今度はこれ!!



機動戦艦ナデシコ・パラレル
私が命に代えても守りたいものへ





少しこの文章をお読みの諸氏にお尋ねしたいことがある。

あなたは自分が心のそこから守りたいと思えるものに出会ったことはおありだろうか?

人でも、物でも、形のないものでもいい。

自分の命を投げ打ち、世界と天秤にかけてでも守りたいもの。

そんなものに出会ったことがおありだろうか?

俺は・・・出会うことができた。

それは一人の少女。

この新しい人生の中で唯一前の人生でも一緒だった少女。

あなたと飛び立ちたい。

花言葉に思いを託し過去へと翻った最愛の少女。

何度もつまずき、奈落への道を突き進みそうになった俺を受け止めてくれたのは幼さを取り戻した少女だったのだ・・・。

ナデシコという船の中で彼女は待っていた。

以前とは違う出会い。

以前とは違う戦い。

そして以前とは違う結末。

何がそうさせたのか、と聞かれれば俺は間違いなく彼女の存在のおかげであると返すだろう。

それほどまでに幼い少女が歴史に与えた影響は大きかった。

漆黒の機体を駆り、宇宙で戦っているとき、常に彼女は俺の後ろにいたのだ。

いつも、必ず。

そして今俺はユーチャリスのエステ隊の中でパイロット長を務めている。

地球木星連合宇宙方面軍第一師団第2混成艦隊冥王星方面外宇宙警戒部隊旗艦ユーチャリス所属・飛蝗エステバリス混成機動兵器群第一小隊部隊長って言うのが本当の役職名なのだそうだがいまだに息を切らせずにすべてを言い切ることができない。

というより無駄に長くしすぎだと思う。

艦長のルリちゃんですら極端に切り詰めて小隊長、としか言わないし、この役職名で呼ばれるのは軍の本部に召集されたときぐらいのものだ。

無駄、という意味ではある意味この部隊の存在そのものにも無駄がある。

言葉通り未知の生命に対しての危険性があるからという理由で作られた部隊。

いったいどこの誰が言い出したのか知らないが用は厄介な人間を送る先に困った軍の上層部が考え出した馬鹿な方策に過ぎない。

さっさと任期を終わらせて地球へ帰りたいというのがこっちの部隊に回された人間の正直な心情だ。

もちろん・・・俺も・・・。

「ねえ、アキト・・・。」

ここまで思考が及んだところで壁のむこうからちょこんと出ている顔に気付いた。

桃色の髪がゆらゆらと無重力の空間を漂っている。

空気圧で少しは下に押さえつけられているがそれでも今起きたばかりのような感は否めない。

「どうした?ラピス。」

彼女がこの時間に起きてくることは珍しいことではない。

昼は仕事が詰まっている彼女にとってこの時間は俺と遊べる唯一の時間であるということになる。

必然的に夜になれば俺の部屋にやって来るのが日課のようになっていた。

「うん・・・あのね、アキト・・・中、入ってもいい?」

いまさら何を聞こうというのだろうか?

俺が彼女に対し門戸を閉ざしたことなどただの一度もないというのに。

「ああ、いいよ。入っておいで、ラピス。」

「うん・・・。えっと、お邪魔します・・・。」

お邪魔しますといいながらまるで腫れ物にでも触るようにそこから動こうとしない。

・・・・・・妙に他人行儀だ。

彼女自身に何かあったのか。

それともまた誰かにへんな知識でも吹き込まれたか。

「どうかしたのか?ラピス。」

「アキト、またどこかへいっちゃうの?」

・・・・いよいよわけが分からない。

「行かないよ。どうしてそんなことを聞くの?」

「アキト、今何を考えてた?」

「昔のこととか今後のこととか・・・。」

まさか君のことを考えていた、なんて歯が浮くような科白を言うわけにはいかない。

だが、言葉を聞いたラピスの顔には更なる怪訝そうな表情が浮かび上がった。

「昔の・・・こと?」

「え?・・・うん。」

「アキトはここでの生活はいや?」

じっとこちらを見つめる視線はよそよそしい。

さっき話をしてから数時間しかたっていないのにその間に以前の彼女に戻ってしまったようだ。

「アキト・・・変な顔してる。昔と同じ・・・。」

そこまで言われてやっと思い当たることがあった。

彼女は俺がここでの生活に飽きてきていることに気付いていたのだ。

だからどこかへいってしまうと考えたのだろう。

自分を捨てて・・・。

「ラピス、大丈夫だよ。俺はどこにも行かない。必ず・・・。」

「ほんとに?」

「ああ、離れるものか。ラピスがいる限り俺はここにいる。・・・おいで、そっちは寒いだろう。」

ちぇッ、調子がいい。

結局最後に出てくるのはこんな科白だ。

だがラピスはぱあっと明るい表情に戻り、俺が座っている個室のベッドに駆け寄ってきた。

そのまま猫のように敏捷に俺の隣の席を確保する。

取るものなどいないのに・・・。

「アキト、楽しい?生きててよかったって・・・言える?」

ああ、この子は猫なんかじゃない。

愛くるしい小悪魔だ。

それも・・・とびきり上等の・・・。

「ああ、楽しいよ。前には考え付きもしなかったぐらいに・・・。」

ほら、さっきまでつまらないと考えていたのに、彼女がいるだけでこんな生活も悪くないって思い始めている。

こんなに腕のいい小悪魔、そうそういるもんじゃない。

うれしそうに体を摺り寄せてくるラピス。

その頭を優しくなでてやりながら俺は自分の心が不思議なぐらい落ち着いてきているのを感じ取っていた。

「ラピスを守ってあげられたこと、自分が生きているって実感できたこと、ラピスといっしょにいられること、全部がうれしくて・・・だから楽しいよラピス・・・。」

だから・・・必ず守ろう。

たとえそれによって世界を敵にまわすことになるとしても君だけは必ず守り抜いて見せよう。

愛すべき君だけは・・・。




あとがき。

「隊長、何を考えているんですか、たったの五時間で作戦を完遂させろだなんて!」

「うるせえ、つべこべ言わずにさっさと作戦に取り掛かれ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・五時間後・・・・・・・・・・・・・・・・・

「隊長、間に合いません!」

「目標の様子は?!」

「だめです、反応ありません!!」

「後方に高エネルギー反応確認!収束している?!」

「くっ、ここまでか・・・。」

以上、脳内会話の再現でした。

さて、蒼來様次のネタはどれにいたしやしょう?

1.神々の旋律の続き

2.パラレルをもう一品

3.SEED系の中編

4.姫君の寵愛(外伝)

5.その他(リクエストなどあれば・・・)

あ、選択されたものしか書きませんし無選択はなしですからそのつもりで。すべて自己責任でお願いします。

・・・・・・・・・後ろに立っている人間の殺気がごついので今日はここまでで・・・。

・・・何かミスったかな?届かなかった?



蒼來の感想(?)
まずは御免なさい<(_ _)>
どうも私の方のミスのようで昨日の更新に掲載し忘れたようです。ヽ(TдT)ノ
・・・やはりテッサCG掲載13連発が響いてたか・・・_| ̄|○
ところでダークパラサイトさんはラピス派ですか?
いやね、何かそんなような気がしてね・・・
ロリコンアキトだし(-。-) ボソッ
多分、背後にいる人物は・・・「瑠璃色の髪の人」でしょうねえ〜w
・・・南無(−人ー)
今回は???の姉妹は出ませんよー( ̄ー+ ̄)ニヤリッ・・
ちなみにリクエストは3番でお願いします・・・できればキララクフレで(ヲイ
時間がないのでここらで許してください<(_ _)>