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秋風 [あきかぜ] (レッド×イエロー)

エロパロ1の190~

作者コメント
「レッド×イエロー 和姦風味 って感じです。
 イエちゃんがかなり憂鬱状態なので、そういうのが駄目な人がいるかも。
 CPやシチュが合わない人はスルーよろ。 」

まとめ注
 レッド×イエロー恋人関係。自慰・甘々・中

続き

もう10月に入った秋風は、外に舞うポッポたちの翼を掠めて西へと飛び去っていく。
「なあなあ、やっぱりこれのほうが応援っぽいかな?見て。じゃん」
更衣室のカーテンが左へと退場すると、彼は屈託のない笑顔で現れた。
スポーツ系の服なら、これほど似合う人はいないという彼のユニフォーム姿を、否定などするわけない。
オレンジと黒のツートンカラーが、引き締まった彼の体をよりかっこよく見せる。
少年の純粋さを失わない彼の瞳をもう一度みつめて、わたしは頷いた。
「とってもいいですよ! さっきのメガホンと一緒のほうが映えると思いますけど」
「やっぱりそうか! ありがとうイエロー! 気合入るなぁ。うん」
まだ試合は明日なのに、腕をまくって、がっしりとした腕を見せるレッドさん。
あんなに嬉しそうに物を買ってくれたら、作った人はさぞ制作冥利に尽きそうな笑顔をみせるだろう。
図鑑所有者の中でもリーダー的な役割をこなしているレッドさんの、万人から好かれる理由を垣間見ることができる。
無邪気な笑顔に、ついわたしまで笑みをこぼしてしまう。
「やっぱり服装では相手チームに負けてられないからな!」
試着した服を脱いでから、うんうん、と満足そうにそのユニフォームを見つめる。
なんでも、背番号「3」はレッドさんの好きなチームで特別な意味があるようで、身が引き締まるそうな。
わたしはその辺のことが良くわからないから、ちょっと悔しい。
なんでも、この季節は、12チームの一番を決める「ニッポンナントカ」の試合だそうで、なかなか手に入らないチケット(それも一番いい席)なのだそうだ。
前々から『好きなんだけど試合に行かないファン』脱却をしたかったというレッドさんは、ポケモン協会側の計らいでチケットを手に入れたとき本当に嬉しそうな顔で笑っていた。
「ついでに図鑑所有の皆でチームでも作るか!」
と、その後本格的にはまったレッドさんが、興奮のあまり口走って、結果として本当に野球の試合をやってしまったというのは、また別の話になるが。
さっきとったメガホンとシャツを一緒につかんで籠に入れて、わたしたちはレジの列に並んだ。
「でも本当にごめんな、イエロー」
「もう、いいんですってば。気にしないでくださいよ」
さっきの興奮が一通り鎮まると、レッドさんはまたわたしに向き合って謝る。
これで五分に一回は彼はわたしに謝っていることになる。
念願のチケットを手に入れたはいいのだが、残念なことにそのチケットは一枚限りだったのだ。
ポケモン協会からの配布品だから配慮してくれればいいのにってレッドさんは憤っていたけど。しかたのないことだ。
彼みたいなスタートレーナーは、一人のほうが映えるから。
『これ、一番いい席なんですけど、外野の席二つと交換できないですかね?』
と、レッドさんがそこらじゅうのチケットショップで軒並み断られるのを見て、こちらが申し訳なくなってしまうくらいだ。
あんまりレッドさんが落ち込んでいるから、
『ほら、何か応援の道具がないといけないじゃないですか! 何か買いに行きましょ!』
と、ここまで連れてきたのだった。
わたしとしても、レッドさんがわたしに申し訳なさそうな顔をするのは申し訳ない。
わたしたちの間で一番避けなければならないのは、お互い気を使いすぎてしまうことだ。
もう長いことレッドさんの右腕を占領している私には、それがよくわかっている。
お金を払い終わって、私たちは寒空の中タマムシデパートを後にした。
天気は快晴。
「明日も降水確率0%だそうですよ」
「まあ屋根があるから大丈夫だけど、それは嬉しいね」
「びしょ濡れで遠出するのは嫌ですもんね」
「バトルで濡れる分には全然いいんだけどねぇ」
「ハハ、レッドさんらしい」
さっきの商品をバックにしまったので、レッドさんの右腕がようやく空いた。
「レッドさん…」
「ん…」
二人で歩くときは、私の左腕と彼の右腕は使えない。
こうして腕を組むことも、ようやく慣れてきた。
交際を初めて最初の半年は、手をつなぐタイミングでかなりお互い緊張していた。
よくブルーさんには
『鈍感マサラ代表vs.奥手トキワ代表の対決ね。あんたたち大丈夫?というか、大丈夫じゃないでしょ』
と、心配され、ブルーさん曰く『恋愛の仕方』というものを教授してもらったのを良く覚えている。
あの四天王事件からもう7年の月日がたっても、ある種のもどかしさは昔のままだ。
それがもどかしくもあり、嬉しくもある。
しばらくタマムシを歩いていると、歩く人がレッドさんの顔を見て歩いている。
この夏に大会があったので、計算すると4回前の大会ということになるが、レッドさんの知名度はいまだ下がっていない。
いまだ、11歳というポケモンリーグ最年少記録は破られていない。恐らくこれからも当分破られないだろう。
「早熟の天才」と、成長の限界を指摘する人もいたが、レッドさんはその後も自らを鍛え続け、ポケモン戦闘研究のチームからも注目されるほどの人間になった。
正直、わたしとは釣り合いの取れない人だと思う。
私のような一般人には触ってはいけないような、そんなことをつい思ってしまう。
そう愚痴をこぼすたび、彼はそんなことはないよといって、優しく私を抱きしめてくれる。
「ちょっと寒いですね」
ただのもっと近くに行きたい言い訳だが、
「うん」
レッドさんはちゃんと答えてくれる。
タマムシをでて、サイクリングロードのほうへ足を進める。
マサラに帰るためには、ピーすけとプテに頼るのが一番いいのだが、街中での≪空を飛ぶ≫は、原則禁止されているから、ここまでいつも歩いてくるのだ。
タマムシでいつもデートを重ねている私たちには、ここはお決まりのデートコースだ。
遠くのほうに、ヤマブキ湾が夕日を受けて輝いている。
昔『ヤマビキ湾の夕焼けはルビーとサファイアが散りばめられている』なんていう詩を書いた人が確かいたと思うが、
この光景を見ればそんなちょっとくさい台詞も、言ってしまいたくなる気持ちがわかる。
「きれいですね…」
私は誰に言うでもなく呟いたが
「そうだな」
レッドさんはすぐに呟きを拾ってくれた。
なんの合図もないが、二人は顔を向け合い。
キスをした。
唇の触るだけの。
かわいらしいキスだった。
お互い唇を話した後も、至近距離でしばらく見つめ合う
レッドさんの瞳・眉・鼻・口を見つめる。
これだけの距離でレッドさんの顔を見れるのは、私だけだ。
「レッドさん、今夜は…」
我慢できなくなって問いかける。
「うん。大丈夫だよ。やっと今日は家で休める」
「よかった」
実は、私はここ最近レッドさんの家で居候させてもらっている。
私の家が、ビル建設で立ち退きになったという、都合のいい展開を好都合として、他に家族のいないレッドさんに寝床を貸してもらう約束をしたのだ。
そんなきっかけでもないと、お互い同棲を始めることなんかなかっただろう。
でも、同棲を始めてから、私はまだレッドさんと一緒に晩御飯を食べたことがない。
レッドさんは各地の主催行事に忙しい、ここ一ヶ月、生活リズムは崩れっぱなしだと思う。
ポケモンリーグ開催前後だから、それも仕方がないとも考えるが。
同棲を始めてから一ヶ月、レッドさんはそうして忙殺されていて、二人で一緒にいる夜をすごしたことがなかった。
しかし、今日はついに二人一緒に(しかも幸運なことに三日連続で)休暇がとれて、こうして買い物をしてきたのだった。
「……」
「……」
さっきの二人の視線の交叉は、言わなくても互いの心を伝える。
このごろ、二人で久しく愛し合っていないことに、二人とも気がついている。
自然と頬は夕焼けのせいもあって、レッドさんの顔はいつもよりより赤く染まった。
そうして、数分の沈黙のと、いくつかのキスの後、二人が舞い上がろうとした寸前、レッドさんの携帯電話にコールが入った。
レッドさんは急いで電話を取る。
私の表情が曇るのは、その携帯が、嬉しい知らせを絶対に運んでこないことを知っているから。
「レッドです。…はい……はい…わかりました…はい…1時間くらいで……」
「ニョロも一緒にですか…はい…はい…」
私にはレッドさんの相槌しか聞こえないが、その内容くらい見当がつく。
また何かのパーティーのコメントでも頼まれたのだろう。
レッドさんの知名度なら、パーティーにくれば一発で盛り上がる。
ポケモン協会主催の会合等、このごろは深夜まで続くものも多かった。
「きょうは…やっぱり駄目みたいだ」
「…わかりました」
「すまない」
「謝らないで。わかってます」
二人は短い会話を終える。
レッドさんは西のほうへプテに連れられ、さっさと行ってしまった。
【もう少しみんなゆっくりできるといいのにね】
ピーすけとの心の声が、私の心に伝わってくる。
「しょうがないよ、ピーすけ。早く帰って寝ちゃおう」
しょうがないといいきかせたのは、ピーすけなのか、私自身なのかはわからなかった。
私は知っているのだ。
一度、レッドさんが軽く挨拶をした会合に、たまたま私が居合わせたことがある。
その時の、最近のポケモン研究について誇らしく語るレッドさんは、とってもかっこよかったし。
きれいな女の人がいて、嬉しそうだったし…
いっぱい写真とか撮ってたし…
レッドさんは人気者だから、誰からも好かれるから…
マサラの家に帰ってきてから、私はそんなことを考えてなかなか寝つけなかったが、
結局レッドさんはその夜帰ってこなかった。

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いつの間にか寝てしまったようで、私は電話のコールの音で目が覚めた。
時計は12時過ぎを指している。
雨がガラスをたたく音が聞こえる。天気予報は外れたようだ。
レッドさんの家の電話をとるのはまだ気が引けるが、一応受話器をあげる。
「…もしもし。」
「レッドですけど…イエローか?」
「レッドさん!お疲れ様です」
仕事が終わってから、レッドさんは毎回電話を入れてくれる。
それがこの時間ということは、恐らく夜を徹したパーティーだったのだろう。
お酒も入っているのかもしれない。
「今終わったよ。今から帰るからさ」
「でも…今日の試合は1時からだから、直接行かないと間に合いませんよ」
「いいよ。だいぶイエロー待たせてるから。家でいるよ」
これだけ私に気を使ってくれるのは本当に嬉しいのだけれど、
あんなに喜んでいた試合観戦を、私が邪魔するわけには行かない。
「せっかくすごいいい席なんだから、行ってきたほうがいいですよ」
「でも…」
粘るレッドさんに、私は続ける。ほとんど無意識のうちに、建前がすらすらとでてくる。
「せっかくグッズも買ったんだから、いかないともったいないですよ!ボクのことは気にしないで」
「…わかった。じゃあそのまま行っちゃうね」
「じゃあ、楽しんできてくださいね」
「ああ、あと、携帯の電池が切れそうだから、繋がらないかも。それじゃ、早めに帰ってくるからね」
レッドさんとの電話は切れた。
バカだ、私は。
本当は今すぐ帰ってきて欲しかったのに。
きっと、今すぐ帰ってきてといえば、そうしてくれたのに。
自己嫌悪に苛まれて、私はベットに体を倒した。
「一緒にいたいよ…」
つい口に出してしまう。なぜいまさらになっていうんだ、私。
もはや意味不明である。
きっと、レッドさんはあの夜、たくさんきれいな女の人と話したんだろうなぁ。
今日も、きっと協会のチケットだから、きれいなお姉さんと一緒にいるんだろうなぁ。
私のこと、ちゃんと忘れないでいてくれてるかな…
このまま行くと、ネガティブのデフレスパイラルに巻き込まれそうだったので、それ以上考えるのをやめた。
ベットに倒れこんでしばらく寝てしまおう。
寝てしまえば、すぐに時間がたって、レッドさんはすぐに帰ってくる。
そうしてベッドに寝転んだは良かったが、眠れたものではなかった。
さっきは全然気にならなかったのに、レッドさんの部屋が気になってしまう。
こんな部屋でずっと暮らしてたんだなぁ。
ポスター、テレビ、トロフィーは第九回の優勝者用のものだ。
そうやって、目を移しているうちに、ベットの下の雑誌に目が留まった。
そういえば、男の人ってこういうところにアレを隠しているという、都市伝説のようなものがあったような…
情報ソースはブルーさんであることは、いまさらいうまでもない。
つい興味本位でベットの横から雑誌を書き出す。
「お勧めデートスポット ナナシマ編」「月間ポケモンデータ 7月号」
など、当たり障りのないものがたくさん出てくる。
結局、めぼしいものといったら、レッドさんが自分のインタビュー内容を確認したいからといってもらったと思われる、まだ製本されていない
「ポケモンジャーナル 1月号(草稿)」くらいのものだった。
「なんだ…結構普通」
財宝探検大特集という番組で、結局何も発見できなかったというオチを思い出して、少し笑った。
レッドさんのことだから、あんまり興味ないのかも。
頑なに持っていないことを、私がここにきてからすぐアピールしていたのを思い出した。
と、奥のほうに手が届くぎりぎりに、もう一冊本があるのに気がついた。
「あれ?…届かない」
レッドさんでもこの距離では取り出すことはできないだろう。
これを取り出したら『ああ、なくなったと思ってたあれか』なんて言われて、感謝されるかもしれない。
周りを見渡すと、孫の手が見える。
それを私は手にとって、円を書くように取り出す。
ようやく取れる位置までもってこれた。右手を伸ばして、雑誌をゆっくりとりだす。
さっきとは紙質が違うのは感触ですぐにわかったが、タイトルを読むまでそれが何かはわからなかった。
『特選 巨乳の娘たち!』
『Hカップ美女の衝撃S○X』
………
見つけてしまった。本当に。
財宝の代わりに魔窟を見つけたしまったような気持ちになった探検隊は、パラパラとページをめくった。
それはもう描写の仕様がないようなアダルトな写真がいっぱい並んで載っている。
…やっぱり男の子だから、一冊くらい持ってるんだよね。
気がつくと私はベットに横たわってその雑誌を眺めている。
よく見ると、載っているのは胸のオッキイ人ばっかりだ。
私の胸は、いまさら言うまでもない。いいたくもない。
自分の胸に、右手を当ててみる。
貧しい。
いや、いつのまにか着やせするタイプになったのかもという楽観的の極みのような一縷の望みを託して、服のなかでもう一度直に触ってみる。
貧しい。
いや、これは貧しい。
  確  実  に  貧しい。
「……はぁ」
やっぱり、私と違う体つきが好みなんだよな、この人。
さっきまで消すのに躍起になっていた協会の女の人たちが、私の頭をよぎった。
そうして大きなため息をついて手を下ろそうとした瞬間、私の小指が自分の胸の先端に軽く触れた。
「んんんんっ!?」
強い衝撃が乳房から脳に伝わってくる。
驚くような快感が伝わってくる。
今まで一人で慰めたことはないわけではなかったが、これほど快感が伝わってきたのは初めてだ。
「なんで…ふあぁっ…」
もう一度、今度は意識的に先に触れる。
長い間、レッドさんに抱かれていないからなのか、この部屋で胸を触るという状況に興奮したのかはわからない。
「ぁっ…ふ…ぁっ…」
自制心はすぐに消え去り、突起の先端を押しつぶすように指でつまむ。
「んんんっ…ああっ!」
とまることなく快感が溢れてくる。
ちらりと時計を見る。
1時30分。試合は始まっているはずだ。
だいたい試合は4時間くらいかかるとレッドさんは言っていたから、6時くらいには帰ってくるのだろう。
だったらまだ時間はある。
もう少し快楽に浸っている時間が。
「ああぁっ…ふうっ…ん…」
今度は左手も使って、両手で自分の胸を慰める。
「んあっ…うっ…あ…」
気持ちいい。久しぶりのこの感覚。
上着がひっきりなしに落ちてくるのがうっとうしくて、服を脱ぐことにした。
上半身裸になって、また自分の胸に手をやる。
「うん……ぁ…」
上着を気にしなくてすんだ分、快楽と指先に集中する。
最初は暖房をいれていなかったので少し寒かったが、すぐに自分の火照りで体は温もっていく。
もう一度、さっきの本を見返す。
さっきとかわらない巨乳の女の人が、全裸で私を見つめている。

199 名前:レッド×イエロー 10/18 メェル:sage 投稿日:2007/02/23(金) 00:30:30 ID:3d5fnjic
わたしも、もんだらこんな風にならないかな、とかなわぬ願いを心にしまって、胸を触り続ける。
「ああっくぅ…ふぁ…」
こんな昼間からはしたない声を出しているのを誰かに聞かれたら、なんと思うだろう。
でも、あえぎ声を抑えるつもりは毛頭なかった。
「あぁ…レッド…さ…んんっ」
つい名前で呼んでしまう。
頭の中で、レッドさんの記憶が浮かんでいく。
「どうしよ…んっ…とまら…ない…」
もう歯止めは利かなくなっていた。
雑誌の次のページをめくると、さっきの女の人と、男の人が一つになっている一枚絵が目にはいった。
女の人が男の人に跨って、ニヤリと笑っている。
「ん…こんな繋がり方も…ふぁ…あるんだ…」
とたんに、今までの慰めでは物足りなってくる。
私ははいていたGパンを脱ぎ捨てた。
見ると、ピンク色のパンツは、またの間だけしみて濃い色に変色してしまっている。
そこにそっと指を伸ばす。
「あああっ!…んくっ…」
今までよりさらに大きな波が私を襲う。
病み付きになりそうだ。
あわてて私はパンツを脱いで、その辺に置く。
私はもう靴下しか体につけていない。
早速口のうえにある小さな突起を摘む。
「ああぁぁ…レッドさん…そこは…だめぇっ…」
気がつけば私は、自分の右の手をレッドさんの指に見立てている。
私は何度もレッドさんの名を呼ぶ
「あっ…いいよ…レッドさぁ…もっと…」
もっと刺激が欲しくて、私は自分の人差し指を自分の膣につきたてた。
「うああああぁぁぁ…あああっ!」
一瞬目の前が白くぼやける。
一人でたどり着いた絶頂で、私は息苦しくなってベッドへうつぶせに倒れこむ。
しかし、自分の右手は下の口から離さない。
「ああぁ…レッド…ああっ、飛んじゃっ…たぁ…」
自分のお尻を、快感にあわせて突き立てる。
「あんっ…ふっ…あ…」
その私の口はつきたてるほどに、粘質の液体を吐き出し始めた。
部屋の中に、男女の交わるような音が響く。
「んんあ、レッド…だめ…また…飛んじゃう……」
いつの間にか呼び捨てでレッドさんのことを呼んでいるが、それも気にならない。
もっと、深く、もっと早く。
人差し指を自分自身のなかでくるりとまわすと、何か硬いものにあたった。
「んっっっ!ああっ!!!」
また、私は絶頂を迎える。景色が白くなる。
「んあぁ…あんぁ…ふっ…ふぁっ…」
完全に理性をなくした私は、ただ自慰を覚えた猿のように、その行為に没頭していく。
「ううあぁ?ああぁ…ああ。…んあっ!…あぁ」
「レッドさ…ああぅ…」
気づけば私は涙を流している。
一人でレッドさんの指を妄想している自分が情けないのか、
一ヶ月間たまってきた性欲が吐き出されて気持ちが良くてよがっているだけなのか
協会の女の人への嫉妬が私を熱くしているのか
私にはわからない。
もうそんな瑣末なことはどうでもよいのだから。
「ぐす…あん…ぁ…ううっ…レッドさぁ…」
涙と快楽はとどまることなく、私の心を壊していく。
まだ足りない。
私は人差し指だけでは飽き足らず、中指もいれてみた。
別々の指が、私に二倍以上の快楽を教える。
「あんっ!…うわぁ…すご…」
すぐに私は出し入れを始める。
水音の激しさも、私を興奮の渦に巻き込む。
ベッドが、私の太腿を次々と伝う愛液でグレーに染まっていくのがわかったが、もう自制するという選択肢さえ私には残されていない。
もっと、高いところへ行きたい。
人差し指と中指を別々の方向に動かす。
いままでより口が広がり、ひやりとした空気が膣の中に入ってくる。
「あぁ…レ……ドさんのってぇ…これくらいかなぁ…ぁ?」
人差し指と中指の感覚を広げ、彼の大きさくらいまで広げる。
「レッド…ふぁ……」
そのまま、二つの指を前後させる。
「あひ…レッド……ああっ」
再び私の体が高まってきた。
子宮が暖かくなるのがわかる。
「レッドぉ…」
そこにいない名前を呼んで、快感を貪る私。
「うぁっ…ああ…レッド…ああぁ」
「…イエロー?」
いないはずの彼の声が私に響く
幻聴でも聞こえているのかと、無視したのが悪かったのかもしれない。
「ああ…レッドさん…ぅあぁ…」
「イエロー!」
「あぁ…え?」
この音量は幻聴ではない。そう気がついたときには
部屋のドアが全開に開かれ
「どうしたイエロ…!」
扉の前に仁王立ちしている、いるはずのない人がいた。
「……」
「……」
「……」
「…あ…」
時が止まった。
「…なんで…い、いやあああああああああああああああああああああああ」
私が悲鳴を上げるのと、レッドさんは扉を閉めたのはほぼ同時だった。
私は混乱の極みにあって、どうしたらよいかもわからず、ただ布団を被るくらいのことしかできなかった。
数十秒の沈黙。
恥ずかしい。顔を合わせられない。
こんなに変なことしてるのを知ってしまったら、きっと私を嫌いになる。
「その…心配だったから、やっぱり抜けてきちゃったんだ。気になって試合に集中できなかったし」
「イエロー…あの…だ、大丈夫か?」
レッドさんが壁越しから私に話しかけてくる。
私はレッドさんを失う恐怖で心が満たされていた。
「大丈夫じゃ…ないです…」
また、涙が瞳からあふれてくる。
こんな恥ずかしい格好を見られて、私の心は平静を保てない。
絶対に嫌われる。
「その、ごめんな」
「謝らないでよ…」
涙が頬を伝って、近くにあった枕に零れ落ちた。
「レッドさんが謝ったら、私は…つらい…の…」
「イエロー」
「ずっと、一緒にいたくて…でもレッドさんは、い…忙しいから、そんなの無理で…」
いつもいえない弱音が、ついに疲れきった私の口から、涙と一緒に溢れる。
「協会のことでぇ…いろいろ、忙しい、みたいだし…」
「……」
「協会には、き……綺麗な人が…っ…いっぱいいるし」
「私なんか…グスッ…み、魅力なんかぁ…ないから、レッドさんも…愛想をつかしたんじゃないかとおもってぇぇ!」
最後のほうは怒鳴り声とむせび泣く声が半々だった。

レッドさんが、ゆっくりドアを開ける。
すたすたとベッドの傍まで寄ると、体育すわりの私をそっと抱きしめる。
私はレッドさんと目線を合わせることができない。
「イエロー…」
「怖かったの!…怖くてぇ……それで…それでぇっ…グス…」
「もういいよ、わかった。淋しかったんだね。イエロー、泣かないで」
レッドさんの暖かい肩に、私の涙が落ちていく。
「イエロー。俺は、イエロー以外の人に、浮気をしてたわけじゃないよ。イエローのことが、ずっと好きだ」
「…だって、私、こんな…ことを…」
下に広がる染みをみて、今まで自分のしたことがどんなに恥ずかしい事だったか理解する。
「こんな事してちゃ…わたし…絶対嫌われちゃう……わたしなんか…みりょ…くなんか…ないくせに…こんな…変態で…」
肩を抱くレッドさんの力が強くなる。
「そんなことない、嫌いになったりしない、魅力がないなんて、そんなことない」
「うそ…そんなこと…うそぉよ…」
「うそじゃない」
そういって私の髪をそっとなでてくれる。
「うそだもん…レッドさん…ううっ…っ…」
そうして私は、10分ほど、レッドさんに体を委ねていた。
私はレッドさんの肩で泣き腫らした。
ずっとレッドさんの肩を借りていると、だんだんと波打っていた気持ちが静まっていく。
「イエロー、落ち着いたか?」
私の顔を覗き込む。
私はようやく視線を合わせて
「はい…」
と答えた。
コーラを飲むとげっぷが出るくらいの間違いない確率で、私の瞼は真っ赤に腫れていることだろう。
レッドさんは、その瞼を左手でやさしくなでる。
「ん…」
目を閉じて、レッドさんの指の感触を確かめる。
「クチュ」
あれ?わたしキスされてるのかな?
目を閉じているのでわからないが、間違いない、この人の舌の感触がする。
すぐに嬉しくなって、私は舌を絡ませる。
甘い、甘い涎の味がする。
「ん…んぁ……クチュッ…」
私は小鳥が親鳥のえさをねだるように、レッドさんの舌を欲しがる。
すると口を離された。
「あ、レッドさん。もっと…」
目は瞑ったままで、キスを求める。
「ああ、でも、これだけは言っとかないと」
そういって、私の右の耳に口を寄せた、囁くように語り掛ける。
「イエロー。俺を信じて。ずっと好きだよ。いままでも、これからもきっと」
「愛してる」
もう泣かないと思っていたのに、
私の目からは、音もなく最後に一滴、涙が落ちた。
「あと、前から言ってるじゃないか」
「ん…なにをでしたっけ…」
見当もつかなくて、私は首を少しかしげて尋ねる。
「するときは、敬語は止めるって」
私の下腹部が、また温かくなった。
そっと、私を抱いたまま、レッドさんはベッドに横になって。
また私の口は、レッドさんの舌で満たされる。
その直後、レッドさんの左手が、私の耳をつまみ始めた。
「んぁあぁぁ…クチュ…んん…ジュル…ん」
レッドさんは口を話すと、また私に囁く。
「やっぱり、耳、弱いんだね」
「ふぁぁぁぁ…くすぐったい…よ」
「くすぐったいだけ?」
「…レッド…イジワル…言わないでぇ恥ずかしい…あぅ」
レッドさんの耳の愛撫が、さらに強くなる。
「ああぁ…レッド、だめ…」
「また飛びそう?」
「うん…とびそう…だよぉ…ああっ」
最後に、レッドさんが耳たぶを噛むと
「ふぁぁぁぁぁぁぁっ!ああっ」
私は達してしまった。
さっきの一人のときより、もっと充実した快感と浮遊感を感じる。
まだ私が覚めやらぬうちに、レッドさんの顔が私から離れていく。
レッドさんの吹きかける息が私の首・胸・おへそと順々に降りていって
私の足の付け根でとまった。
息が私の秘部にあたる。
さっきの恥ずかしい一人遊びで、水気が取れていないので、すごく敏感に息を感じる。
「あああっ…くぅん…ぁ…」
「舐めるよ」
「…ぁ…いやぁ…」
「嫌なの?」
こちらに顔を向けて無邪気に微笑み。
「ぁ…いぢわ…る…しないで…」
「わかった」
レッドさんの舌が、私の恥丘に降り立つ。
「くぅぅぅん…ふあぁあ」
レッドさんの舌が、私の縦に開く口をなで上げる。
「うわぁ…くん…すごぃ…です」
するとレッドさんはぴたりとなでるのを止める。
「えぇ…?なんでぇ…」
不満の声をあげる。
「だから、敬語は駄目って言ったでしょ」
「あ…ごめんな…」
「お仕置きね」
「…ぇ?」
突然、レッドさんは私のクリトリスを強く噛んだ。
痛みと快感が、電撃のように伝わってくる
「うわあああぁ…だめ、いやだぁ…ああぁ…」
私の腰は自分の意図と異なって快感で跳ね上がり、膣はそれを待っていたように蜜をこぼし始める。
「だめ、また!…またぁ…」
レッドさんの舌が豆の先端を突いた
「と…ああぁぁあぁぁあぁ」
意識が遠くなる感覚。このままどこかへ飛んでいってしまいそうな。
この感覚はやっぱりレッドさんとじゃないと味わえない。
レッドさんの顔に、私の汁がかかっていく。
「ああぁ…ごめんなさいぃ……ああっ」
謝りながら、私は涎をたらしている。
そのままヒクヒクと体を痙攣させて、余韻に浸った。
ようやく私が落ち着いてから、レッドさんは顔をシャツで拭いて、私の顔へ自分の顔を近づけた。
「ねぇ、入れてもいい?」
やさしく私の髪をなでながら、そういう。
悪魔の囁きか、天使の囁きか。
どの道、私に選択肢はない。
「うん。うん…いいよ、いれてもいいよ…」
二つ返事で股を開く。
しばらくベルトを外す音が聞こえてから
「いれるよ」
私の中にレッドさんのものが入っていった。
久しぶりの男の存在に、私の膣は悦び、わななく。
「わぁぁ、う…あぁあっぁ…」
「…これで…全部っ」
レッドさんが、私の一番奥まで達した。
「ふぁっ、あっ…いいよ…動いていいよぉ…」
レッドさんが前後に動き始める。
その一突き一突きが、私を狂わせていく。
「あ…ああ…あっ…うわ…あ…いぃ…あっあ」
コツンと、膣と子宮を隔てる壁を叩かれて、快楽のほかはなにも感じられない。
「レ……ド……ぁ………はっ……く…」
もうあえぐことも放棄した私は、ただ打ち付けられる心地よさに身を委ねる。
レッドさんの腰はただ前後運動だけでなく、左右の動きも加わっていく。
「あ…それ……そ……れ………おぉ…あ…」
もう目も焦点を合わせていられない。
レッドさんの目には、白目をむいているように見えるかもしれない。
でも、もう下腹部以外のパーツに興味はなくなっていた。
だんだんとピストンが早くなる。
「イエロー…くっ…もうだめ…」
「あ…ぇぁ?…………ぁ………ぅ…………」
最後に私の最奥に、今までで一番深い衝撃が走ると
「うぁっ…ああ」
暖かい、何かが私の下腹部を満たしていく
私の視界はまた真っ白になって、このまま狂ってしまうのではないかというほどの快楽をその身にうけた。
無重力感を体に感じる。
暖かい、空の中にいるような心地のまま意識の薄れていく中で、レッドさんは私の唇に
キスをした。
唇の触るだけの。
かわいらしいキスだった。

〈秋風 END〉