ZRX1100カスタム計画進行中!
さてさて、ZRX1100のカスタムと言えど、すでにマフラーやブレンボキャリパーも付いていることでありましてどうしたものかと。
付加価値として一番良いかなと思ったのがエンジン関係のチューンナップ。
手元にすでカムシャフトの組み込まれたエンジンが1機ありましてこれを元に少し作っていこうかと思いました。
が…

このエンジン事故車のものなのです。
写真からはわかりませんが右側エンジンヘッドカバー、シリンダーヘッドに大きな転倒痕があるためにこのまま使うわけには行きません。
仕方なく使える部品を残して分解することにしました。
1時間かからずしてここまで分解終わりました。
いやはや、バラすのは時間かからないんですがこれを組み上げるとなると3〜4倍の時間はかかるんですよね…
新品パーツのみで組み上げるわけではないので(苦笑)

ここで使うのはシリンダーヘッドに組み込まれているカムシャフト。
以前ZZR1100のカムシャフトとバルブスプリングを組み込んだ車両なのでそれを流用しようと考えております。
基本的にエンジンは一緒ですしそのままポン付けでも構わないのですがそれではあまりにも芸がありませんので数年前にウチの店でカスタムメニューにしていたZRX1100フルパワー仕様を作るつもりです。
さてさて、しばらく時間が空いてしまいましたが、ようやくカスタムに取り掛かることになりました。
まずはマフラー、ラジエターなどまわりのものを外していきます。
マフラーの無いZRXと言うのも軽快に見えて良いですね(笑)
しかしながら外していくのも結構大変なんですよね…
新車ならともかくすでに距離を走っていたり年月が経っているとボルト類やパイプなど固着してしまって思うように外れてくれません。
だからと言って無理やり外すわけにも行かないんですよねw
シリンダーヘッドを下ろしました。
ピストンヘッドを見る限り20000キロ走っている割に綺麗な感じです。
これからバルブ周りのO/Hも兼ねてカムシャフトの交換に移っていきます。
しかし、ここからが大変なんですよね…
燃焼室、バルブ周りの掃除はいつもそれなりに時間がかかってしまいます。
その分効果は抜群に出るのですけどね。
ただ掃除するだけでもつまらないのでちょっとしたバリ取りなどもあわせて行います。
多少給排気効率が良くなったり…するほどのものでも有りませんがw
ZZ−R1100のカムシャフトにする場合バルブスプリングを換えなくては意味が無いのでスプリングを外すためにスプリングコンプレッサを使わなくてはなりません。
結果としてバルブも外せる状態なのでせっかくだから軽くO/Hすることにしました。
距離を走っているのでそれなりにカーボンは堆積していました。
同時にバルブのすり合わせもしました。
出来ればバルブシートカットもしたかったんですが時間と予算の都合で今回は見送りです。
左がZRX1100のバルブスプリング。
右がZZ−R1100です。
ZRXがシングルスプリングなのに対してZZ−Rはダブルになっています。
ZZ−Rは高回転域までバルブの開閉を対応させるためだと言えます。
街中を乗るだけならZRXのままでも良いんですがどうせなら高速やサーキットでも回せるエンジンにしておきたいですからね。
ちなみにバルブスプリングは上下があってどっちを下にするかも決まっています。
キャブレターのセッティングです。
純正のキャブを使ってダイノジェットキットで調整していきます。
キットの重要な部分としてジェットニードルがあります。
写真右側が純正品、左がダイノジェットキットです。
以前ウチの店でカスタムしてたころ使ったキットとはセッティングが変わっているようです。
バキュームバルブのエアホールを付属のドリルで開けてたのですが、今回のキットにはそれがありません。
恐らくはニードル形状が変更されてるのではないでしょうか…
キャブレターとパワーフィルターを装着しました。
この時点でヘッドカバーが付いていますがまだバルブクリアランス調整が終わっていないのでもう一度開けることになります。
ついでにフロントブレーキマスターをラジアルポンプ式にしてみました。
ワイヤー類の取り回しが多少きついです…要改善ですかね(苦笑)
もう少しで完成です。
装着されているのはZZR1100のカムシャフト。
上に載せてあるのがZRX1100のカムシャフトです。
カム山の違いは分かりますでしょうか…
O/Hとカムシャフトが変わりましたのでバルブクリアランスを1から取り直しになります。
直打式ではなくロッカーアーム式のエンジンなのでいちいちカムシャフトを取り外さなくても調整できるのが利点ですね。
左のピックアップコイル側カバーの中にあるタイミングローターです。
位置決めのノックピン切りかきでタイミングが合わせられるのですが、ここを少し削りを入れてタイミングを早いほうへずらします。
この効果は…ほとんど体感できないかもしれませんね(苦笑)
左がノーマル、右が削りを入れたローターです。
やっとエンジン始動までこぎつけました!
このあとさらに調整をしながら試乗できる状態までもって行きます。
もう一息ですね。
以外にヘッドカバーの上はごちゃごちゃしていて手が入りません。
ネイキッドマシンでは仕方ないですけど…何とかしたくなりますね。
キャブレターに同調をします。
元々狂っているわけではないので微調整のみですね。
同調は車両によってぴったり出るものもあればアイドリングが微妙に上下してしまうものがありますね。
マシンの状態によって安定しなかったりするわけですが、実際使用する回転域できちんとアクセルについてくれば大きな問題ではないでしょう。
ついに完成!
試乗できる状態になりました。
低回転のトルクを絞り高回転までスムーズに回るスポーティなZRX1100になりました。
後はサスペンションやホイールなどを換えてみると面白いかもしれません。
お疲れ様でした。
〜ZRX1100カスタム終了〜


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