「ほれ。ちょっと持ってろ」

 リューグに差し出された『白い毛玉』を、は反射的に受けとってしまった。
 の掌に乗るサイズの『白い毛玉』
 その暖かで柔らかなぬくもりにが首を傾げると、突然『白い毛玉』はもぞもぞと動き出した。

「にゃぁ」っと一声鳴いて、掌という足場にバランスを崩した猫が落ちそうになる。
 それをが胸に抱き、猫はそこに張りつくような形で落下を免れた。
 幸いなことに爪が伸びていないのか、張りつかれても痛くはない。

「この猫…どうしたんですか?」

 もっともな疑問をリューグにぶつける。―――――と、別な言葉が返ってきた。

「この屋敷って、救急箱どこにあるんだ?」

「そこの棚の、上から2段目です」

 あっさりと質問を無視されたが、まあいつものこと。
 とくに気分を害することもなく猫を抱いたままが答えると、リューグはすぐに目当てのものを見つけた。
 棚から救急箱を取り出し、に向き直る。

「ほれ、胸をだせ」

「は?」

「いや、だから……さっさと胸を出せ」

 言って、リューグは猫を見る。
 の胸に張りつくように抱きついている、白い仔猫。

 そう、胸に。

 まじまじと猫――――――との胸を見つめ。

 それから、自分の言葉の意味をさとり――――――

「おっおまえのじゃないぞ!?」

 などと大声で否定をしてくれた。

 確かに、最初の言葉にそんな意味はなかったのだろうが……現在の赤面した顔には説得力がない。
 もつられるように頬を染め、猫の胸を見る。

「……猫には優しいんですね」

 小さな猫の、小さな傷跡。
 これを見つけたから、普段は家にいれない野良猫をつれてきたのだろう。

「うるせぇ」

 以外そうに目を丸く見開くに、照れ隠しかリューグはそっぽを向いた。







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 後書きの類似品。

 00話終了の現時点では……出番はあと3回話あと、のリューグ。
 ミニ劇場ならではの、フライング(笑)
 あと、基本的には逆ハーでいくぞ、っていう……自分への決意表明です。(そのわりにミニ劇場って、ルヴァイド率高いですが)まあ、そこはそれ。書き手の愛と趣味と妄想と暴走。

 どうでもいいけど、ミニゲームの猫も立派なストーカーですよね(笑)

 そういえば、ここで猫ネタをやったのは……護衛獣(?)をどんな形(姿?)にしようかと……チャットで「猫とロデム(黒豹)とムックル(虎?)どれがいい?」 って突発会話からです。 ここで「猫」になれば……この会話は本編用だったのです(苦笑)

 そしてさり気なく……胸ネタ第三段。

(2004.03.28UP)