ZERO START外伝
裏 逃亡


「その・・・抱いて」
 確かにそう聞こえた。間違いなく聞こえた。あのリリィのセリフなのは間違いない。
 ってちょっと待て。リリィが? あのリリィが抱いてっていったのか? おかしい、普通に考えて彼女がそんな事を言うわけがない。
 ま、とりあえず服を脱がそう。ボタンに手をもっていいってゆっくりとはずし・・・
「って落ち着け自分っ!!」
 いかんいかんいかんいかんいかんいかんいかんいかんいかん。何を暴走しているんだ自分は!? くそっ、身体が勝手に動きそうになる。このままだとマジでリリィを抱いてしまうかも知れないぞオイ。だめだだめだめだ僕にはナナセが・・・。
「ちょぉ・・・こっちだってしたくないけど、我慢できそうにないのよぉ・・・」
 ・・・うわあ、顔を赤らめて恥ずかしがってるリリィって凄くかわいい〜ってだから落ち着けってか僕の腕を思いっきり押し倒そうとするんじゃない!!
「と、と、とにかく、まずどこかに隠れないと・・・」
 それ以前にさっさとここから逃げ出さねばならないだろうけど、残念ながら僕の脳ではそれを考えるのは非常に難しかった。てかそれを考えられるほど頭を回転させれなかった。
 その時足音がしてきて、とりあえず僕はリリィを引っつかむと、急いで近くの部屋に飛び込んだ。

「とりあえず言ったな・・・」
 なんとかあいつらが言ったのを確認すると、僕はほんの少しだけ空けていたドアを閉める。だが、しめたらしめたでいきなりムラっときて思わず頭を振った。
 とにかく落ち着かないと非常にまずい。このままだとナナセを裏切る事になってしまう。確かに初恋というものは非常にかないにくいとはいえど、だがしかしそれでも裏切るのは悪だ。愛とは信頼と契約でありしかし人間も獣なのだからここで暴走しても・・・。って落ち着け自分!! いつの間に暴走しこうに入っている。ここは落ち着くんだ。
 リリィには悪いけどここはリリィの悪い所を上げて気をそらそう。薬の効果なんだから薬が切れるまで持てば何とかなるはずだ。
 まずリリィは勝気すぎる。そして少々野蛮な所がある。目も少々きつめな感じがする上に鋭いし、だけど潤んでいるその瞳は結構魅力的でその乳房も結構可愛いしああ右手がついもみ始めて。・・・ってだから落ち着け!! でも近づいてくる唇も結構魅力的で興奮しているとはいえつい奪いたくなる。って近づいてって・・・、
「・・・ん」
「ふむぅ!?」
 こ、この感覚はキス!? おいおいおいおいおい、この状況下はひじょうにまずくないか?
 予想通り、僕の体は本能に従ってリリィの唇を貪り、そしてそのまま押し倒した。が、かろうじて残っていた本能がギリギリのところで暴走を抑える。そして何とか我慢すると、深呼吸をして感情を抑えようとしてみる。ここで襲ったら僕は・・・!
「何でよ?」
 その時、リリィが不満げに、そして懇願するように僕に視線を向けてきた。おもわずつばを飲む。誰にも聞かれなかったのが不思議なほど、その音は大きく聞こえた。
「自分の対面なっか気にしないでよぉ・・・。もう、我慢が効かないの。だから、だからぁ・・・」
 リリィはないていた。恥辱と恥ずかしさに我慢しようとしても、だけど我慢できない。恐らくそれでも外面だけは抑えようと努力しているのだろう。きっと気が狂いそうになっているはずだ。僕だってそうだ。
・・・だあもうっ!! こっちも我慢が効かなくなってきた。右手は勝手に動き始めてるし、こうなりゃヤケだヤケだヤケだ!!
「どうなっても・・・知らないからね?」
 リリィは震えながら頷いた。

 近くに大きなロッカーがあったのは助かった。とりあえずここに誰かが入ってくる可能性が無いとはいえないしそこに隠れる。これはこれで興奮するけどそれは別の話。てか興奮するなよ自分!!
 服を出来る限り丁寧に脱がし、そしてブラジャーをはずす。途端、小さくて赤いリリィの乳首が見えて、思わずそれにしゃぶりついた。
「ひゃぁああっ!? うにゃ・・・にゃぁあああああ!?」
 うわ、可愛い声上げるな〜リリィって。
 などと冷静な部分がつい暴走気味の考えを浮かべながら、すったり舌で転がしたりしてみる。ナナセとの経験のおかげか、なんだか上手になった気がするのは気のせいだよな?
「んあ・・・っ! すご・・・い、も、う・・・ダメェッ! 我慢できない、入れてぇええっ!!」
「わ、わかった。わかったから静かに!」
 あ〜も〜。こっちは声ださないように必至なんだからもう少しそっちも気を使ってくれよ気を!! などといってもらちがあかないから、とりあえずハンカチを取り出してリリィにかませる。とりあえずこれで少しは抑えられるだろう。
 まあ、僕自身我慢できないのも確かだ。罪悪感で胸がいっぱいになるけど、薬で発情している体は正直だ。とてもじゃないけど我慢できない!! ああ、これほど自分が恥ずかしい時もそうはないよな。
 いきり立つモノを掴んでリリィの秘所に近づける。入れただけでイきそうな気がするけど、この際気にしちゃそんだろう。体制が体制なので入れるのに一苦労したが、とりあえずちょっとうめてから勢いよく突き入れる。
 途端、リリィの膣内がギュっとしまって僕のを放さない。ってかマジで気持ちいい!! で、でる!!
「んっ、く・・・・・・」
「痛〜・・・・・・・っ!!!」
 出ないように我慢していたが、その時リリィが痛そうにしているのが見えて思わず動きを止める。やべ、力入れすぎたか?
 いや違った。ふと秘所に触れていた手を上げて見てみると、なかに赤いのが混ざっているのが見えた。つまりリリィは処女ってことになる。
「あ・・・ごめ・・・」
 途端に罪悪感がこみ上げ、一瞬だが薬の効果を上回って僕のモノは僅かに萎えた。いくら薬で高ぶってるからって、よりにもよって処女を奪うだなんて・・・。
 だけど、リリィは無理矢理不敵な笑みを浮かべると、わざとらしく嘆息してみせる。
「あ〜あ。私の初体験、もう少しロマンチックなものだと思ってたんだけど、これじゃ幻滅ね」
「う・・・」
「だから・・・、せめて少しは上手に出来るように頑張ってよね?」
 その言葉に、僕は不覚にもときめいてしまった。途端に元気を取り戻す自分のモノに呆れを覚えつつ、動きを再開、とりあえず激しすぎないように気を付けながら動かすと、リリィはハンカチをかみ締めて震え始める。
「ふ・・・うむっ!」
「ん・・・く・・・!」
 お互いに声を出さないように無理をしながらも早く終わらせようとペースを上げる。何度も動かしていると、リリィの方も痛みがなくなってきたのかきつく締め付けてきた。
「つあっ!? で・・・でる・・・!?」
 ついそういってしまうほど気持ちよくなり、慌てて腰を引こうとしたが、その時リリィが勢いよく腰をつけてきた。と、同時に一際強い衝撃が襲う。
「で・・・出るっ!?」
「ふ、ふむぅっ!?」

 盛大に達してからしばらくの間。僕とリリィは腰が抜けて動けなくなっていた。とりあえず外の様子を何とか確認したが、どうやら脱走していた別の方々は離れた場所の牢屋から逃げているのか、こっちには誰も来ていないみたいだ。
 しかし、つい勢いよく中に出してしまったけど非常にまずいよなぁ。薬の効果が抜けてきたおかげで何とか二ラウンド目には突入しなかったけど、つい数日前に思いっきり出したとは思えないほど大量に出たからなぁ。僕って絶倫?
 ってんなことを言ってる場合じゃない。も、も、も、もし出来てたらどうしよう・・・。間違いなくナナセが泣くぅ―
「殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロス・・・」
 ひいっ!? リリィが切れてる!? ってか非常に怖いよこれは!!
 だれか、たぁぁぁぁぁぁぁああああああああすけええええええええてぇえええええええええええ!!!
 続く。


あとがき
 第二段はいかがでしたでしょうか? 少々無理があるような気がしないこともありませんが、とりあえずススム君の女難を描くことには成功したと思います。いやあ、エロかくって難しいね〜。

蒼來の感想(?)
はい、ススム君の浮気第一弾でした〜(ヲイ
つうか、○出しはススム君の仕様ですか?!
どちらにしても、バレたら刺されますね。(マテ
・・・パニくりながら、服を脱がそうとするのも仕様だな。(ヒツコイ