プレイ日記

 1周目 速水厚志

君に出会って世界の意味を知った・中途半端にダークな灰色魔王覚醒日記

それは3月のある日の事、友人にすすめられて、買ってみましたガンパレ。
帰りの電車の中で分厚いマニュアルを見てみます。
さっぱりわけがわかりませんが、なんか恋愛したり二股かけたり、同性にも手を出したりできる
恋愛シミュレーションゲームのようです(大勘違い)。
恋愛シミュレーションなら大好きさ!!やるぜ!!と、家に着いたら早速プレイ開始です。
暗い音楽とともにオープニングデモが始まり、「早送りできないかな」と○ボタンを押した途端、
本編が始まってしまいました。「いいのかな」と思いつつ、戻るのもめんどいのでそのままゲーム開始です。
よくわからないけど、「幻獣」とやらを倒して、戦争に勝てばいいのよね。
戦争をしながらギャルを追っかけまわす「SF版見つめてナイト」というカンジ?
エンディングでギャルが港まで告白に来てくれたら勝ち?(またも大勘違い)
こんな調子でぽややんあっちゃんの日々は始まったのでありました。
3月
そんな訳で、今日から僕はパイロット見習い。頭の中でOVERSが
「恋愛シミュレーションのくせに主人公の名前変更できない!!」
「恋愛シミュレーションのくせに主人公に顔グラフィックがある!!感情移入できない!!」
等怒って叫び狂っていますが気にしない事にします。
この世界の事は何も知らない僕。とりあえず今回のプレイの目標を設定します。。
1.とりあえずエンディングをみる(勝ちでも負けでもいいので、
  とりあえずゲームオーバーにならずに最後まで行く))
2.彼女を作る(戦争中でもやっぱり青春したい)
3.噂の、「同性」との「H な雰囲気」を見てみたい!!
  (そんな嬉し、いやけしからん事が本当に可能なのか!?是非この目で確かめて見なくては!!)
早速彼女候補とホモの相手候補を物色しようと教室を見回しますが、・・・・・・・・。
僕以外に女は二人、男は一人しかいない!!どういうことですかこれは!!
(この時点で先生方はアウトオブ眼中)
女二人は色が地味だし(ヒロインは赤とかピンクとか紫の髪をしているものでしょ普通!!・・・偏見?)、
男は子供っぽすぎて食指が動きません。
サンドイッチに牛乳奢ってくれたりして愛い奴だけど、これは到底僕の趣味じゃないなあ。
そいつ、滝川陽平の第一印象は、そんなカンジ。

彼のことを、こんなに好きになるなんて。

そのときは思いもしませんでした。
3月2
戦車兵試験に3回もすべり、善行さんに何度も「訓練が足りません」と言われながら、
やっとNPCが全員揃いました。こんなヘタレな事でこれからの戦いを勝ち抜いていけるのでしょうか。
不安が積雪4メートルです。しかし、どんなに不安な時でも、夢を失くしてはいけません!!

僕の夢、それは、
恋、そして「Hな雰囲気」!!

かまった覚えはまったくないのに告白してきた本田先生と付き合いだして、
(アウトオブ眼中って思ってたけど、最初に告白してくれたので、つい・・・・・・)
(決して「紫の髪で派手だから、こいつがヒロインだ!!」と思ったわけでは・・・・)
とりあえず彼女は出来たので、次なる目標は「ホモのHな雰囲気」
これでしょう!!
さあ、相手は誰にしようかな?よし、あいつだ!!
出会った当初から僕を「バンビちゃん」などと呼び、ホモオーラむんむんな
瀬戸口に狙いを定めます。行くぜ!!

・・・・・ところが。
「一緒にHな雰囲気見ようぜ、親友。」と滝川が僕の行く所行く所現れます。
「戦争さ、近いのかな」とか「死んでも誰かに覚えててほしい」とか言ってきます。

うぜえ!!

大丈夫、戦車兵は死ぬ確率が低い(らしい)んだから。
大体、殺しても死ななそうな、ノー天気な性格しているくせに。
しかし、なつかれてしまうと邪険にもできず、つい相手にしてしまいます。
「Hな雰囲気」をこいつと見る気はありませんが。
可愛いんだけどな、そういう対象じゃないんだよな、子供過ぎて。

そんなこんなやってるうちに初陣です。
こんな事で大丈夫なのでしょうか人類は。


4月(前半)

人類はとってもヤバそうです。二回目の戦闘で、早速戦死者が出てしまいました。
でも・・・・・誰これ?  口をきいた事もありません。
あわててマニュアルをめくると・・・・・・「来須銀河」。
イラストを見た限りでは、僕のタイプではありません。変な帽子かぶってるし。
こういう人は有効なコマンドも持ってないに決まってます。
そう自分に言い聞かせて、先に進む事にします。
決してリセットが面倒くさいからではありません。ええ、ありませんとも。

戦況は段々厳しくなり、この頃から学園生活の雲行きも怪しくなってきます・・・・・・・・

一日に争奪戦が五回って、どういう事、えっどういう事!?
本田VS舞、ののみVS舞、ののみVS壬生屋、壬生屋VS石津、本田VS加藤。

謝るはしから、どいつもこいつもやってくれます。
(謝らなければいいし、注意提案も断ればよかったんだけど、この頃は律儀に謝って、
「喜んで受け入れて」いた・・・・・)
「天才」も「密会」も持たずにあちこち手を出しまくっていた、勇者な僕がいけないのでしょうか。
あっという間に発言力はマイナス、「悪い噂」の嵐です。助けて!!

そんな中、「熊本城攻防戦」発生、芝村舞戦死!!

・・・・あイタ〜

ごめん芝村、「つきあう」って言ってあげられなくて。でも。
「これで争奪戦の元がひとつ減る」と思ってしまった僕は鬼ですか。
空いた芝村の席には「中村」という奴が座る事になりました。
・・・・・だから誰よこれ?
この時になって、二組の奴らとほとんど話していなかった事に気づきます。
・・・ていうか、二組があったのか。だから教室が二つあったのか・・・(気づけよ)。
でもどうせ発言力はマイナスなので、親交を深める事は出来ません。
とがった気分で「仕事でもするか・・・」とマップを切り替えると

「争奪戦」。

・・・これでもう何回目だったか。なんかもう、何もかもどうでもいい気分になってきます。
ハンガーも「気まずい雰囲気」で仕事にならないし、グラウンド裏でひたすらサンドバッグを殴ります。
すると滝川がやって来て、「今度の日曜、一緒にどこかいかない?・・・嫌ならいいけどよ・・・」
などと、なんとも可愛い事を言ってくれます。
ああー可愛いなあ、滝川。心が和むよ。ホモの対象じゃないけど。
そうだ、ホモといえば。
ホモの「Hな雰囲気」をすっかり忘れてました!!
これを見ずして何のためのこのゲームでしょうか。早いとこ見なければ!!戦死される前に!(不吉)
早速僕のカダヤ候補、お耳の恋人瀬戸口を探します。
僕は発言力マイナスで提案できないので、瀬戸口の傍にぴったりくっつき、ひたすら奴の提案を待ちます。
待つこと数10分(壬生屋と本田に何度も邪魔されながら)、
「ああ、あのさ・・・・」なに、なに!?
「一緒に仕事しない?」
よっしゃ!!来ました!!
もちろんオッケー!喜んで受け入れます。あとは裏庭に人がいないことを祈るのみ!!
二人でオペレーターの仕事をし、二時間後。
・・・やった!!やったよ!!
この昔懐かしいカトちゃんの「ちょっとだけよ」を思わせるこの音楽は!!
ついに男同士の「Hな雰囲気」です!!
・・・が。
「綺麗だよ・・・君を隅々まで冒険したい」って・・・・・・
何かが、何かが違います。
予想通りといえばまったく予想通りの、瀬戸口らしい台詞なのですが。僕が見たかったのは、
こういうものじゃなかった気がします。
一体何が違うのでしょうか。
よくわかりませんが何か空しい気分になって来る僕だったのでありました。

  



4月(後半)
僕がホモに走ってる間に、戦況はどんどん悪くなっていきます。

身体も機体もさっぱり鍛えていないので(この頃、訓練や仕事しないと強くなれないと気づかなかった),
ゴルゴーンにすら大苦戦です。
ミノすけやスキュラに出られちゃったらもう、泣くしかありません。
(この頃、自分で撤退できる事を知らなかった!!)
そんな中、指揮車が落ち、一番機が落ち、三番機も大破!中村戦死!!・・・・・
ウォードレスくらい着とけよ、君ってば・・・・・・。

さあ、どうしましょう。予備の機体もないのに三番機壊れちゃった。このままでは出撃できません。
(この頃、機体の修理の仕方を知らなかった・・・・・・)
マイナスの発言力を「仕事」で何とかプラスにして
(この頃、情報技能を知らなかったので、ひたすら仕事で発言力稼いでた)、小隊長室に陳情に。
準竜師、複座型送ってください〜。・・・・ところが。・・・・・・要開発技能3?何これ?
仕方ない、その「開発技能」とやらを取りにいくかと、隊長室を出ると
「争奪戦」
・・・・神様は僕が嫌いなんですか?「泣きっ面に蜂」とはまさにこの事。
「七転八倒」と言い換えてもいいでしょう。

・・・と、とにかく「開発技能」だ!「開発技能」!!・・・とハンガーに向かって裏庭を歩いていると、
滝川が現れて「一緒に歩こうぜ」と言って来ます。
ち、この忙しいのにと思いつつ、この屈託のない顔を見ると断れません。
「喜んで受け入れ」て、二人でハンガーに向かいます。・・と、すると!!
「Hな雰囲気」
え、うそ、いつの間に!?いつの間に僕たちこういう事になってたの!?
しかも滝川ときたら、「どうせHな台詞もムードないんだろうなあ、子供だし、滝川だし。
雰囲気わかんない奴だし。」と思っていたのに!

「お、俺さ。こういうの慣れて・・・慣れてないから・・・・」

うおー!!!!なんとも可愛い事を言ってくれるではありませんか!!か、可憐だ・・・・・
これこそが、僕の聞きたかった台詞です。幸せの青い鳥はすぐ傍にいたのです!!

・・・そうか。僕ってば「攻」だったんだ。そして、欲しいのは「受」だったんだ・・・・・・・。
だから瀬戸口とのHな雰囲気に違和感があったのね・・・・・。
どうでもいい感慨を抱くovers。

それにしてもただのロボオタ能天気ジャリ公だと思ってたのに、
滝川は、何かいちいち意外性のあるリアクションをしてくれます。
ふっとシリアスな顔を見せたり、ものすごく純情可憐だったり・・・・・・・。
こいつには、目に映る以上の何かがあるのかな。
この時そう思い、初めて本当に滝川に興味を持ち始めた気がします。

さて、戦況は相変わらず。
出撃できない僕が見ていると、毎回滝川と壬生屋が「わああ、脱出〜」「脱出しますー!!」と、
二人して逃げて帰ってきます。(善行委員長も二回に一回は・・・・・)
それでも、「人類優勢」だと言うし、死者が出ないからいっか、とタカをくくっているとついに。

若宮戦死。
あたたー。一気に不安状態になる僕。
その上中村の空いたところに狩谷と岩田が二人して入ってきたものだから、
僕は押し出されて無職に。なんてこったい!!
なのに早く三番パイロットに戻れるよう陳情したい僕の発言力を、
「争奪戦」で削りまくってくれる女ども。精も根も尽き果てる気がします。
そんな僕に駆け寄ってきて「明るい話しようぜ」と「励まして」くれる滝川は、
まるで天使のように思えます。

そう、マイエンジェル滝川。どこにいっても「きまずい雰囲気」や「暗い雰囲気」が吹き荒れる
この学校で、今や彼だけが僕の心のうるおい、支え、生きていく張り合いです。
(ほんとに滝川のいるマップ以外、ほとんど「気まず」かったり「暗か」ったりでもう・・・・・)
安らぎを求めて、滝川を追い掛け回す僕。
この学校に来た当初は、こいつに対してこんな気持ちになるなんて思ってもみなかったなあと
ほの甘い気持ちで「Hな雰囲気」を堪能していると。
出撃。 くそーいいとこだったのに!!
いつものように、僕は留守番。ちょっと心配だけど、滝川は無事帰ってくるでしょう。いつものように。
「わああ、脱出ー!」
ほら、やっぱり。いつものパターンです。
しょうがないなあ、ヒーローになりたいなんて言ってるくせに、弱っちいんだから。
なんてのんきに考えていると。
「嫌だ、死にたく、死にたくないよ!!」
・・・・・・・・・?
今、何が起きたのでしょうか。オペレーターの声が何かを告げています。
でも僕には聞こえません。聞こえない。聞きたくない。

「戦死者と行方不明者を捜索する」・・・・・いつの間にか戦闘は終わり、遠くから司令の命令が聞こえます。

そんな馬鹿な。滝川が死ぬはずありません。
硝煙の中を探すと滝川はすぐに見つかりました。ちゃんと生きてます。
ほら見ろ、生きてるじゃないか。滝川が死ぬはずない。
そう思いながら滝川の身体を抱き上げると。
血を吐きながら小さく笑い、滝川が僕に最期の言葉を告げます。
「好きだったんだ・・・・・・」
「知ってた?」

滝川。・・・・・・・・・滝川。滝川。滝川。

君こそ、知ってた?
僕も君が好きだったんだ。

多分君は知らなかったろう。僕も知らなかった。
いつから、いつの間に、僕は。
君の事、こんなに、こんなに、こんなに好きになってたなんて。

いつも笑ってて、ノー天気で。
今は戦争で、みんな無造作に死んでいくけど、君だけは絶対大丈夫だと、何故か根拠もなく思ってた。
一番死から遠く見えた君が、こんな風に去ってしまう日が来るなんて。
今、わかった。初めてわかった。
僕がこの世界に生まれた意味。この世界にやってきた意味。この世界が存在する意味。

君だ。君だったんだ。

君のためならなんでもする。君がノー天気に笑ってられる未来を、切り拓くためなら。
子供っぽい君を、子供っぽいままでいさせてやれる、そんな世界を作るためなら。
それが僕の望み、僕が戦う意味。

もっと早く、この事に気づいてれば、君を死なせる事はなかったのに。
ごめん。・・・でも、もう間違えない。二度と間違えないから。

・・・・・・信じ難い彼の死に立ち会って、僕は初めて「この世界を守りたい」と、真剣に願うようになりました。



5月
さて、「この世界を守りたい」と真剣に願うようになったというものの、
もともとぽややんな僕がそうすぐに変われるわけじゃありません。

田代死亡、茜死亡、岩田死亡、狩谷死亡、善行死亡。

仲間はどんどん死んでいきます。僕はといえば、森さんや田辺さんに話しかけ、
はじめましての挨拶を受けて心底驚き、(まだ話してない仲間がいたんか!!)
「一緒に仕事」コマンドもらって心底驚き、(こんな便利なコマンドがあったんか!!)
「一緒に仕事」や「一緒に訓練」で仲間の技能を伝染してもらえる事に心底驚き、(知らなかった!!)
・・・・なんというか、この世界の事をまったく理解してなかった事に、我ながらホントーに心底、驚きました。
そんなこんなで5月10日。
人類優勢で休戦期を迎えます。
人類優勢?信じられません。
こんなに大勢が死んだのに。
この世界で僕は何が出来たんでしょうか。わからない。でも。
次こそは。
次こそは、世界を守れる力を持ちたい。
そして、今度は、彼に未来を。
ところで、エンディングを見ながら、「恋愛シミュレーションのくせに、個別エンディングがない!!」
「伝説の木の下での告白はどうしたーーー!?」と叫び狂っている僕のOVERS…
これは恋愛シミュレーションではないと、いい加減気づいてください(泣)。

  一周目 速水厚志  クリアランクB
最終パラメーター:忘れたけど非常に低かった(猫の首輪がなかったらED内で死んでたと思う)。
撃墜数:忘れたけどすごい少なかった(100にやっと届くくらい?とりあえずゴールドソードはもらったが)。
みんなのその後:俳優:瀬戸口   恋人の遺骨持って故郷に:ヨーコさん 後は忘れた。

Hな雰囲気:本田先生、舞、壬生屋、瀬戸口、滝川

一度も会話しないうちに死んじゃった人:田代、中村、イワッチ、茜、来須、狩谷。(こ、こんなに・・・・・!!)

とにかく争奪戦が多かった!!中盤は毎日のように争奪戦2連発、3連発で、常に発言力はマイナス状態。
誰にも好かれよう、いい顔をしようという自分が悪いんだけど、当時はそれに気づかず、
逆に「この、くそおんなどもがあ!!」と、殺意すら覚えたものでした(笑)。
「熊本城攻防戦」では舞を見捨てるし、「降下作戦」は結局起きなかったし、
話した事もないうちに死なせちゃったキャラは山のようにいるし、ヘタレ炸裂。

でも、滝川に会えた、記念すべきスタートマーチです。

彼がいなかったら、そしてあのイベントがなかったら、「ガンパレ」は私にとって何の気なしに手にとって、
そして通り過ぎていくゲームのひとつに過ぎなかったでしょう。
彼のために戦術を覚え、人間関係のコントロールを覚え、技能を覚え、幻獣の種類を覚え、
機体や身体の鍛え方を覚えた。
すべては彼のため、彼を、生きてED・・・・未来に連れて行くためです。
愛しいぜ、滝川め・・・・・・
牛乳奢ってくれたり手握らせてくれたりファーストキス(だよね?)をくれたり。

うおー、何て気前のいい奴なんだ!!
何でもしてやるぜ!!

かくして滝川至上主義の狂ったOVERSがここにまた一人、誕生したのでありました。

それにしても、恋愛シミュレーションじゃないのはわかったけど、
恋人との個別エンディングくらいは、やっぱ欲しかったなあ。
(恋人の本田先生の消息がEDで全く触れられなかったのはすっげ、寂しかった)

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