「「不公平だ」」

「は?」

金髪の青年と、青い髪の少年に両手をつかまれて、は身動きが取れない。
ついでに言うのなら、何が『不公平』なのかもわからない。
わからなかったので、はきょとんと瞬き首を傾げる。

「何が、ですか?」

知らずに二人を傷つけていたのなら、態度を改めたい。
共に戦う大切な仲間なのだ、1歩づつであっても近付きたいし、分かり合いたい。

至極真面目に聞き返す黒髪の少女に、青年と少年は顔を見合わせて――――――ため息をついた。

やはりというか、なんというか。

この少女には通じていない。

2人同時にため息をつかれたは、やはり意味がわからず瞬くばかり。

「イオスさん? ロッカさん?」

2人の顔を交互に見比べて、それから首を傾げる。

「『それ』だよ」

「……です、ね」

「はい?」

首を傾げるには通じていない。
きっと、気付いてもいない。

なぜ自分たちを呼ぶときは未だに『さん』が付くのだろうか。――――――というよりも、何故彼だけは呼び捨てにしているのだろうか。

少女自身も気付いていないだろう『使い分け』

それが青年と少年には非常に気になった。







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 後書きの類似品。

 エイプリールフール企画に書いた2作のうちの1つ。
 公開は4月1日だけだったのですが…折角なので、再アップです。
 出番があっても妙に報われていないイオスと、『良い人』で終わらせられそうな(爆)ロッカ。 果たして彼らに日の当たる日は訪れるのか? いや、地味に訪れるはずですが…(地味に?) 横からリューグかルヴァイドに攫われそうなのはご愛嬌ってことで(苦笑)

 ……あ、2人とも槍使いだ(なんの関係が)

(2004.04.18.UP)