初めに

さて,これをお読みになる方はひとまずポケモンを目にするなりプレイするなりしたことがあると踏んで前置きをさせていただきましょう.
当作品は「ポケットモンスター」のアニメ,または漫画を見たことがある人でなければわかりにくい表現,単語が含まれております.
また,設定や世界観は極力原作と合わせるつもりですが,一部(特にバトルシーン)元来のポケモンではありえない展開を見せることもあります.
 そして,この場において「colors」の小説家を許可していただいた銘王様に深く感謝の意を表させていた
だきます.


 この作品は赤,緑(ファイアレッド,リーフグリーン)の数十年前の話です.上記のように当作品は
「colors」というオリジナルポケモンゲームが元となっており(残念ながら現在はダウンロード用サイトが
閉鎖されていますが),基本的にそれに従って進行します.
文体はともかく,内容の指摘をしても変更に応じることのできない可能性が高いことを予めご了承下さい.
とはいえ,ご意見,ご感想は大歓迎です.


では,原作(赤,緑)風に言ってみましょうか.
夢と冒険と!ポケットモンスターの世界へ!レッツゴー!!



「ポケットモンスターカラーズ」
 前章:マサラの3+1人



『ポケモン』
ポケットモンスターの略称.人間が誕生する以前より生息しており,宇宙にも存在しているとさえいわれて
いる.人間は彼らの助力を得(友情,交渉,捕獲など手段は様々),生活のパートナーとしたり戦わせたり
する.
<関連事項>シルフカンパニー,セキエイグループ,トレーナー,ボール,野生ポケモン


真新しい赤のTシャツと紺のスラックスを着て,僕は走っていた.
普段ここは明るくも静かな住宅街だが,今日は少し人の声が多く耳に入ってくる.でも気にしてはいられ
ない.お気に入りの玩具屋のショーウィンドウや通い馴染みの料理屋の張り紙にも目を配らせている暇はな
い.

「おや,シアンじゃないか,今日もお急ぎか?」
時々遊び相手になってくれる小太りのおじさんが僕を見て笑うが,「はい,すいません!」とだけ言い返してその横を過ぎ去った.
行き慣れた道である.迷う心配はない.でも時間のほうはそうもいかない.すでに約束の時間を30分も
過ぎてしまっているのだ.
右へ,左へ,そしてまっすぐ走って――――

「…着いたぁっ!!」
僕は入口のドアをバンと荒く開けて飛び込んだ.マサラタウンの中でも一際目立つ白い3階建ての大きな建
物,オーキド博士のポケモン研究所の中に.薄いミルク色の壁と木目の整った床,様々な本棚や実験器具が広がるそこには白衣を着た研究員のほかにツンツン髪の少年とおさげの少女がいた.
少年少女といっても僕も彼らと歳は変わらず,12,3歳といったところだ.
それに僕は彼らの事を,そして彼らも僕の事をよく知っている.
研究員たちが突然の襲来者である僕に驚く中,少年と少女は慣れた表情でこちらを眺めていた.

「おせぇよ,シアン!」
 ツンツン髪の少年,コハクが振り向き手招きをしながら僕を冷やかした.
「どうせまた居眠りしていたんだろ?」
「いいじゃん,まだ博士いないし」
その横でおさげの少女,ラピスがやんわりと意見を述べる.
僕たち3人が揃うといつもこんな感じであった.
コハクとラピスは時間通りに来るのに僕はつい居眠りをして遅刻する,それをコハクが冷やかしてラピスがマイペースになだめる.
おかげで僕はこの癖が治らず,いつか隣家のおばさんに漫才のようだとさえ言われてしまったことまであるのだ.
そんな僕たちはある日,この研究所の所長であるオーキド博士に呼びだされた.ポケモンを一匹ずつ譲って
くれるとのことだ.

代々ぼんぐり加工業を営むラピスの家はともかく,マサラの子供たちは一度ポケモンをもって旅に出る必要がある.
就職,趣味,いずれにしてもポケモンを持っているのと持っていないのでは大きな差があるからだ.隣町であるトキワシティに一人で買い物に行ければ十分だが,
その間には野生ポケモン,簡単にいえば人に危害を加える可能性のあるポケモンが生息している.
人間と違い町の外のポケモンには基本的に警察が動くことはない,というより干渉は
しない.
そこでマサラでは僕達位の年齢になると専用のポケモンが一匹与えられ,ちょっとした課題が与え
られる.

しかし………
「あれ?コハク,ラピス.博士は?」
「まだきてないよ」
僕の謎にラピスが普通に答えた.
コハク達がいるのはすぐに分かったが,肝心なオーキド博士の姿がない.この研究所は大きく広いものの
部屋はほとんどなく,二,三階は博士や所員の生活場である.
僕と同じ用事で来ているこの二人がいるにもかかわらず,上にいるとは思えない.
「…もしかして,シアン病か?」
コハクがわざとらしく倦怠そうに項垂れる.あえて
反論はしなかった.コハクは待つという事が苦手なのだ.
僕に対しては一種の諦めのようなものを持っているが,それ以外はあまり我慢しない.
我慢することが嫌なようにも聞こえるが,その辺りはコハクなりのこだわりがあるそうだ.
一方,ラピスは絵や字が羅列された資料の山が乗ってある机を眺めていた.しかしその視線は資料に向け
られているものではなく,端のほうにまとめて置かれてある小さな丸い物――モンスターボールにであった.
ラピスの家の家業であるぼんぐり加工は,簡単にいえばモンスターボール造り屋という事である.
このモンスターボールという小さなボールにはポケモンを中に納める力があり,同時に野生ポケモンを捕まえるのに必要な道具である.
納めるといってもポケモンの大きさや重さは関係なく,一説によると体重が400キログラムもあるポケモンさえ数百グラムのボールに納め,お手玉のような軽く持ち運べるそうだ.

「ラピス,勝手に見ていいの?」
歩み寄って聞いてみるが,ラピスは「きっと大丈夫だよ」とほんわりと言ってボールから視線を逸らさない.
コハクも分かりもしない何かの表をボーっと眺め始めた.つまり,二人ともそれほどにオーキド博士(と僕)を待っていたのだろう.
キイと入口の扉の開く音がした.僕の時と違い,大きく,落ち着いた開け方である.
僕とラピスより早く扉の方に振り向いたコハクが嬉しさ半分嘆き半分に叫
んだ.
「博士!すんげぇ遅いですよ!!」
少し間を置いてから僕とラピスも振り向く.
そこには確かにボールの絵が描かれたケースを持つオーキド博士がいた.
しかし,その光景に僕達は固まってしまった.


女の人がいた.歳は18前後.青いボタンを開いたジャケットの隙間から白のワンピースが姿を覗かせている.
綺麗,とでも言うのだろうか.一瞬その女の人の横にいるはずのオーキド博士が見えなかった.
整った顔立ちに蒼色の長髪は母さんやラピス,他の町の人と何かが違う.
コハクが何かを言っていた.
遅い,とか何を,とか聞こえたが,よく分からない.
だが,オーキド博士が女の人の肩をぽんと叩いた所だけははっきりと言葉が耳に入ってきた.
「すまんすまん,マゼンタ君にマサラタウンの紹介をしていたのじゃが,ちょっと話し込み過ぎてな」
女の人,マゼンタさんが照れるように笑う.
「あなた達がシアン君,コハク君,ラピスちゃんね.私はマゼンタ.オーキド博士の従兄弟(いとこ)の子供よ」
笑った.人差し指でこめかみの辺りを掻きながら.
大人っぽい雰囲気があるのにどことなくかわいいようにも見える.

「…シアン?」
いつの間にか僕の前にいたラピスが上目づかいに僕を見る.僕は思わず後ろに立ち退いてしまった.
「おいおい…」
不思議そうな顔で僕を見るラピスと違い,コハクは僕が何を思ったのか解ったようだ.
「で,博士.例の物は?」
「おお,そうじゃな」
マゼンタさんに言われ,オーキド博士が手に持っていたケースを漁り始める.ケースから出たその手には
それぞれ色の違うボール,モンスターボールが四つ乗ってあった.






<あとがき>
…えー,なんと言いますか,すんごい場違いな物を投稿したような気が…
と,とにかく,カラーズをお読みいただきましてありがとうございます.
初めに触れましたが,この作品はオリジナルPCゲーム
「ポケットモンスターカラーズ」という物が原作です.
このゲームでは主人公はシアン,マゼンタ,コハク,ラピスの内一人を選ぶ事となります.選んだ主人公は
作品上無口になりますが(笑)残り三人はバンバン喋ってくれます(作者はマゼンタ,シアンの順にプレイ
しました).
ちなみにシアン=赤,マゼンタ=青,コハク=黄,ラピス=緑.シアンとマゼンタはいつか任
天堂がパクリそうで心配です…(下手すると作品ごと)
誰を選んでも基本となるストーリーに変化はありませんが,ライバルや会話,一部サブイベントに影響が出
ます.
ま,この作品ではシアンルートをベースにマゼンタルートにおけるシアンのセリフを合成しています
が…
あと,正直言いますとこのSSは「リザルブ」より書きやすく,エルア達をそっちのけでこちらの投稿を優先するかもしれません…(話簡単だし)

作者は隠れ(?)ポケモンファンです.普段はポケモンなんてどうでもいいという風に振る舞っています
が,部屋には千枚を超えるポケモンカード(旧)とカントー系とジョウト系のソフトはほぼ持っています.
その上番外編である「スタジアム」と「赤の救助隊」も…(さらに押入れには数年前作ったパズルやガチャポンフィギュアまで)
それもあってこの作品を手掛けたのですが,今のところ私はこの作品を扱う事に少々緊張しています.分不相応というかなんと言いますか…

それでも連載は続けさせて頂きます.
それが「colors」と銘王様への礼であると信じて.そして,一ポケモンファンとして.

蒼來の感想(?)
・・・すいません、文章の区切りを直すだけで力尽きました・・・・_| ̄|...................(((○
ので感想はまた今度に・・・・

鈴菜「するな。」

観月「してはいけませんわ。」
・・・・_| ̄|............((☆(((≪*☆*BOMB*☆*≫))) ☆
鈴菜「・・・・たまや?」

観月「さあ?」
・・・・つうわけで(どういうわけだよ?by鈴菜)後日に感想(へタレですわ!!by観月)をつけますね。
・・・言いたい放題だな、おまえら(−−メ