クラトスはコレットの症状をどこまで知っているのだろうか。
コレットの症状が、かつてマーテルが患った病気と同じという事をは知っている。
クルシスの輝石による寄生は、コレットから味覚や痛覚などの人間性を奪い、かわりに睡眠を必要としない体、普通ならば聞こえないほどの音を拾う聴覚を与えていた。その症状がさらに進み、体が輝石化してくるのはまだ先のことではあるが、水の封印を解放してある今、コレットはロイドの横で眠っている『ふり』をしているはずだ。
変わりゆく自分の体を仲間たちに悟られまいと、『普通の人間』を演じて。
それを踏まえて、は考える。
クラトスは『どこまで』知っているのか、と。
同様、コレットが起きていることを承知で手を伸ばしているのだろうか。
それとも、病気の存在を知りつつも、コレットの身におきている変化には気がついていないのだろうか。
いずれにせよ、自身がコレットが起きていると承知でクラトスの手をとっていることに変わりはなかったが。
「……ん、ふぅ」
声をひそめて睦みあう。
僅かにもれた声に、クラトスが眉を寄せた。
間を置かず、クラトスの唇がの唇を塞ぐ。
『声を出すな』という意思表示。
時々もれる甘い吐息すらも互いの口内に閉じ込めて、貪るように求めあう。
仲間達は深い眠りの中。
昼間の疲れもあって、余程のことがないかぎり起き出す心配はない。……とはいえ、あまり大きな声は出せなかった。
クラトスは見張りを兼ねて起きている。
無防備に横たわる仲間達から遠く離れることはできない。
今もノイシュを枕に眠るロイドとコレットの頭が見える距離で、クラトスはに手を伸ばしていた。
かすかにはだけた服の隙間に手を入れ、まろやかに膨らんだ双丘を揉みしだく。
指先に感じる突起を摘むと、今度はがクラトスの唇を塞いだ。
そうやって互いに声を出さないように、漏れる言葉を口付けて飲み込む。
夜の静寂を支配しているのは、触れ合っている肌から聞こえる互いの鼓動と、下腹部からの淫らな水音。
クラトスの『男』を飲み込むの『女』。
絡み付く水音と『中』を掻き回す熱に、『コレットは起きている』と知りながら、はクラトスの『男』を締め上げた。
「……クッ」
短く漏れたクラトスの声に、ぴくりとコレットの頭が揺れる。
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