穏やかな春のあたたかい日のことでした。平凡な暮らしを送るメルバ君は、愛する奥さんといっしょに、南の島にピクニックに出かけました。得意なギターを弾きながら、とても楽しいひとときを過ごしていました。
ところが、そこに突然、あの凶悪な大悪党クラッチスが現れたのです! メルバ君はぶっとばされ、気がついてみると奥さんは連れ去られてしまったあとでした。
「親愛なるメルバ君、君の奥さんは私があずかった。助けたければ、われわれの隠れ家まで来ることだな!」
必死にあとを追いかけたメルバ君は、落ちていたビンの中から一枚の地図を見つけました。この地図をたどっていけば、クラッチスの隠れ家がわかるかも……。こうしてメルバ君の冒険は始まったのです。
(PCE版説明書p.4より引用)
ビルダーランド(BuilderLand: The Story of Melba)は、歩き続ける主人公の「メルバ君」が段差に立ち往生したり火の海に落ちたりしないように、階段を設置したりブロックで穴を塞いだりしてゴールまで導くという、サイドビューのパズルゲームです。
日本ではPCエンジン(以下PCEと表記)のSUPER CD-ROM²で発売されました。
ビルダーランドは、元々は1990年から1991年にかけて、LoricielによりAmstrad CPCやAmiga、Atari STでリリースされたゲームです。
(現在確認中ですが、Amiga版(1991年)はAtari ST版(1990年)の移植、という位置付けのようです。)
PCE版は1992年、Micro Worldより発売されています。
このゲームは基本的に強制スクロールですが、3つのポーズ操作が用意されています。
PCE版では下表の通りとなります。
RUNボタン | 完全ポーズ。カーソル等を動かすことはできない。残り時間は減らない。 |
IIボタン | エレメントセレクト。メルバ君はストップ(スクロール停止)。残り時間は減り続け、敵も止まらない。 |
SELECTボタン | 使用アイテムセレクト。メルバ君と敵がストップ(スクロール停止)。残り時間は減らない。 |
PCE版をプレイする場合、RUNボタンによるポーズは封印することをおすすめします。
なぜならば、RUNボタンによるポーズを解除する場合にもRUMボタンを押すことになるのですが、その直後にアイテムを使おうとしてSELECTボタンを押すと、RUNボタンとSELECTボタンが同時に押されたと判定されて、PCEの仕様によりゲームリセットがかかってしまうことがあるからです。
(これで何度も泣きました……。)
スクロールを止めてじっくりと戦略を練りたいときは、RUNボタンではなくSELECTボタン(使用アイテムセレクト)でポーズをかける方が安全だと思います。
このゲームは海外でも「difficult」(難しい)という評価を受けているそうですが、その難しさは「登場するアイテム等の種類の多さ」に因るところが大きいと思います。
私が確認した限りでも、エレメント(動かせる地形等)が11種、アイテム(取得して使用する)が18種あります。
パズルゲームとしては明らかに多く、しかも説明書で効果が説明されていないものが少なくありません。
当サイトでは各ステージの攻略マップだけではなく、それらの内容もデータ集としてまとめました。
攻略の際の参考になれば幸いです。
ビルダーランドでは、各ステージの途中にそれぞれ5つ程度のリスタート地点が設けられています。
全てのリスタート地点から「次のリスタート地点」か「ステージ大ボスの砦」に辿り着くことができました。
(すなわち、「詰み」の状態にはなりません。)
安心してチャレンジすることができる、良作パズルゲームだと思います。