「兄貴にエイト、こんばんは!」
ククールは爽やかな笑顔で今しがた第1ラウンドを終えたばかりの
夫妻の上(正確には妻の真上)に降り立った。
「貴様…今何時だと思っている?そしてルーラでいきなり寝室とは
 到着場所を間違えたのか?」
M字額に怒りの象徴が浮かぶ兄と
「こんばんはククール。遊びに来てくれたんだ」
第1ラウンド如きでは疲れの片鱗も見せはしない兄の旦那であるエイトは笑顔。
「エイト殿!こんな夜に遊びに来るなど非常識極まりな…」
「だからその夜の遊びに混ぜて欲しくて来たんだよ」
ククールは悪びれもせずに大問題発言。
「なっ…!!」
「3Pだね」
さらりとエイトも大問題発言。
「心配しないで兄貴。兄貴からエイトを奪うわけじゃない。
 ただ俺がほんのちょっとだけ3Pに興味があるお年頃なんだ」
「そんな年頃があるか!!…ただ単に貴様が見境なく盛っているだけだろう」
「タネ…はちょっと貰うかもしれないけど絶対受精しないから!」
爛々と目を輝かせるククールに対してその下の兄はあくまで氷の眼差しだ。
「職業『お嬢様』とは思えない発言だな。幾ら肩書きは立派でも所詮…」
「ところで俺、兄貴相手には攻受どうしよっか?兄貴の好きなほうでいいよ」
「人の話を聞け!!貴様何を考えて…!」
と、その身体がマルチェロの上から剥がされエイトの腕の中におさまる。
彼の身体はククールよりも小さいというのに、どこにそんな力があるのか。
その金の飾りが揺れる白い耳朶に口唇寄せ、ちゅ、と音をたてて口付ける。
「っ…!?」
「ククールも許可なく人の奥さんに手を出さないでね。
 心配しなくてもこれからたっぷり相手してあげるから。ね?」
「あ、ああ…すまなかったな」
口調は子供に言い聞かせるかのような穏やかさだが、
その奥の超攻絶倫オーラを感じ取ったククールは思わず身体を震わせた。


〜釣り馬鹿日誌的事情につき一部省略〜


「兄貴…毎晩あの人の相手してるんだ…やっぱり兄貴は凄いや」
夫妻の寝室を後にしたククールは明日は仕事は病欠を心に決め
その場に崩れ落ちそうになる身体をどうにか自室まで運んでいった。




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