「いいか、先生。こういうのは気合いが大事なんだ」
「気合い……ですね」
「まず掌に『海』と3回書いてだな…」
「『人』じゃなかったですか?」
「『海』でいいんだよ。俺は海賊だからな」
「はぁ……」
(……そんな物でしょうか?)
「で、『海』って書いたら、それを飲み込む。
これで気合は十分だ」
「『海』、『海』、『海』……と」
飲み込むアティ。
「……い、いきます」
「おう」
身構える2人。
「カ……カ……カイりゅ……ひゃん!」
舌を噛んだアティ。
「またかよ。……これで?????回目だぜ?
いつになったら、俺のこと『さん』なしで呼べるんだ?」
「むぅ……カイルさんだって、私の事『先生』って呼ぶじゃないですか。
おあいこです」
「あいこじゃない」
「じゃ、私の事も『アティ』って呼んで下さい。
私の名前は『先生』じゃないですよ」
「うっ……」
じっと睨むアティ。カイルたじたじ。