はじめての時代で外出した際、政宗はそれに驚いたものだ。
時代が変わると人の意識も変わるものだな、という感じで。
しかしまでそれを身に着けるとは何故か思っていなかったらしく、
今、政宗はひどく驚いていた。
――お前でもskirtを身に着けるんだな・・・。」
「へ?」
大学へ行く準備を整えて、姿見の前で髪をいじっていたは、
唐突な政宗の台詞にきょとんとした。
鏡越しに政宗を見返して首をかしげる。
「私だってスカートくらい履きますよ。
 あ、でも政宗さんの前でスカート履くのははじめてですかね。」
「ああ。」
本人は特に気にしていないようだが、丈がどちらかといえば短いほうで。
ごく普通の会話をしながらも、覗く白い太腿についつい目がいってしまう。
「お前寒い中動き回って雪だるま作ったりしてただろ。
 スカートだと動き辛くないか?」
「大学じゃそんな動きまわりませんから大丈夫ですよ〜。」
あははと笑っては再び髪をいじりはじめる。
軽く身体を屈めているせいで、一層太腿が露になる。
――次の瞬間、ふっと魔が差して、政宗はその柔らかい肌をつうと指でなぞっていた。


「ひゃんっ!」


大袈裟な程にの身体が震えて、甲高い声が上がった。
「なっ、なにするんですか!?」
真っ赤な顔で振り向いたは、すかさず後ろを押さえて政宗から離れた。
その熟れた頬がまた可愛くて、どうにもこうにも朝っぱらから不埒な気分になる。
だいたい毎晩狭いベッドで抱きあって眠っているのだ。
『我慢』していないはずがない。
「・・・破廉恥ーってな。」
「それはこっちの台詞だー!!」
泣きそうな顔では洗面所に逃げ込み、バンッと大きな音を立ててドアを締めた。
わざわざ鍵まで締める音がする。
そこまでするかと思う反面、そこまでしてくれて有り難いとも感じる。
彼女を抱くとすれば、それはが1つの決断を下したときだけだ。
今のままの状況ではとても手を出すわけにはいかない。
・・・かといって、それで欲望を押し込められるかといえばまた別の話で。
「あんな声出すのか・・・。」
小さくそう口にしてみれば、なんだかもうどうしようもなくなってしまって、
政宗はぐしゃぐしゃっと前髪をかきまぜて唸った。
明日以降はスカートは丈の長いものしか履かないように言おう。
政宗はそう心に決めたのであった。








絶対領域にムラムラ政宗様。