快晴で蒼い色が空一杯にひろがっている、オーブの海岸沿い。
僕は、この海岸沿いの道路を車で通っている途中だ。
隣の助手席には・・・この陽気に誘われて、いつの間にか眠ってしまった彼女-眠り姫-が居る。
穏やかな顔の眠り姫を見て、微笑ましい感じが湧き上がった。
その感じと共に、ちょっとした悪戯心も。
(・・・少し、窓と幌を開けてみようかな?)
そんなことを思いながら、快晴の太陽の下を通り抜ける。
さてと、今日はどこまで行こうかな?
Blue Sunshine
(ガンダムSEEDとB'z[Blue Sunshine]のクロス?)
write by 蒼來(ソウライ)
「んもう!人の寝顔見るなんて、キラってヒドイわっ!」
「ごめんごめん、ついね。」
窓と幌を開けてから少しの時間で、彼女は目覚めた。
30秒ぐらい寝ぼけていたと思う。
だが、彼女が状況を把握したと思った瞬間、頬をリンゴの様に赤くして抗議してきた。
寝顔を見られたのが恥ずかしくて、本気で怒ってないのは明らかだ。
「可愛い寝顔だったよ、フレイ」
「〜〜〜〜〜〜〜!もう、知らない!!」
僕の言葉に、フレイは先ほどより更に頬を赤くしてた。
そして、『ぷいっ』という可愛い擬音聞こえるぐらいの速さで、顔を背けてしまった。
そういうところも可愛いし、愛おしくも思う。
耳を澄ますと、フレイが顔を背けたまま、ブツブツ独り言を言っている。
「・・・キラってずるい・・・あんな笑顔で『可愛い』言われたらもう・・・自覚なしでやって天然というのはわかってるし・・・
ん?・・・まさか、カガリやラクスとかにも同じこと言ってるのかしら?・・・なんか段々ムカついてきたわ・・・」
(・・・えっと・・・カガリやラクスとドライブなんて来たことないんですけど?)
そう思いながらも、何故か冷や汗が背中を滑り落ちる。
(機嫌が直るまで運転に集中しよう!!うん其れが良い!!だけど、機嫌が直らなかったら如何し様?!!)
不安を抱えながらも運転に集中しようとした・・・『逃げたな』とかは言わないでね。
10分程走ると、穏やかな風が吹いてきた。
「ん〜いい風」
隣からフレイの声が聞こえたので横を見てみると・・・
彼女の長く赤い髪が風に揺れて、太陽の光あたっていて・・・
ハッキリ言って数秒だが、見とれてしまった
「綺麗だ・・・」
自然にその言葉が出てきた。
「えっ?!」
フレイが驚き、顔を僕の方に向ける。
僕は慌てて前を向き、何事もなかったような態度を取り繕う。
「キラ?今なんて言ったの?」
フレイが聞いてくるが
「えっ?何か僕、言った?」
と知らない振りをする。
「ん〜と、何か聞こえたような気がするんだけど?」
「気のせいじゃあない?」
内心はドキドキだが、バレてないようなのでそのまま押し通すことにした。
「気のせいかなあ〜?」
さっきの言葉は、聞かれなかったようだ。
内心でほっとし、車を海岸沿いの駐車スペースに入れて止まった。
「さて、これから如何し様か?」
とフレイに尋ねると、
「そうねえ・・・うん、キラにお任せするわ。」
とのお言葉。
「それじゃあ・・・もう少しこの辺りを車で走って、何処かで食事しない?」
「ええ、それでいいわよ。」
彼女から即答で了解が出た。
それじゃあ行こうかと、車を動かそうとした瞬間・・・
「後で、さっきの言葉をもう一度言ってくれるまで、問い詰めるからね?」
僕の肩辺りまで顔を近づけて、フレイはそう言った。
そのときの顔は・・・頬が赤く染まってはいたが、可愛い小悪魔だった。
「ゑっ?!」
(・・・き、聞こえてたんだ・・・)
僕はワタワタと焦る。
「バッチリ聞こえてたわよ?」
彼女がニッコリ笑う・・・もちろん至近距離で。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!!」
もう何がなんだか・・・顔が熱くなってくるのが、わかるだけの状態に。
「今日はもう一度言ってくれるまで、逃がさないわよ?・・・もちろんお泊りしてでも。」
先ほどより更に頬赤く染めながら、上目遣いでそう言って来るフレイ。
(・・・ホント、フレイには敵わないや)
Fin
おまけ
オーブ官邸(?)でのできごと。
カガリ 「まだキラとフレイは戻ってこないのか?」
アスラン 「ああ、さっき連絡があって海岸近くのホテルに泊まるそうだ。」
カガリ 「・・・本当か?」
アスラン 「ああ・・・どうしたんだカガリ?」
カガリ 「どうしたもこうしたもない!!」
アスラン 「???」
カガリ 「・・・ラクスにはどう説明するんだよ?!」
アスラン 「・・・!!!」
キサカ 「代表、歌姫が面会を求めてますが・・・どうかしたか?」
アスラン 「・・・・ええ?!」
カガリ 「もう来たのか・・・短かったなあ私の人生も・・・」
キサカ 「???どうしたのだ?カガリは?」
アスラン 「今、ここにキラが居ないんです。」
キサカ 「?ヤマトが居ないのがまずいのか?今日明日、彼は休日だから、おかしいことなんぞないが?」
アスラン 「フレイ一緒なんですよ、しかもホテルでお泊りだそうです。」
キサカ 「まさか・・・?」
アスラン 「そのまさかです。ラクスもキラに惚れているんです。」
キサカ 「なっ?!!」
カガリ 「逃げるぞ、アスラン!!私は逃げる!!」
キサカ 「お待ちなさい!!そんなに怯えることは・・・」
アスラン 「・・・最終決戦前でフレイをキラが助けた時覚えてますか?」
キサカ 「ああ、おぼえ・・・・・・って?!」
アスラン 「あの時のラクスの黒オーラがトラウマになってるんですよ、カガリは。」
キサカ 「なるほど・・・しかし君はなんともなさそうだが?」
アスラン 「・・・慣れていますから・・・」
キサカ 「・・・・・・・・」
カガリ 「アスラン!!キサカ!!くだらない事はな「すみません、待ち疲れてしまったので来てしまいましたわ?」・・・ら、ラクスぅぅぅぅ?!!」
男2人組 「?!!!」
ラクス 「あら?どうかしましたか?」
アスラン 「・・・いや、なんでもないよ。」
ラクス 「そうでしたか・・・あら?キラは不在なのですか?」
アスラン 「ああ、キラは今日出かけて居ないよ。」
ラクス 「そうでしたか、タイミングが悪かったのですね。」
アスラン 「ああ・・・」
キサカ 「ん?電話が鳴ってるな?・・・はいこちらはオーブ官邸代表執務室・・・ハウ?」
カガリ 「ん?ミリィか?電話代わるぞ。・・・カガリだ。」
ミリィ 『あ、カガリ久しぶり。そこにキラ居ない?』
カガリ 「キラなら居ないぞ?今日明日とお休みだ。」
ラクス 「あら、お仕事で出かけられたんではないのですか?」
アスラン 「ああ、休日で出かけてると言う電話貰ってる。」
ミリィ 『あ、そっか。確かフレイとデートだったっけ?』
カガリ 「ああ、そうだ今日はフレイとデート「カガリさん!!」・・・うぇ?ってラクス?!!」
ミリィ 『ラクス?・・・やば、今居るの?!』
カガリ 「あっ、ああ・・・・ってやばい!!」
アスラン 「落ち着けラクス!!」
ラクス 「・・・ふっふっふっ・・・そーですか、キラはフレイとデートなんですね・・・ふっふっふっ」
キサカ 「落ち着いてくれ、クライン嬢!!」
カガリ 「た、助けてくれ!!ミリィ!!」
ミリィ 『・・・無理。しかも自業自得でしょ?」
カガリ 「お前がフレイの名前を出さなきゃあ、バレなかっ・・・って切るなよミリィ!!おい、ミリィ!!」
ラクス 「カガリさん!!」
カガリ 「はい!!」
ラクス 「アスランとキサカさん、それにオーブ軍をお貸し願えませんか?」
野郎2人 「なっ?!」
カガリ 「アスランとキサカはいいが、オーブ軍はまずい!!」
野郎2人 「カガリ?!!」
ラクス 「では情報をお願いいたしますわ。」
カガリ 「ワカリマシタ!!」
ラクス 「ではお二人とも、キラを探しに行きましょう?」
野郎2人 「は、はいぃぃぃーーーーーーー!!!」
オーブ三人組「(恨むぞ、キラぁぁぁ!!)」
ラクス 「ふっふっふっ・・・負けませんわよ!!フレイさん!!」
終われ
あとがき
・・・・・・・・・・・・・・砂糖を大量に吐きました・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ついでに背中が可也痒いです・・・
・・・・・・・・・・・・・・アホだ俺・・・・・
流れはB’zの曲「Blue Sunshine」の歌詞を参考にしました。
微妙に前の短編後になってると思いますが・・・ツッコミはなしの方向でお願いします。
ちなみに幌とはオープンカーとかで屋根になるシートの事を指してます。
間違っているかもしれませんが、シートではわかりにくいので・・・
