「……もう、お許しくださ……っ、い……っ」
カインの体には、金属でできた触手が絡み付いていた。
触手は手首を固定し、足を広げさせ、秘部を貫いている。
座り込んだままの体勢で壁に磔られている彼は、無数の触手になぶられ、喘ぎ声をあげていた。上半身は鎧を着たままなのに対し、下半身は裸だ。
ずちゅ、ずちゅ、と触手が秘部を容赦なく出入りする。その度に、ピンク色をした粘液が孔からだらだらと溢れ落ち、淫猥な姿を彩る。
屹立した雄の先端には何かの器具が取り付けられ、カインの射精を妨害していた。
「は、う……っう、う……!」
内壁を擦られ、あられもなく喘ぐ。涙に濡れた瞳と唇から垂れた涎を見て、ゴルベーザはにやりと笑った。
「ルゲイエの実験の手伝いをすると言い出したのは、お前だろう」
「……あれは……、まさか、こんな実験だなんて……、おもわ、なく、て……っ」
徐々に早まっていく抽迭に、カインは身を仰け反らせた。
「おやめ、くださ…………!」
その必死な様に煽られて、ゴルベーザはカインに近づく。下衣の釦を外し、青年の薄い唇に先端を押し当てた。全く猛っていないそれを見て、戸惑い気味な表情をしたカインは、しかし、観念したように先に吸い付いて全てを頬張った。
「ん、ん……う、ん」
舌を這わせて、じゅるりと強く吸う。裏筋に舌先を当て、顔を前後に動かした。慣れたものだと思いながら、ゴルベーザはカインの金糸を撫で付けた。頭を鷲掴みにし、前後に動かす。喉の奥に先端が触れた。目を細めながら、カインが呻く。髪が唾液によって頬に張り付いた。
頃合を見て引き抜くと、虚ろな瞳と目が合った。
「……欲しくてたまらないんだろう?」
訊くと、
「おかしいのです……体、が、熱くて…………っ」
首まで真っ赤にしながら、カインはうわ言のように呟いた。
ゴルベーザはほくそ笑む。
当たり前だ。あのピンク色の粘液には、媚薬が含まれているのだから。
カインの中を犯している触手を取り出し、露わになっている秘部を更に割り開いた。カインが目を逸らす。
ゴルベーザは、面白くて堪らない、といった表情で、カインの耳元に口を寄せた。
「……お前の中に入る様を、見ていろ」
「…………そんな」
「命令だ」
『命令』の一言で、カインの視線は自らの下肢に注がれる。ぶるぶると震えながら、ああ、とカインは呻き声をあげた。
「一気に入れられるのと、ゆっくりいれられるのと……どちらがいい?」
言いつつ、先を押し付ける。カインは『命令』に縛られてそこから目を逸らせぬまま、「ゆっくり、お願いします……」と返答した。
望みどおりに、ゴルベーザは先端をゆっくりと埋没させる。膝裏を押さえつけながら、徐々に徐々に、貫いていった。絡みつく中を堪能しつつ、カインの表情を見る。喘ぎ声をあげることも出来ずに、彼はただ犯されている場所を見つめ、口をぱくつかせていた。
「どんな感じだ?」
腰を進めながら、問いかける。これは命令だと念押しすれば、声と瞳を震わせながら、カインは躊躇いがちに口を開いた。
「……なかが、あつく、て………、きもちいい、です……」
「どうして欲しい?」
「も、っと……はや、く……っ」
言い終わる前にゴルベーザが動き出し、抜き差しの動きに合わせて、ピンク色の粘液が掻き出されて垂れていく。わざとらしい音をたてて肌同士をぶつけると、カインは掠れた喘ぎ声で甘い悲鳴を放った。
「あ、あ、あ、あ、あ、あっ!」
「お前の中はすごいな……絡みつくようだ」
「いや、だ、言わない、でくださ……っい……っ」
声に、濡れた音が重なる。
その音が早くなり、カインを追い詰める。ペニスの先端に取り付けられた器具のせいで射精することができない彼は、涙を溢しながら懇願した。
「いかせ、て、いかせ、て……!」
ピンク色の粘液が、床に水溜りを作り出す。
ゴルベーザ様、と口にしたカインの唇から垂れた唾液は、汗と混ざって判らなくなった。
End