

↑の二つを見て思いつきました。
機動戦艦ナデシコ・パラレル
我が愛すべき家族たちに送る謌
「ねえ、起きてよ、アキト。せっかく久しぶりにみんな一緒に旅行にこれたんだから遊ぼうって行ったのアキトじゃない。」
うとうととまどろんでいたところを女にたたき起こされる。
夢?
はじめはそう思った。
彼女は生きているはずのない存在。
今は・・・遺跡と同化している自分の・・・守れなかった最愛の家族。
それが目の前にいたんだ。
驚くなって方が無理があるだろ?
「お前・・・誰だ?」
差し出された手をつかむことができない。
振り払うようにはねのけ、じっと相手の様子を伺う。
だが、ものの数秒もしないうちに女の目に大粒の涙が浮かび始めた。
「あ・・・アキト・・?わ・・私のことがわからないの・・・?る、ルリちゃ〜ん、アキトがおかしくなっちゃったよ〜。」
大声でもう一人の家族を呼ぶ。
「そんなに大声で呼ばなくても聞こえています。」
強く握れば折れそうな体に麦藁帽子をかぶったルリちゃんがユリカの後ろからひょっこりと顔を出す。
その瞬間俺は理解した。
真後ろにいる人間を呼ぶのにこんな大声を上げるような人間はあいつ以外いない。
いや、一目見た瞬間分かっていたはずなのだ。
この女は、偽者でもなんでもないってことぐらい。
周囲の人間を本能的に疑う癖がこんなところでも出てしまった。
「いや、なんでもないよ、ルリちゃん。ちょっと・・・ユリカをからかってみただけさ。」
「そうですか。・・・ユリカさん、少しからかわれたぐらいで私に助けを求めないでください。」
「へ?そうなの?」
殺気丸出しで相手をにらんでいたことを考えると苦しい言い訳だったが、二人ともそれで納得したらしかった。
ルリちゃんがこっちを見ていなかったのが幸いだったのかもしれない。
彼女がこちらを見ていればこうも簡単にはごまかせなかっただろう。
「ほら、早く行かないと日が暮れちゃうよ〜。」
ユリカはぐいぐいと俺の手を引っ張っていこうとする。
「まだ正午にもなっていませんよ、ユリカさん。」
ちゃっかりj分の分の荷物だけは確保しているらしきルリちゃんが突っ込みを入れる。
うずうずしているのが目に見えて分かり、これはこれでかわいい。
けれど、その光景に涙が出そうになった。
そう、ユリカはいつも強引で、俺を引っ張って連れて行く役で。
ルリちゃんはそれにいつも、どこかあきれたような顔をしながらもちゃんとついてきていて・・・。
手に入れることのできなかったはずの世界がそこにはあった。
「ねえ、ほんとにからかっただけなの?アキト。」
「え?ああ、そうだけど・・・?」
「じゃあ・・・なんで泣いてるの?ぽんぽんいたいの?アキト。」
「いや、大丈夫だよ。」
心配そうな顔で覗き込んでくるユリカに無理に作った笑顔を見せる。
ああ、もしこれが夢なのなら・・・夢でもいい。
神のいたずらだというならそれでもいい。
今このときだけは俺から奪わないでくれ。
俺は今まで信じたこともなかった神に祈った。
それでも涙は後から後からこぼれてくる。
ルリちゃんの心配そうな顔が目に入った。
「大丈夫。これはうれしいときに流れる涙だから。」
抱き寄せ、頭をなでてやる。
「ぁ。」という小さな声とともにルリちゃんの頭は俺の胸の中にすっぽりと納まっていた。
「ちょっ、放してください、アキトさん。これじゃ・・・。」
もがもがと暴れている。
少し・・・くすぐったい。
「いや?」
「う・・・嫌じゃないですけど・・・。」
「じゃあ放さない。」
さらに力を強くしてルリちゃんから脱出権を剥奪する。
「うみゅ・・そ、それとこれとは話が別です。ユリカさんも見てますし・・・。」
言われて横を見れば、尻尾があれば最大限に振られているであろうと思わせるようなユリカの顔があった。
「ユリカもしてほしいの?」
こくこく
首が大きく縦に振られる。
「だ〜め。早く行こう。」
意地悪・・・とすねるユリカ。
以前から何一つ変わっていない光景。
「そうですよ。せっかく休みが取れたんだから皆で泳ぎに行こうって言ったのユリカさんじゃないですか。」
ルリちゃんは始めこそ抵抗していたものの、すぐにおとなしくなってちゃっかり俺の腕の間に居座っている。
「うう〜ずるいよ・・・ルリちゃんばっかり・・・。」
「のの字を書いても今ここは私の席なんです。」
ははっ・・・てきびしいな。
そんなことを思いながらゆっくりと歩を進めていく。
どこかの観光地のホテルらしく、フロントを抜け、外に出たらすぐそこに海が広がっていた。
「うわぁ・・・。」
三人そろってしばしそこで立ち止まる。
きれいな、絵に描いたような海だった。
「海か・・・クリムゾンと戦ったとき以来だな・・・。」
あの時はいろいろあってうやむやになってしまったけど・・・今日は思いっきり遊ぼう。
三人の意見は一致していた。
「行こう、アキト。」
真っ先にユリカが走り出した。
続けてルリちゃん、俺の順番で海へと駆け寄っていく。
持ってきていたパラソルをたて、砂の上にシートを引く。
ズボンを少しあけて確認したらすでに海パンは着用済みだった。
「アキト、早く泳ご。」
同じように下に着込んでいたのだろう。
ルリちゃんもユリカも俺が顔を上げたときには水着に着替えていた。
おそろいの白いビキニが目にまぶしい。
「アキトさん、その・・・変じゃありませんか?」
「うん、大丈夫。すごくかわいいよ。」
くしゃくしゃ、と髪をなでてから俺も服を脱ぐ。
「行こうか、ルリちゃん、ユリカ。」
歩き出そうとして、ふと足が止まった。
一人・・・足りない。
このときにいるはずのない少女であることは理解しているけれど。
それでも自分の大切な家族であるはずの少女が・・・。
そう思った瞬間、世界がぼやけ始めた。
最初は飴細工のようにとろけだすようなイメージ。
そこから休息に霧状になり、霧散していく。
ルリちゃんも、ユリカも。
すべて消えていく。
声を上げる暇もなかった。
「アキト、どうしたの?」
気がつけばいつもの天井が見えていた。
傍らにはほぼ生まれたままの姿の少女。
俺が犯罪に巻き込んでしまい、ともに罪を背負わせてしまった女性。
目の存在価値はもうこの天井を記憶することと、少しずつ成長を続けるこの少女をを認識することにしか使われていない。
「ああ、なんでもないよ。ラピス。」
「?」
「少し・・・夢を見ていたんだ・・・懐かしい夢だった。」
もうほとんど動かなくなった手で少女のほほをなでてやる。
嬉しそうにラピスの目が細められた。
「ユリカがいて、ルリちゃんがいて・・・。」
じっと黙って聞いているラピス。
俺が最後に望んだもの。
最後の家族。
誰よりも大切な少女。
だから・・・・。
「けど・・・それを見て気付いたのかも知れない。」
「なにに?」
「俺が望んでいること・・・。ラピスにしてあげられなかったこと・・・。」
「分からない。」
動けない今では服すら買ってやれない。
食べ物も・・・食料庫にある乾板や栄養剤だけ。
そんな・・・この年齢の少女にあまりにふさわしくない残酷な運命をこの子に強いたのは俺なのに、もう、涙すら出てこない。
ユーチャリスももう動かない。
だから最後にひとつだけ、このこのために。
たとえそれが俺の自己満足であったとしても、俺はこの子を解放しよう。
「ダッシュ、通信コードYSD1986-6537-7659-1376につないでくれ。内容は・・・SOSだ。」
「アキト?!なにを・・・。」
さっきのコードはルリちゃんの乗るナデシコDへの直通だ。
これで・・・この子を開放できる。
「ラピス、よく聞くんだ。俺も・・・もう長くは持たない。・・・だから君を解放する。もうすぐルリちゃんが来るはずだ。・・・彼女なら・・・分かってくれるから・・・。」
泣きそうな顔のラピスが目に入る。
お願いだから・・・そんな顔をしないでくれ。
そう言おうとした時、彼女は部屋から走り去っていってしまった。
どこへ行ったのだろうか。
彼女がいない部屋は何もないから、あまりにも寂しいから。
自分が望んだことなのに俺は陰鬱な気持ちになった。
しばらく彼女は帰ってこなかった。
そして帰ってきたときその手に握られていたもの。
それに俺は顔をしかめた。
長年の戦いでぼろぼろになった黒いマントと彼女がアカツキからもらい育てていた白い花。
彼女が毎年種をとり、大事に育ててきた花。
「アキト、私のこと嫌い?」
ラピスの目には後から後から涙があふれてくる。
大粒の涙が床に散った。
俺のせい・・・なのだろうな、やはり。
昔から人を泣かせてばかりだったから。
「嫌いじゃ・・・ない。嫌いなものか・・・。」
「私はアキトのことが好き。・・・いっしょにいたい。」
告白・・・なのだろう。
普段感情を表さない彼女にしては珍しいが・・・そんなことは言葉にされなくても知っている。
「なら・・・おれがいいたいこともわかるだろう?」
フルフルと首が横に振られた。
「これ・・・アカツキさんにもらった花。」
「知ってる。」
「フウセンカズラって言うの。・・・面白い実をつけるの。」
そんなことを言っていた気もする。
「アカツキが・・もしアキトに捨てられそうになったらこれを渡せって。」
どういう・・・ことだ?
アカツキは何を・・・。
「私はアキトといっしょにいたい・・・。」
ふぁさ、とマントがかけられた。
即座に周囲にフィールドが形成され始める。
ボソンの輝きが懐かしかった。
その上に白い花が乗せられる。
そして、少女の重みがその上に・・・。
感触など分かるはずがないのに俺はその重みを確かなものとして受け入れた。
「ごめんね、アキト。」
そんな声が聞こえた気がしたが・・・それも気のせいだったのかもしれない。
数日後、冥王星付近を漂っていたユーチャリスは無事に保護された。
だが、そこには生命反応はなく、艦内に所狭しと咲き乱れるフウセンカズラと、つい先ほどまで人がいたかのようなひとつの部屋だけが残されていた。
そして・・・2196年
彼の物語は再度始まった。
桃の少女を連れた青年はどこへ行くのか。
答えは神のみぞ知る。
フウセンカズラ
花言葉は・・・あなたと飛び立ちたい。
あとがき
ふははははは、私の未来予知能力をなめるな!!
蒼來殿があの駄文にその1とつけることなどすべて予想されていたことなのだよ。なあ、エルザ。
「ピー、ガガ・・・うるさいロボ。あわてて描いた阿呆が何を言うのやら・・・ロボ。こんなものを書いている暇が有ったらさっさと長編を進めるロボ。」
むう、そこまで言うなら仕方がない、今日はこのフリーゲームをやった後で・・・って・・・ん?
「我、埋葬にあたわず!!(ディグ・ミー・ノー・グレイヴ!!)」
作者行方不明
ですがネタが分かる方はご一報を。書かないとも限りません。
蒼來の換装(激マテ)
・・・ネタ思いっきりわかるんですが・・・(⌒▽⌒;ゞ
そんなに作品の数増やして大丈夫?[壁]`∀´)Ψヶ〜ヶヶヶヶ
この「パラレルシリーズ」(短編じゃあなく強制的に長編にw)に「神々の旋律」と「姫君の寵愛ー外伝ー」とシリーズ3つじゃあないですか。
まあこの「パラレル」から「ナデシコ逆行物」と「デ○○○べイン物(間違いかもw)」も発生してるしなぁo(*^▽^*)oあはっは♪
まあ、このCGみたらラピスを取る蒼來ですがこれ呼んだら益々・・・w
まだCG乗せてないのもありますんで近い内に少しずつ乗せてくか・・・パラレル増えるし(⌒▽⌒;ゞ
ああ、メールに書いてあった件、詳細に報告するように!!(ヲイ
後それがホントなら風邪ひかないように伝言お願いしますね(−−;
ではエールに換装して・・・逃走ε=ε=┏( ・_・)┛ すたこら
☆(((≪*☆*BOMB*☆*≫))) ☆
グハァァァァァッ!!(空中に吹っ飛ばされて、脳天から豪快に車田落ち!!)・・・ピクッピクッ(痙攣中)&血の海(合掌)+(血の海で溺死中)
???「・・・ったく、ろくに換装書いてないじゃあないか」
???「お姉様、幾らなんでも、ローエングリンでの攻撃は遣り過ぎですわ。ついでに漢字も違います。」
???「逃げる蒼來が全て悪い!!(断言)」
???「まあ、そうですわね・・・でも私達姉妹を此処で出すのは・・・」
???「ああ、自分で首絞めてるな・・・光始末記も出来ていないそうだしな」
???「ええ、発想も貧弱なのに色々手出してわ沈んでるくせに・・・」
???「あ、皆御免な〜このSSの感想はダークパラサイトさんのメールに出してくれよな」
???「ええ、ぜひお願いします。それと私達は当分「蒼來の感想(?)」でしか出てこない予定ですが、機会があれば蒼來のSSで出るかもしれませんので・・・」
???「SSが出るかどうか怪しいがな!」
???「そうですわね・・・駄目人間ですから」
二人「ではまたあとがきでお会いしましょう!!」
・・・・・・・・・・・・血の海に沈む物体のみが残された・・・・・
