「ひゃぁ!?」

 奇妙な悲鳴を上げて、は背筋を伸ばす。
 それから犯人を確かめようと、失礼ながらも両サイドに立つイオスとルヴァイドを見た。
 2人とも、アメルに頼まれた本日の夕食の材料を持っていて、両手はしっかりと塞がっている。

 ではいったい誰が―――――自分の胸を鷲掴みにしているのか。

 振り向いて確かめるよりもさきに、犯人の満足そうな声が聞こえた。

「ん〜確かに、立派なものね」

 家主こと、トリスの先輩にして獣属性の召喚師。
 自らも『立派なもの』を所持しているその女性は、ぴったりとの背中に張りつき、その胸を―――揉んでいた。

「ミ…ミモザさん……?」

 普段、自分ですらも触れないそれを、さわさわとまさぐられる奇妙な感覚に、はなんともいえないような情けない顔をして抗議の声をあげる。
 が、そんな声に耳を傾けるミモザではない。
 逆にの反応が面白いらしく、単純に大きさをはかるための手の動きを――――別な動きに変えた。

「ひゃわ〜〜〜」

「うふふ。可愛い声ね〜」

 頬を赤く染め、瞳にうっすらを涙を浮かべる様は…同性のミモザから見ても愛らしいく、また『妙な気分』にさせるには十分な雰囲気を持っていた。

「そんな顔、ベッドの中でしか見せちゃダメよ?」

 などと耳元で囁きつつも、手の動きは止まらない。

「ああ、もう〜可愛いわね。『コレ』がいつかそのへんの男のモノになっちゃうかと思うと……」

「いっそ私が」と、さらに物騒な言葉を続ける。

「そんなに大きくないです、普通ですっ」

 少々話はずれ始めているのだが。
 は同意を求めるように、イオスを見る。
 その視線を受けたイオスはというと――――――顔を赤くして目を反らした。

「僕に聞くな」

 正確には、妙な雰囲気を持つの顔が直視できなかっただけなのだが。

「ルヴァイドさ〜ん」

 イオスに見捨てられた気分で、今度はルヴァイドを振り返る。
 なんとも情けないの声に苦笑をもらし。
 黒騎士は己の手を見つめ、それからミモザのするがままに形を変えているの胸を見つめた。

 そして一言。

「ちょうど良いのではないか?」


 ―――――――何を基準にしたのかは謎。







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 後書きの類似品。

 胸ネタ第二段…ですか?
 結構楽しんで書いてます(笑)
 そしてやっぱりルヴァイド氏がむっつりに(爆笑)
 ミニ劇場を読むと、ルヴァイド氏のイメージが変わるそうです(笑) でも、自分の手のひらのサイズと見比べて「ちょうど良い」とか言うあたり……(待て) 逆ハー(?)は着実に進んで……

(2004.03.28UP)