〜GSX750SカタナVカスタム〜
始まりましたカタナV型カスタムです。
まずは外装外してチェック、清掃にかかります。
中古で手に入れたにもかかわらずだいぶ乗っていなかったのでかなり埃がたまっていました。
しかしながら意外とエンジンが綺麗で時間があればフレームまで塗りなおしたいと思うマシンです。
ここで困ったことに注文したピストンキットが1ヶ月以上バックオーダーになってしまうとのこと。
仕方ないので足回りから先に手を付けていくことにしました。
エアクリーナーボックスはエンジンヘッドまたはエンジン本体を下ろさないと外れないようで…(苦笑)
足回りには協力していただいたダブルフットさん推奨のバンディット400系のフロント3.00−17リヤ4.00−17のホイールを装着します。
装着にはダブルフットさんのボルトオンキットを使用します。
ホイール形状、色が変わっただけでもカタナが引き締まった感じがします。
フロントホイールはかなり綺麗なものが中古で手に入ったのですが、リヤホイールはちょっと使用感が否めない状態でしたので頑張って磨いてみます。
一応リム部分の光沢は出ました。
下の写真は磨きを入れていないほうです。
あんまり違いが判りませんかね…(汗)
塗りなおしも一つの手なのですが、出来ればお金を賭けずに綺麗に出来ればそれに越したことはありませんし、また後ほど気になった時に塗装すれば良いかと…
ホイールベアリングは交換しました。
リヤホイールを装着しました。
ディスク盤は付いていますがこの時点でまだリヤキャリパーは付いていません。
カタナV型のノーマルキャリパーは使用することは出来ませんのでサポートから全て交換になります。

やっとピストンキットが入荷しましたのでエンジン分解に入りました。
さすがに年代物だけあってなかなかシリンダーが抜けませんでした。
シリンダーヘッド、シリンダーを外したエンジンです。
ピストンに予想以上にカーボンが溜まってます。
前オーナーはあまり回転を上げずに走っていた模様です。
シリンダーヘッド・燃焼室もかなりのカーボンが堆積していました。
エキゾースト、バルブ周りも合わせてO/H予定です。
燃焼室のカーボンだけ落とせるだけ落としました。
この後バルブも外してO/Hに入ります。
バルブシートの当たり面が気になるところですが…
したシリンダーは洗ってピストンキットと一緒にボーリング加工に出します。
この時点でお盆休みに入ってしまったので明けまで待ちです。
シリンダーをボーリングに出している間にヘッドの加工に入ります。
特に大きな変更点はありませんがエキゾースト口がかなり狭く感じましたのでガスケット当たり面近くまで広げることにしました。
4気筒分の加工完了です燃焼室も多少バリ取りバフ加工を施しました。
あまり効果は無いとは思いますが…(苦笑)
この頃のエンジンの燃焼室容積は目で見てだいぶ差があるように感じます。
このあたりを突き詰めればきっちりパワーの差を感じることが出来るのでしょうね。
インシュレーターの加工に入ります。
ノーマルのキャブからイナズマ400のCVKキャブに変更するためインシュレーターピッチが微妙にずれているのでボルト穴を長穴加工してピッチをあわせます。
無理やりでもはまらないことは無いんですけどねw
ブレンボキャリパーをノーマルフォーク+サンスター310Φディスクに装着するためにキャリパーサポートを製作します。
今回はCADにて図面を安原製作所にてお願いしました。
サポート製作はサオテクニカルサービスで切り出してもらいます。
タイヤはダンロップα10をチョイスしました。
フロント110/70-17
リヤ150/70-17
リヤタイヤはかなりギリギリではまってます(汗)
パンクしたらチェーンケースとリヤブレーキトルクロッドに干渉して動かせなくなるかもしれません…
本当は4.50インチホイールで装着したかったのですが、スイングアーム幅に余裕が無いためこのサイズで妥協となりました。

シリンダーボーリングが上がってきましたので組付けに入ります。
シリンダースタッドボルトも全て新品に交換しました。
またシリンダー位置決めピンも新品にしました。
経年変化による錆固着していましたのでこのあたりは全て交換するのがよろしいかと…
ヘッドまで組み付け完了。
クリアランスを取って閉じるだけです。
ここまででキャブレターセッティングとマフラー、パワーフィルター類のパーツ待ちです。
だいぶ形になってきました。
ブレンボのキャリパーサポートが出来上がってきました。
組み付けて確認した後アルマイト加工処理に出します。
インナーチューブがかなり錆が発生してメッキが捲れていましたので交換。
と、同時にボトムケースもかなりの色剥げが出ていましたので剥離して塗り直しを敢行しました。
インナー再メッキと言う選択肢もありましたが、まだ新品が出ましたので取り寄せしました。
その分ボトムケースは自家塗装になってしまいました(苦笑)
一応綺麗にはなっていると思いますが…PDFユニットがあまり綺麗になってないので、どうせならまとめて塗りに出した方が良かったかもしれません。
まあ、突き詰めていくとキリが無いので(フレームなど)このあたりで妥協です(汗)
ハンドルはノーマルを使用します。
このハンドルバー、実はただの中空のパイプなので転倒したりするとすぐに曲がってしまうんですね…
タレ角が若干きついのですが最終的にどうするかは完成してから考えましょう。
マフラーが届きましたので装着しました。
テックサーフのオールチタンマフラーです。
V型専用できっちりとした仕上がりが美しいです。
フランジは2分割ジョイントにエキパイをつなげる方式でかなり精密に作られています。
拡張したエキゾースト側ポートにジャストフィットでした。
さてこれからが問題です。
ハンドルスイッチを古いノーマルタイプからOWタイプに変更するに当たって配線と格闘です。
他の車両であればあまり苦労はしないのですが、このV型の場合リトラクタブルヘッドライトなので開閉スイッチも兼ねているわけでして頭がかゆいですねw
左ハンドルスイッチはカワサキ系のスイッチボックスを採用。
これもチョークワイヤーの問題が残ってます…

あとは左右マスターともラジアルタイプに変更のためホースをどう取り回そうか頭を悩ませています。
マスターのリザーバータンクステーも角度にあわせて製作しました。
取り回しが難しく、形に悩みましたねw
また後日作り直すかもしれません。
ハイスロキットとブレーキホースが届けば一応走れる状態になります。
すでに形になってきているので待ち遠しいです。
ホースとハイスロキットが到着してようやくハンドル周りが完成しました。
思ったとおりなかなかカッコいいコクピット周りに仕上がって参りました。
ハンドルのタレ角を若干緩くしたいとは思いますが…(苦笑)
ハイスロキットはアクティブの薄型TYPE2を使いました。
ブラックボディなのでスイッチ周りともマッチングしていて良い感じです。
ただし右いっぱいにハンドルを切った時のタンクとのクリアランスは結構ギリギリだったりします。
シートの皮張替えが完了しました。
微妙に色が合わないのは仕方ないと言うところでしょうか…
同じ色の皮が無かったそうで(苦笑)
シルバーの外装には合いそうな色ですが、シルキーホワイトのこの外装だと若干浮いてる気もします(汗)
ちなみにサイレンサーは全長の短いものを装着してみました。
前回の更新からかなり時間が経ってしまいましたが、やっとリヤサスが入荷しました。
以前は750刀V型用でラインナップがあったのですが、現在は廃盤となっており特注製作でオーダーになりました。
なんとベースショックはGPZ900R用!
一応スプリングレートは違うようですけど…
車高調整機能があると思ったらありませんでした。
ノーマルのサスを取り外しします。
これがまた結構面倒な機構を使っているタイプで個人的なDIYで交換するにはかなり苦労するかと思います。
フルフローターサスペンションと当時スズキが謳って装着していた機構ですが、整備性よりもリンクを介したレート調整に重点をおいた機構と言えるでしょう。
面白いリンク方式を考えたものですが、素直なボトムリンクの方が良いですね。
スズキはGSX−Rでも独自のリンク方式を使ってたりします。
さて、問題点が写真の通りサスペンションアッパーマウントリンクにあります。
ノーマルではマウントボルト周辺はかなり隙間があるのに対し、オーリンズではぴったりで製作されています。
元々アッパーマウントはフレーム固定を前提でリヤサスペンションを製作していることもあってこのようになってしまいます。
しかし刀V型ではアッパー側がリンクを介して稼動するためある程度の余裕が無いときちんと動作が出来ません。
そのためにリンクアームに削り加工を施すことにしました。
ご覧の通りリンクアーム内側を削り込み稼動幅を広げました。
上の写真ではサスペンションの頭に引っかかる部分が邪魔になりそれ以上稼動しなかったところを削り込むことで最大まで稼動できるようになりました。
実際の稼動はサスペンションが伸びきった時リンクアームが最大まで屈折して、サスペンションが縮まるとアームは開く(上からサスを押す状態)形になります。
今回のサスペンション取り付けに際してダブルフットさんから助言を頂いておりましたのであまり苦労せずに取り付けすることが出来ました。
オーリンズではない社外ショックでも同様のケースがありうるので刀V型で交換をお考えの方は注意してください。
ここで問題発生!
リトラクタブルヘッドライトが開かなくなってしまいました。
厳密には開く時もあるのですが、ライトだけ点灯して開かないことがしばしば…右ハンドルスイッチを変更した時に配線不良を起こしたのではと全てチェックしてみましたが原因はつかめず。
更に手動開閉ノブで開くとメインスイッチオンできちんと閉じるあたりモーターには異常ないようでした。
こうなると怪しいのはコントロールユニットしかありません。
一応お世話になっているダブルフットさんにも聞いてみましたがやはりユニット不良だろうと言うことでした。
仕方なく交換することにしたコントロールユニットです。
右が古いユニット。
表面に印字された番号が違いますね…
まだ新品が購入できるのですが、値段が¥16,800もします。
たったコレだけなんですけどね。
今度は正常に開くようになりました。
開かないことには車検すら受けられません(苦笑)
光軸検査が受けられませんから…
配線チェックで1日無駄になりましたよ(トホホ)
ハンドルバーの絞り角度を変えました。
ノーマルでは親指とタンクが挟まってしまうほどきつい絞り角なのですストッパーボルトの位置をボルト半分ほど外に掘りなおすことでこれだけクリアランスが確保できました。
ちなみにハリケーンのセパレートハンドルをこれをやる前に装着してみたのですが、ラジアルポンプマスターを装着しているためレバーがカウル・スクリーンに思い切り当たってしまい装着不可でしたw
え〜、ようやく車検取得にこぎつけました。
細かいセッティングはこれからです。
ちょっと車検場で走った限りでは結構良さそうな感触です。
ここまで来ると元の750刀Vとは別物ですね。
トップの最初の状態からは雰囲気が違います。
うーん時間かけただけあったデス。
キャブセッティングを大体のところで決めました。
初回MJ#150・PJ#45で始めましたがかなり濃い状態でした。
PJがいまいち上手く行かなかったのでフロート油面を若干下げてセット。
今回MJ#140・PJ#40にしました。
全開走行していませんので上は判りませんが中低速は良い感じでまとまりました。

ついでにステップ位置が何とも中途半端だったため車両と一緒に持ち込まれたマックレーンバックステップを装着。
まあ、それなりに妥協できる位置だったので試乗してみると…これ逆チェンジだったんですねw
あわてて正チェンジにセットし直しました。
お世辞にも格好良いとは言えないステップではありますが無いよりマシと言うところで。

次はオイルクーラーとフェンダーレス化です。
オイルクーラーが届きましたので装着に入ります。
エンジンに合わせてブラック仕様です。
マフラーがテックサーフ製になっているためホースの取り回しが結構ギリギリになってしまいました。
またホーンの移動先をどうするか思案しましたが、一応外に見えてしまうのも何なのでカウルステーとタンクのギリギリの隙間に入ってます(苦笑)
おかげで外から見えませんが、鳴らすとどこに向かって鳴らしているか(笑)
バックステップのチェンジストロークが大きく感じたのでピロボールジョイント部分を10ミリほど外にステーを介して移設しました。
これでカチッとしたシフトフィールになりました。
格好は…また後で考えましょうw
だいぶ間が空いてしまいましたがまだ続いています(苦笑)
サイレンサーがあまりにも抜けすぎるのでバッフルを装着(元は付いてませんでしたw)
この状態でもうちょっとセッティング詰めて行きます。
加えて走行中のハンドルの振動が酷いとの事なのでハンドルウエイトを装着予定です。
フェンダーレス化もしなきゃいけませんね…
ピックアップをちょっとだけ調整。
ピックアップベースの固定ボルト穴をわずかに広げて進角させました。
あまり意味は無いとは思いますが…アイドリングは安定するようになりました。
さて、最後の作業のフェンダーレスに取り掛かります。
刀Vのテールは構造自体がとんでもない形になっているので試行錯誤で作っていくことになりました。
まず要らない部分をテールランプユニット、テールカウル、ベースプレートともに切り取っていきます。
あまり大きく切り過ぎると失敗してしまいますのでちょっとずつ車体に合わせながら切り取っていきます。
で、切り取り終わった大まかな形がこんな感じです。
ナンバー灯の野暮ったい感じが無くなってすっきりとしました。
3oアルミ板を切り曲げしてナンバーステーを作りました。
あまり時間をかけていられなかったので格好良いかどうかはわかりませんが、とりあえず形になりました。
元のナンバープレートベースよりは良いんじゃあないでしょうか。
ステーの裏側はこんな感じです。
ナンバーステーと汎用のナンバーベース板をリベットで結合。
さらにリフレクターもステーを介してリベット止めにしてあります。
あまりボルト止めして全体が重くなるのも何ですし…(苦笑)
お待たせしました。
ようやく完成です。

上記のカスタム内容にプロトハンドルウエイトとオイルキャッチタンクを装着。
クラッチマスターはクラッチスイッチを装着してクラッチを握らないと始動出来ないようにしました。
現在の状態でメインジェットは#132まで落としました。
しばらく走ってもらってまた確認してみることにしましょう。
なかなか楽しいマシンになりましたよ。
祝!完成!


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