呂上がり(?)で上気した赤い肌に、痛みを堪えた苦しそうな声がよく似合っている。

「それが、どうかした?」

そう問い掛けながら顔を近づける、
それだけで彼の顔は見る見るうちに赤くなっていく。
そっと彼の右手をとって、私の首筋に押し当てる。
あ、顔がすごいことになってきた……ほんともう、なんていうか……

(ムカつく)

これは私がどうとかじゃ無い。女が目の前にいるからって反応だ。
つまりここにいるのが例え私じゃなくても、彼は全く同じ反応をするのだろう。

気に入らない。

私をこんなに引っ張り回しておいて、自分はそんな場所にいるなんて許せない。

「んむぅ!?」

まずは唇を奪い、なけなしの(主にシルバーから押収した)知識を総動員して
舌を口の中に滑り込ませる。
反射的に口を閉じようとした彼の背筋を撫で上げて、
硬直した彼の舌を搦め捕る……には舌の長さが足りないか?

と、彼の方から舌を伸ばして来た。

「はっ……あっ」
(ああレッド、私を追い出したいのね。でも口を閉じて傷つけるのは恐いんだ?)

私は彼のそんなささやかな抵抗を搦め捕り、なぶり、奪う。

彼の荒く熱い呼吸を感じる。

「っぷは」

頭がクラクラする。気持ち良さに限度を忘れてた。
彼の舌先から、私へ向かってキラキラした線が伸びている。
シルバーの本で読んだことがある、いわゆる銀の橋とか言うやつだ。

えっと、次はどうすれば……

「ブ……ルー?」

酸欠の苦しさで、涙を溜めた目を虚ろにしたレッドが、苦しげに、
確かめるように私の名前を呼ぶ。レッドは今私自身を見てる。
だから焼きごてのように熱い彼のそれが私の下腹部に当たっている。

   ブチッ

なんだかなにかが切れる音が聞こえたような気がした。
もういい、順番とかルールとか礼儀とかどうでもいい。一刻も早く彼がほしい。

そして他の誰でもない私を、他の誰でもなくレッドに、
私無しではいられなくなるくらい刻み付けたい。

「はっぁ……レッド、レッドぉ!」

自分のそれに左手を添えて開き、彼のそれに向かって一気にたたき付ける。

   ブヂ!

「ひっぎいぃいぃ……!」

今度こそ本当になにかが破れる音がした。痛い……物凄く痛い。痛いのに……

「ブ……ルー、ブルー!」
「レッドォ、レッドレッドレッドぉ!」

彼の声を聞くと、彼の顔を見ると、彼の呼吸を、鼓動を感じると、止まれない。

もっと深く、もっと強くと体が求めている。

「あっ……ああ、あ、あっあ、ブルー!」

悲鳴を上げながら伸ばした彼の手が、私の頭を捕らえ抱き寄せる。
望まれるままに抱き寄せられ、再びのキス。

さっきのように深くではなく、浅く。ついばむように。

「んむ……んん、ちゅ……はぁ、はっ、ちゅぱ……はぁ、あ、んむ」

体の動きは相変わらず止められないけど、段々気持ち良くなって来た。

自分では割と自信のあるつもりの胸を彼に押し付け、
下の口から彼を味わい、上の口からは彼に喰われる。

彼を奪い彼に奪われる。

「ブルー、ブルー!!」
「レッド、レッドぉ!」

ああ、もうなにがなんだかわからない。
永遠に続きそうな、ほんの一瞬。
繋がった場所から、押し付けた胸から、啄みあう口から、

ただひたすらにお互いが高まるのを感じ続けて。
零距離で感じる体温が、火傷しそうにな程高まり。
互いが互いを抱きしめる腕の力が、どこまでも強くなる。

そんな感覚に溺れながら。

「あ、あぁあぁあああぁぁあぁ~!!」

 私たちは果てた。

下の方から彼の熱が注がれ上がってくるのを感じ、
さらに下のほうへ自分が吐き出した熱が広がるのを感じながら、
これ以上ないくらい強く彼を抱きしめて、
抱きしめられながら力尽きた。

>>>>>
まとめ注。
以下、作者によるネタメモ。シルバーとブルーの会話

――ねぇシルバー、女の子にどんなことしてもらえたら嬉しい?
――ななな、なにをいきなり言い出すんだ姉さん!
――んー……なんか交渉するためのスキルに磨きをかけたくて。
――あ……そう。
――で?
――そうだな……触らせてもらえると……とか。
――触らせてって……やっぱり……
――胸とか首筋とか鎖こごあ!
――言わんでよろしい! って首筋?

――ねぇシルバー、なんでバタフリーって飛べるんだろう?
――どうゆうこと?
――だって誰かに習ったりするわけじゃ無いじゃない?
――本能じゃない? きっと遺伝子が教えてくれるんだよ。
――生きるために必要なことを?
――あと、種の保存のために必要なこととかも。例えばセッぐあ!
――私はあんたをそんな弟に育てた覚えはないわ。

――ひゃい、あんたもひゃくらんぼひゃべる?
――なに口もごもごさせてんのさ姉さん?
――へふに。っぷ、一回じゃ無理か。
――姉さん、オレの荷物勝手に整理した?
――なんのこと?
――……したんだね。
――さっぱりわからないわね。
――オレは姉さんが好きだから別にいいけど……
――?
――最初からあんまりがっつくと嫌わぶ!
――シルバー? 古来から目上の人間の裏を読んでいい目を見た人はいないわ。
――ふあい。