ZERO START外伝
裏 対決

「でもさ~。辻さんがススムちゃんの部屋に来るなんてどうしたの?」
 ぐ。やはり来たか。僕とナナセは同時に息をつまらせた。
 まったく。ようやく二人きりになれたかと思ったらこんな事になるだなんて最悪だな、オイ。アキがお邪魔虫になっているせいで全然いい雰囲気にならないし、そのくせ追い返す事も出来やしない。
 ・・・ああそうさ! 追い返すだけなら簡単だよ! 仕方が無いだろ!? 幼なじみなんだからさ!! そう簡単に断れれば苦労はしないさそりゃモチロンな!! 自分の優柔不断さが原因なのはわかりきってるよこん畜生!!
「あ、そ、それは・・・ホラ、他の二人は疲れてるみたいだったし・・・、何ですす・・・定光寺君達がここに来ていたのか気になったから・・・ね?」
 ナナセが上手く誤魔化してくれてるけど、このままだと秘密がばれるのも時間の問題。ひっじょうにまずいんだよなぁそれは。なんたってこっちはリリィとの一件もある。うかつに大事になるとそのこともばれる事がありかねないし、そんなことになったらいくら不可抗力でも殺されかねない。しかも自業自得だからたたることも出来ない。
 しかしどうやって誤魔化す? うかつに言葉を使ったら墓穴ほっちゃいそうだし、しかもホテルだから大声で騒ぐと響くかも知れない・・・ってそれはないよな。なんたって高級ホテルなんだからそれぐらいの防音は出来るか。
 だとしたらどうするか・・・よし!!
「と、とりあえず飲もう!! いろいろ合ったけどとりあえず無事な事にかんぱ~い、てね?」
 飲ませて誤魔化す! 酒じゃないから効果ないだろうけどこうなったら仕方が無い。とことんまでやってやるさ今畜生!! ついでにヤケジュースだ!!
 だけど、これが非常にやばい事になるとはまったく思ってなかったわけで・・・。

 思いっきり爆酔していた僕は、言い争うような声を聞いてまぶたをあげ・・・、その参上に信じられずに凍りついた。
「だからぁ、ススム君とわらしは付き合ってるのぉ! だからお邪魔むしはたいさ~ん!!」
「む~。ススムちゃんとわたひのことも知らないでうるさいぃ! お姉ちゃんは許しましぇん!!」
 よ、酔ってる? 酔ってらっしゃいますか? お酒に酔っているんだよね、アルコールだよね、決してジュースに酔ってるわけはないよね? とにかくこの非常事態に僕の脳は見事に混乱した。なんで僕はこの数日で非常事態に巻き込まれまくってるんだ!! 
 ナナセもいつものナナセとは思えないほどの口調で喋り、アキも同じような行動をとっている。てかアキよ、お姉ちゃんってどういうことですか!? あ、そういえばアキって僕より誕生日早かったっけ。
 とりあえず、ろれつが回ってない上にいつもの二人とは思えぬ口論には耳を貸さずに近くの缶をとると、プルを開けて一気飲み。火照った体にアルコールがはいって気持ち・・・アルコール? 火照ったからだ?
 ふと嫌な予感を覚えて缶を見る。その表示にはアルコール飲料と堂々と書かれていた。
「な、しまったぁあ!?」
「ススムちゃ~ん!? そういうことよぉ!!」
 驚愕によって大声を上げてしまった僕の背中に、アキがしなだれかかってくる。直後ナナセの睨みが僕の後頭部に突き刺さる。・・・寿命が縮みました、ハイ。
「な、な、アキ!?」
「辻さんとつきあっれるってどういうころ~? この裏切りものぉっ!!」
「なにいってるんですかっ。幼なじみが恋人だなんて、どこのPCゲームだと思ってくれるんですかぁ?」
 どっちもろれつが微妙に回ってない。ってかナナセ? PCゲームってあなた二年生な上に女性でしょうが!! などと考えながらも、それぐらいではこの状況は換わりはしない。誰か助けてください。あ、無理? だよね。
 そんな僕の気持ちとは無関係に、ナナセとアキの口論は好きなジュースの好みをどれだけ知ってるかなどという関係ないことまで入っていた。しかも戦況はナナセのほうが若干有利。まあ、ナナセと付き合ってから未知の味にも挑戦してるから当然か。
「どお三舟しゃん? わらしの方がよく知ってるでしょぉ? そ・れ・に! 私はススム君の事をす・み・ず・み・まで知ってるんですからねぇ~!!」
「む、そ、そんなの別にえらくないわよ!! だったら・・・」
 戦況が傾き始めてひるんだアキは、突然何を思ったのか僕に体当たりをかけてきた。しかも押し倒される体制になってしまう。しかも下半身に顔を近づけると、ズボンのジッパーをあっという間に下ろして手を突っ込む。
「な、あ、アキ!? っ!?」
 予想していたのより優しく触れられて、思わず気持ちよくなって震えてしまう。それをみてナナセは硬直し、アキは勝ち誇って不適な笑みを浮かべる。
 しかも僕のモノを掴むと、おもむろにほおばって舌でなめまわす。
「え、え、えぇええ~!?」
「うあっ。ア・・・キ、ナナセが・・・見て、るぅっ!?」
 思わずビクビクと震えながらアキを止めようとするが、アキは舐めまわすのをやめようとはしない。しかも気持ちよくって全然力が入らない。ナナセの視線が痛いけど、それでも自分どうしようもないんですがどうしましょう?
 てなこと言ってる場合じゃない!! き、気持ちいい!? ちょ、上手にも程があるだろおい!!
「あ、アキ? なん・・・で、そ、んなに・・・上手いの?」
「ふぉんでひょんにゃの」
 くわえたまま話さないでいただけませんか? 
 とりあえず直訳すると「本で読んだの」ってことか。確かに上手だ。おしっこが出てくるところをしたでつんつんと突いてきたり、本っていったいどんなの読んでるんだ? ってヤバイ、ちょっときつくなってきた。
「ちょ、す、ストォップ!!」
「ふぁ!?」
 舌を噛んで気合をいれて無理矢理アキの頭を掴むと引き離す。いくらなんでも出すのはまずい。いろんな意味でまずい。
「と、と、とにかく二人とも水飲んでみずぅ。よってちゃダメだからぁ」
 って自分も結構酔ってるな。あとでちゃんと水を飲んでおかないとまずいだろうなぁ、てか明日は二日酔いで苦しむ事になるんだろうな~。
 などと考えながらも僕は、まあこれでとりあえずこの場は収まるだろうなどと甘い考えを抱いていた。が、世の中そんなに上手くはいかない。
「そうれぅ~! 今度はわらしのばんなんだから~」
「あぁ!!抜け駆けぇ!!」
 って今度は二人で迫ってきたよオイ!!
「ちょ、ま、ん・・・くぅ!?」
 二人係で攻められて、少ししか下がってなかった僕の限界を一気に突破してしまう。何かが上ってくる感じがして、思わず身体をのけぞらせた。
「くあっ!?」
「ふぁあ!?」
「ひゃっ!?」
 思いっきり精子が飛び、ナナセやアキのほおにかかる。興奮して赤くなっている二人の頬にかかった白濁液は、以外にも鮮やかにうつる。
 ってんな事考えてる場合じゃないだろうが!! どう考えてもこれはまずいぞ、絶対まずいぞ!? よりにもよってが、が、顔射・・・って何で僕はそんな言葉知ってるんだ? じゃなくて、まずすぎだろオイ!!
 いや待てよ。これで正気に戻ってくれるなら僕もすごくラッキーな気が、
「うわぁ・・・もったいなぁい」
「ん・・・ふあ。ななせぇ・・・ンチュ」
 そんなに上手く事は運ばなかった。二人は互いの顔についた白濁液をおいしそうになめとっていく。見ててスッ極興奮するんですけれども、これ。
 だが僕のボルテージを上げるものはこれだけでは終わらない。二人は欲望に支配されたかのように抱き合うと、僕の方に下半身を向けてきた。まるで懇願するかのような口調で更に過激な事を言ってくる。
「ススムちゃぁん。もう我慢できないよぉ・・・」
「この際決着は後でいいからぁ・・・三人で楽しもうよぉう」
 質問です。こんな状況下でただでさえ酒によって理性が微妙にゆるんでいて更に興奮していると言うのに断れる強固な精神をあなたは持ってますか?
 僕は持ってません。てかもう我慢できそうにない。

「んっ、あ、あ、あ・・・♡」
「ふあぁああああああっ♥」
「ん・・・結構気持ちイイ・・・っ」
 二人の股間が重なっている所に自分のモノをこすらせてみるという初めての行いは、結構効果を発揮しているようだ。二人とも涙を流して喜んでる。
 だけどまさかこんな事になるだなんて・・・っていうか、このままだといくらなんでもまずくありませんか神様仏様。
 などと考えている余裕はない。結構限界が近づいてきたぞこれは。
「二人とも・・・? そ、そろそろ・・・イクよ?」
 流石に早かったかなぁとは思うけど、意外にも二人ももういきそうだったみたいだ。ナナセはまるで何かに耐えるかのようにアキの身体を抱きしめると、涎が垂れている口をぎこちなく動かして言葉を伝えてくる。
「うん・・・き・・・て、来てぇ!!」
「もうだめぇ・・・私もい、イッちゃうぅ~」
 なきそうなアキの懇願まで聞こえてきて、もう僕も我慢の限界がきた。器用に二人の胸をもみながら、スピードを上げて動かす。
「ひ・・・イッ・・・くぅうううううっ!!!」
「い・・・ちゃ・・・あぁあああああっ!!!」
 二人が同時に痙攣してイク。僕もすぐに限界になると、思いっきりイッた。
 白濁液が二人の顔に再びかかる。だがナナセもアキもなめとる元気もないのかしばらくの間呆けていたが、アキが首をこっちに向けて無邪気な笑みを浮かべた。
「ねえススムちゃん。もう一度・・・できる?」
「・・・へ?」
「私からもお願い。今度は私達の膣内(なか)で・・・ね?」
 ・・・何この展開? 夢ですか?


「ああ~、そういえばそんな事があったんだった~」
 自分で言うのも情けないけど、そんな事を思い出して僕はため息をつきながら苦悶する。よりにもよってこんな高級ホテルで3Pだなんて幸せすぎるぞ僕。
 いや、そんなことはどうでもいい。更にこの後も何度も何度もHをしていて眠ってしまったらしいけど、そんなことが許されるはずがないよなホント。母さんが草葉の陰で泣いてるかも知れない。ごめんなさい母さん。
 さて、それより問題はこの状況下だ。二人ともお酒を飲みすぎてたから覚えてないかもしれない。だとするとこのまま起きられると非常にやばい事になるんじゃないだろうか? いやなる。どうしようどうしようどうしようetc・・・
「ススム君? なに混乱してるの?」
「ふあ。ススムちゃんおはよう」
 って起きてるし!?
「や、や、やあおはよう。・・・で、この状況なんだけど」
 どう説明する? 何とかしないと殺されるよ僕。いやだ酒によって女性に襲われたあげく勘違いで殺されるだなんて! 成仏できねえよそんなの!!
 だが、なぜか二人とも顔をあわせてくすくす笑うと、何故か僕のほうをみてから抱きついてきた。
「へ? は? はい?」
「心配しなくて大丈夫。私たちみ~んな知ってるもんね?」
「そうね。だからススム君はなんの心配もしなくてい・い・か・ら」
 え~と、つまり・・・何がどうなってんの?
 冷静に考えてみると二人とも夜のことは覚えているみたいだからとりあえず問題は無いみたいだけど、だからって何故ここまで冷静なのかがわからない。いや、これを冷静というかは微妙に問題があるか。
 だが、二人は夜の事を何も気にして無いのか、むしろその事を楽しんで思い出しているようなそんな感じがした。
「でも、昨夜のアレはクセになっちゃかも。そのときはススムちゃん、責任とってね?」
「・・・えぇっ!?」
 そんなのありですか!? いやいくらなんでもそれはナナセも許すわけが・・・。
「私もそんな気がするんだ。そのときは・・・ね?」
 ってナナセさん!? 
 などとツッコミを心の中で入れてみても、とてもじゃないがこの笑顔をみてかわすなんてことは出来そうに無い。
 母さん。これって役得? それとも地獄?

続く

蒼來の感想(?)
ありゃ、家じゃあなくてホテルだったんだ。勘違いしましたwシッパイシッパイ(・_・ゞ-☆
鈴菜「しかし・・・アルコールの勢いだったとは・・・」
観月「予想が外れましたわ。」

だな。
ところでススム君。最後の質問だが・・・役得に決まってるだろう!!
鈴菜「ア○ラ○・○ラ見たいになるかも知れんぞ?」
・・・確かに・・・(--;
観月「まあ、認め合ってる状態ですから、大丈夫でしょう。」
うむ。
今回がこれだと・・・リリィの強行突入は次回だねv( ̄ー+ ̄)ニヤリッ
鈴菜「だなv」( ̄ー+ ̄)ニヤリッ
観月「ですわねv」( ̄ー+ ̄)ニヤリッ

ふふふふふふ・・・更なる女難の修羅場期待してますよーw