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ミクナギ

エロパロ3の6~

作者コメント
「新スレ記念にミクナギ投下します。
 前フリすごい長くてごめんなさい…
 スペナギは高貴なふいんき(何故か変換できない)がイイですね。」

まとめ注
 ミクリ×ナギ。中

続き

 人の心を掴むのは難しい。
 宙を舞う羽を掴むように、水を手のひらに留め続けるように、とても難しい。
 それでも、私は、


 椅子に掛けて、ミクリが第一声に発した言葉はこうだった。
「もう一度、やり直せないだろうか」
 切り出す言葉はいつも同じだった。それ以外に適切な言葉が見つからなかったし、
これ以上に自分の想いを伝えたい言葉も無かった。
 ナギは相変らず強張った表情で、ミクリの顔を見ずに窓の外を見つめていた。
自分が守る街、樹木と空のコントラストが素晴らしいこのヒワマキシティの風景はいつだって美しい。
 だが今のナギの目に、その風景はろくに映っていなかった。
目の前にいる男の言葉だけが、ナギの思考を支配していた。

「もう一度やり直せないだろうか、ナギ。
 …あの子達のお陰で、ホウエンは平和になったんだ。またいつもどおり過ごせる」
「私は自分の任務を放り出して恋愛に現を抜かすつもりは無いな」
 もう一度静かに繰り返された言葉に、ナギはぴしゃりと返した。
 本心でもあり、強がりでもあった。
 かつて恋人だった男への、精一杯の強がりで、戸惑いを打ち消すための、自分への喝でもある。
(一言言われただけで、こんなにも動揺してしまう)

「私はヒマワキのジムリーダーになったんだ。
 私はその職務を全うする義務がある。ジムリーダーに課せられた責任は重い。
 中途半端な気持ちで勤まるものではないんだ。
 その為には、常に努力を怠らずに、全てのトレーナーの見本であるようならなければならない。
 …お前は…お前にいたっては、この地方のチャンピオンなんだぞ。
 その責任は重大だ。こんなことに現を抜かしている場合ではないだろう。」
 ナギの青紫の瞳が瞬きもせずにミクリを見つめ、強い口調でそう言い切ると、
 ミクリは小さくため息を一つついて、優雅な仕草で前髪を掻き分けた。
「…君は、ジムリーダー試験を受ける前にも全く同じことを言った」
「当然だ。私の気持ちはあれから変わっていない」
 差し出された手を振り払って、ナギは立ち上がる。
 この男といると、全てがおかしくなっていく気がする。
私が捨ててしまった、純粋な少女だったころの、胸の痛みさえも思い出す。
 ミクリはナギに追って立ち上がり、振り払われた手で、彼女の小さで華奢な肩を強引に抱いた。
小さく悲鳴があがったが、それはこの際気にしないことにする。
「…私への気持ちもかい?」
「……」
「わ…私は、…ジムリーダーとして、この地方の、ジムリーダーをまとめる者としての、責任が…」
「それは、『ジムリーダーのナギ』としての言葉だろう。
一人の女としての、ナギ自身は、私のことは、もう何とも思っていないのだろうか」
 ミクリがゆっくり、ナギに問いかける。
「私は…私は…お前のことを…」
 ナギは自分のことを真っ直ぐ見つめてくる、ミクリの瞳が苦手だった。
 いつもは甘い視線でそこら中の女を落としてまわっているくせに、自分にだけは、こういう目で、
 こういう声で問いかけるんだ。(そうしたら、どうしたらいいか判らないじゃないか!)

「ナギ」
 ミクリが小さな声でナギの名前を呼び、静かに口付けを交わした。
「ん、んふ…」
 その口付けが次第に濃厚なものになっていき、ナギは思わず甘い吐息を漏らした。
 ミクリの熟練した技巧にナギが適うはずもなく、ナギはそのままなされるがままになっていく。
やっと唇を離された時は、すでにナギの頬は赤く染まっていた。
「君はもっと、女としての人生を楽しむべきだ」
 ミクリはそう言うと、もう一度ナギに小さく口付けをした。
 もう、逆らう気力なんて残っていない。この男は、いつもこうだ。だから、苦手なんだ。
 自分の全てを、そのまま捧げてしまいそうになるから。


「やっ…やぁ、やめっ…ミクリ、やめろっ…」
 ナギを床に押し倒し、ミクリはそのままナギの服のボタンをゆっくり、丁寧にはずして行く。
 そのまま服の中から露にされた真っ白なナギの乳房を優しく揉みしだき、人差し指で桃色の乳首を
刺激する。その度に、ナギの体に電流のようなものが走る。
 ミクリの手つきは優雅で、とても手馴れたものだった。
 ナギの抵抗すらもさらりとあしらってしまう。
 舌で乳首を転がしてみると、ナギの悲鳴が一層甲高くなった。
「ひゃああっ!!」
 びくり、と反応したナギを愛しそうに見つめる。
「相変らず敏感だな、ナギの体は」
「ばっ、馬鹿言うなっ…あ、んっ…!!」
 こりこりと硬くなった乳首を指で摘み、擦ると、途端に抵抗が途切れる。
元々、ミクリの技巧にナギが逆らえるはずがないのだ。
「やだ、やめっ…やめ…それ以上は、本当に…駄目…」
「駄目なのか?ナギのここは駄目だと言っていないようだが」
 ミクリはそう言って、ナギの秘所を服の上から撫でた。
「ひゃあぁっ!!」
 ナギの常に着衣している飛行服は、彼女の体にぴったりとフィットしている。
 だから、彼女の股間の部分が湿り気を帯びているのは一目瞭然だった。
 それを少し強引に剥ぎ取ると、ナギの雌としての部分がミクリの目の前に晒される。
「ちが…やめ、これ以上は…ああぁっ!ひゃぁっ!!」
 ミクリがナギの秘所に指をゆっくりと進入させると、ナギの体がびくりと反り返る。
くちゅ、くちゅと淫らな体液が溢れ出す音がナギの耳に聞こえてきた。
「ああ…ミクリ、やめ…やめるんだ…」
 ミクリの肩に必死にしがみつきながら、ナギは哀願した。
 普段の凛々しい彼女からは想像も出来ない、ミクリから与えられる悦楽に酔うその様は、
 彼女が普段見せない女としての本性を曝け出していた。
「駄目だ。ナギが素直になるまで止めない」
「ああっ…やめ、やめて…やめっ…くぅうっ…!!」
 ミクリは更に激しく指を動かす。人差し指でクリトリスを弾きながら、指を一度に三本同時に
膣内をかき回す。指を出し入れするたびにナギは声をあげ、ミクリの愛撫になされるがままになっていた。
 それでも、指を咥え喘ぎ声を抑えようと必死に足掻いていたが、ミクリの熟練した技巧に
適うはずもない。それに、ミクリはナギがどこをどうすれば感じるのか、知り尽くしていた。
「あっあっ…やめ、だめ、もうっ…」
 ぐちゅ、ちゅぷ、ぐぷぅっ…
 先ほどより大きな液体が絡み合う音がする。
 溢れてくる液が白く濁り、床に大きな染みを作っていった。
 ナギの吐息が一層荒くなったのを感じたミクリは、指を動かす速度を一層速めた。
 悲鳴の間隔が短くなり、腰ががくがくと震えだす。
「ナギ、イっても良いんだよ。君の可愛い顔を見せておくれ」
「やだ、あ、あ、だめ、やめて、ミクッ…あ、ああああーーーっ!!!」
 ナギの体が反り返り、膣内がきゅうっと締まる。
 それをミクリは満足そうに見つめていた。そして、
「見てごらん、ナギ。もうこんなになってしまっているよ。
 相変らずナギの体は素晴らしい…判るかい、君がこんなに感じているのが」
 とナギの耳元で囁く。
「んっ…」
 ミクリはナギの膣内から指を引き抜き(ちゅぽん、と淫らな音がした)、ナギの口元に運ぶ。
 とろりとしたナギ自身の愛液が絡むその指を、ナギは何も言わずに静かに舐め始めた。
 彼との行為の中で、何度もやらされたこの行為をナギはすんなりと受け入れた。
 その次に、自分が行う行為も。
 ナギはミクリの上に跨り、ミクリの衣服の中から彼のペニスを器用に取り出した。
「んっ…」
 男性器特有の匂いが鼻に突いたが、それも今はさほど気にならない。
 ナギはミクリのペニスの亀頭部分を舌で包み込んだ。
 そしてちろちろとゆっくり舌を動かし、刺激を与える。
「んっ…ふぅ、くぅっ…」
 声は漏らしたくないと思っていても、どうしても漏れてしまう。
 ミクリの顔は見たくなかった。だから、今はこの行為だけに集中しようと思っていた。
「この舌遣いも変わらないな…。全て私が仕込んだままだ。
可愛いよ、ナギ」
 ミクリは優しくナギの頭を撫でる。ナギは何も言わずに奉仕を続けていた。
 先走り汁が溢れ出し、ペニスが膨張していくことで、ミクリも大分興奮しているのがわかる。
 ミクリに仕込まれたナギは、彼の射精の前兆や瞬間だって、把握することが出来た。
「んっ…もう少しで出そうだな…」
 健気な表情で、手で竿をしごきながら亀頭と、二つの袋の部分も丁寧に舐めるナギ。
 ミクリはそんなナギを暫く見つめていたが、ナギの体を持ち上げて、
「もう良い、ナギ。十分だ」
 と言って、腰の上に降ろさせた。
「…良くなかったか?」
 口元から溢れ出すミクリの精を拭いながら、上目遣いでナギは問う。
 ミクリは笑って、ナギの唇を指で拭った。
「もう私は十分だよ。ナギ、次は一緒に気持ちよくなろう」
 そのミクリの問いかけに、ナギは頬を染めて、まるで小さな少女のような無垢な表情でうなづいた。
「あああっ!ミクリ、ミクリッ…!!」
 ミクリが腰を動かすたびに、ナギがミクリの肩に縋りつく。
とろとろの蜜が溢れ出し、床を更に汚していく。
 ナギはもう己の美しい紫の髪が乱れるのも気にしていなかった。
 ミクリの反り返ったペニスがナギの敏感な箇所を擦るたびに、ナギは大きく悲鳴をあげた。
ぐちゅ、くちゅっ…!ずぶ、ずぷぷっ…!!
「ミクリ、ミクリッ…!気持ち良いっ…!んっ!!くうぅうっ!!」
 ナギは何度も何度もミクリの名前を呼びながら、ミクリの肩に爪を立てた。
それは、血がにじむほど、強く。彼女の気持ちを代弁するみたいに。
「ナギ、私は、私は…」
 ミクリはナギの耳元で、あの言葉を囁く。ナギは何も言わずにミクリに自分から唇を重ねた。
 繋がっているだけで彼の熱い気持ちが伝わってくる。
だから、ナギも何も言わずに、彼の気持ちを受け止めることにした。
「ん、ふうっ!!!ふぁ、ふぁああっ!!!」
 ミクリの腰を動かす速度が益々加速してくる。ナギの体の熱も、もう限界に達している。
「ふぁぁっ!!あ、あぁあっ…!!」
 ミクリはナギの最深部を突くと同時に、内部で全ての熱い精を開放した。

 ***

「…怖かったんだ。お前に甘えてしまうことが。それで、お前の負担になってしまうことが。
ジムリーダーになるために、私はあの時、必死だった」
 全てが終わってから、ナギは、ミクリに寄り添って、ぽつり、ぽつりと話始めた。
「強くなりたかったんだ。…ミクリに、早く追いつきたかった。必死だったんだ。
 ミクリにずっと優しくされたままなら、私は駄目になってしまうと思ったんだ。
そうして、お前にまで迷惑をかけてしまうことが、怖かった。
リーダーのまとめ役を任せられてからも…私は、自分で全てしなければと思ってきたんだ」
 ミクリはその言葉を黙って聞いていた。
「…私は、また、お前に支えてもらっても良いだろうか?」
 途切れ途切れ、震える声でその言葉を発したナギに、ミクリは優しく微笑みかける。
「…ナギ。私はいつだって、君のことを支えるよ。
私はずっと君のことだけを思っている。その高貴で健気な心も、凛とした姿も、
君の存在を全てを愛している。だから、私は君をずっと支え続けるよ」
 ミクリはナギの肩を優しく抱き、自分の元へと引き寄せた。先ほどの強引さはない。

 ヒワマキシティの木々は、二人を祝福するかのように、今日も鮮やかに、輝いていた。
空は青くて、とても澄んでいた。空を飛ぶには絶好の空模様だった。


(了)