「ククール、君が好きだよ」
暢気な告白に頭が痛む。
「悪いけどさ。俺はお前と違って先が長くないんだ」
「知ってる」
「だったら俺の言いたい事分かるよな?」
「分からない」
「お前なぁ…」
「何で産まれた時間の差で好きな人、諦めなくちゃいけないの?」
少し怒ったような、だけど幼さを含む口調とその内容に
ククールは思わず言葉につまる。
「それともククールは俺の事嫌い?」
「嫌いって、んなワケねーだろ…」
ああ、嫌いって言っておけば良かったかもと思った所で既に遅い。
その答えだけで目の前の少年は悟ってしまう。
「じゃあ、好き?」
「だからさー…」
「今ここで俺を喜ばせるのが残酷だと思ってるみたいだけど」
エイトはその肩に手をかけ、精一杯の力でククールを自分の方へと引き寄せる。
二人の距離がぐっと縮まる。
逸らすことなく自分を見つめてくるエイトの前で迷い揺れる空色の瞳。

「本心伝えて貰えないまま先立たれる方がよっぽど残酷だよ」




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