『パスルゲーム』



 まるでパズルの最後の1ピースが埋まったような気分。

 その『言葉』は、かちりっとの心にはまった。

 『そう』聞いてしまうと、『そう』としか思えない。
 ソレほどまでに『その言葉』はの持て余している『感情』を言い表すのに、的を得ていた――――――ような気がする。

「そ……そう……なんですか?」

 ほんのりと頬を染めて呟く。
 ちらりと視線をトリスに向けて、それからアメルに移した。

「そんなこと、あたし達に聞かれても……」

「そうですよ。結局はさんの気持ちなんですし……」

 の困ったような視線を受けて、トリスとアメルは顔を見合わせた。

 時々思うが。
 のこの可愛らしさはなんとかならないものだろうか。
 トリスもアメルも、彼女が同性であるとは自覚している。
 が、今回のように可愛らしく頬を染め、下から見上げられた日には……独占はできなくとも、他の男たちに彼女を譲り渡す気にはなれない。
 むしろ、同性であることを武器に、より多くの時間を過ごしたいとさえ思う。

 そしてそれえを実行するには――――――

「……私……マグナさんのことが『好き』なんでしょうか……?」

 ―――――マグナが邪魔だった。

 そういった方向に話しを振ってきたくせに、急に2人して何やら相談をはじめた友人に、は首をかしげる。
 それからもう一度、さきほどの『言葉』を心の中で反芻した。

(私が、マグナさんを、好き――――――――――――――

 瞬間。
 ぼっと赤面したに、アメルとトリスは苦笑いを浮かべるしかなかった。

 すなわち。

((気づかせるんじゃなかった))

 っと。


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