ルヴィア嬢短編劇場 ギャグ

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目次

ルヴィアゼリッタでD・V・D!!

「だからどうしてくれんだよ遠坂ぁ!!」
「ご…ごめんなさい わたし…」
「ごめんですむかよ!! 見ろよこれ」
「で…でもぉ」
「ミス・トオサカ…どうかしたの?」
「遠坂が踏んで壊しちゃったんだよそのエア!! 俺がちょっぱってきたやつ!!」
「ごめんね士郎 わたし 弁償するからさぁ」
「そうね…私もお金を出すわシェロ いくらくらいするものなの? これ…」
「フン!! お金なんてもらってもダメだね だって俺ら買えねぇもん 宝具だし
 ギルガメッシュの兄ちゃんから奪ったんだ 弁償なんてできっこないだろ!!」
「ミ…ミス・トオサカ あなた あんなの壊したのですか?」
「…」
「そうだ!! あんたでいいや」
「え…」
「あんたがこのエアの代わりをしてくれたら 弁償しなくていいよ
 おい遠坂 この人の名前は!?」
「……… ル…ルヴィアゼリッタ」
「ルヴィアゼリッタ 髪の毛貸せ!!」
「えっ?」
「髪の毛だよ 早く!!」
「は はい…」
「ル… ルヴィアゼリッタ」
「ミ…ミスタ・エミヤ やっぱりやめましょう こんなこと…ね」
「ダメだ!! だったらこのエア直して空間切断できるようにしてくれよ
  ド・リ・ル!! ド・リ・ル!!」

爽やかな休日

 芝生にシートを敷いてから、雲一つない空を仰ぎ見た。まぶしく笑う太陽と目が合った。土と緑の香りがする風の中、ごろんとシートに寝転んだ。最高だ。気持ちがいい。んーとめいいっぱい伸びをすると、楽しそうな顔が視界に入った。
「なによ、ルヴィア。文句あるの?」
「まさか。気持ちよさそうで羨ましいですわ。ただ、お臍が見えているって気付いてまして?」
「いいじゃない。あんたしか見てないんだし」
「もうすぐシェロ達が来ましてよ?」
「……来たらなおすわ」
 生憎わたしはあんたみたいにお嬢様じゃない。せっかくバカンスに来てまで優雅に猫かぶってるなんて、勿体ないことはできないのだ。むしろこいつももっと羽目を外した方がいいと思う。いかにもお貴族様って感じでちょこんと座っているけど、くつろぐって言葉を知らないのか、あんたは。
「十分くつろいでますわ。だらけていないだけです」
 ちょっと、どういう意味よ。

 しばらく寝転がりながらぼんやりとしていた。ルヴィアゼリッタは魔法瓶のアイスティーを飲んでいる。何となくその顔をじっと見てみた。認めるのは悔しいけれど、やっぱりこいつ、美人だ。
「……って、ちょっと、あんた顔赤いわよ」
「え?……まさか。そんなはずありませんわ」
「いいえ。じっとしてなさい。――ほら、やっぱり熱がある」
「な、何でもありませんのに……」
 ルヴィアゼリッタの身体は火照っていた。少しだけだが息も荒い。そういえばさっき、ふらついていたような気もする。これでいつも通りなんて、信じられるはずがない。……でも、黙っていた理由はよく分かる。確か、最近は朝から晩まで工房に籠っての毎日だったと聞いている。久しぶりの休暇をとても楽しみにしていたであろうことは、想像に難くない。
「そう、大丈夫なのね?」
 仕方がない。ここは見のがしてあげるとしよう。本人が大丈夫だといってるのだ。それほどひどくはないのだろうし。
「わかったわ。大丈夫じゃなくなったらいいなさいよ?」
「……ええ、ありがとう」

 その後すぐに士郎とセイバーがやってきた。つりを楽しんできたらしい。マス科だかサケ科だかの魚をバケツに一杯にして自慢しているセイバーは可愛い。思わず撫で撫でしたくなる。王様になる前はわんぱくな娘だったのだろうか。
 士郎はというと、それはもう嬉しそうに料理の準備を初めている。特製らしいニジマスの油をのせた塩とやらを使って、究極の焼き魚を作ってやるから待ってろとはしゃいでいる。家族サービス中のお父さんみたいだ。
 そんな微笑ましい光景の中、ルヴィアゼリッタだけが浮いていた。ちょっとふらふらしてるし、顔が赤いのも治ってない。だけどわたし以外は気付いていないようだし、しばらく休めば持ち直すかもしれない。こっそり近付いてそう提案すると、彼女は渋々と従った。なぜか休む前に士郎を恨めしげに睨んでいたけど。

 そうそう、今日は朝から一つだけ気になったことがあった。今もどこからとも無く聞こえてくる、モーター音らしきものはなんだろう?
「――ふぁっ、ああん!」
「ルヴィア!?」

大人のおもちゃのある光景

 ルヴィアゼリッタは意外と頑固だ。一度決めたことは滅多に覆さない。それは彼女の魅力の一つであると思うけど、さすがに勘弁してもらいたい場合もある。

 あれはつい先日のことだった。ベッドの中での激しい運動が終わって、お互い裸のままで取り留めのない会話をしていた。そんなときは彼女をからかうことも多い。あの日も、真っ赤になってぽかぽかと胸を叩いてくるルヴィアゼリッタが可愛くて、ついつい下らない提案をしてしまった。
「……やりましょう」
 まさか座った目でうなずかれるとは思わなかった。冗談だったと取り繕っても聞いてくれない。いつの間にか話はどんどん進み、次のデートで実践するはめになってしまった。時々、彼女の趣味が分からなくなる。

 たった一つのローターで、デートの雰囲気がこんなにも変わるとは思わなかった。いつも通りに公園を散策しても、どうしてもその存在が気になってしまう。二人の歩きもゆっくりだ。支え合うように腕を組まないと、へたり込んでしまうかもしれなかった。

 ウィンドウショッピングをしていても、カフェでくつろいでいても、例のおもちゃの存在がどうしても頭に浮かんでしまう。ルヴィアゼリッタの存在を、いつも以上に感じてしまう。目が合う度に脈拍数が上がる。喉はとっくにからからだ。微かに音が漏れているような気もする。

 だというのに、ルヴィアゼリッタの方は普段とほとんど変わらない。頬を薄く染めているし、時々ちらちらと俺を盗み見ているけど、それ以外は全く持っていつも通りだ。なんというか、強い。普段の猫かぶりの応用かもしれないけど、彼女の強さにはかなわないと痛感した。ベッドの中で可愛らしく泣いている姿とは大違いだった。

 疲れ果ててベンチに座った。今日は確かに刺激的だったけど、二度と体験したくない類いの刺激だった。本当に気疲れした。横でニコニコしているルヴィアゼリッタが無性に憎たらしくなってきた。なんでそんなに平気なのか。
「あら、だってローターを入れているのはシェロであって、私ではありませんもの」
 俺の尻の中で、妙な物体がウィンウィンと振動していた。

魔術師達の入浴風景

1

 ひのきの香りが漂う空間。とても大きな湯舟につかって、ほんの少しだけこの国が好きになった。全身の力が自然に抜けて、疲労がお湯に溶けてゆく。紅茶にいれたブランデーのように、ゆっくり、とろりと。

 優しい温もりが心地よい。湯気の中、乳白色のお湯を戯れにすくった。指の隙間らかこぼれる液体。何でも色々と効能があるらしいけれど、この気持ちよさの前には霞んでしまう。

 んー、とおもいっきり足を伸ばした。我ながらはしたないけどゆるしてほしい。

「どうです? 気に入りました? ルヴィアゼリッタさん」

「ええ、とても。素晴らしい文化ですね。ミス・サクラ」

 隣で微笑むサクラに応える。彼女は日本で知り合ったミスタ・エミヤの妹分だ。すなわち家族同然の存在である。将来的には私にとっても妹になる予定。少なくともミス・トオサカの妹になりはしない。というか、させない。あんな女が姉になったら、サクラだってかわいそうだし。

 そのミス・トオサカといえば、向こうでセイバーと一緒にお猪口をちびちび舐めている。曰く、日本ではお盆を浮かべてお酒を飲むのが常識だとか。本当かとサクラに聞いたら苦笑していたけれど。

「ところでミス・サクラ、シェロはどうしました?」

 なるべく顔だけを見るようにして、私はサクラに問いかけた。彼女の首から下を見てはいけないのだ。その、……いろいろと自信が砕けそうだから。たっぷりと大きくて形もよくて、でも私のように下品ではない彼女の乳房。あの凶器をもう一度直視してしまったら、またしばらくミス・トオサカの身体を眺めて自分を勇気づけないといけなくなるだろう。それはできれば遠慮したい。

「……ええ、やっぱり先輩、この中に混ざることはできないそうです。独りで別の浴場に入るっていってました」

 やはりそう来たか。シェロらしいといえばシェロらしいけど、それなら金に物を言わせて旅館を丸ごと貸し切りにした意味がないのに。もっと積極的に迫ってくれてもバチは当たらないと思う。そう、たとえば私の体をこう後ろからぎゅっと抱きかかえて……、えへへ。

「ルヴィアゼリッタさん、ルヴィアゼリッタさん、もうっ、ルヴィアゼリッタさんったら!」

「はっ!」

「もう。どうしちゃったんですか、急に」

「いえ、別に何でもありませんことよ」

 おほほ、と笑ってごまかした。いけない、いけない。あんなピンク色の世界に浸るなんて、私らしくない事この上ない。

「それならいいですけど……、本当に大丈夫なんですね?」

「ええ、ちょっと考え事をしていただけですから心配は――」

 ない、とはいえなかった。いつの間にか目の前にサクラがいた。言葉の上だけでなく私を気遣ってくれたのだろう。のぞき込むような体勢。目の前に広がる不可思議なナニカ。当然のように私の視線は、サクラの体のとある部位に釘付けになった。

 ……たぷん。

 聞こえるはずのない音がした。こう、視覚情報が脳に直接響くように。

 柔らかそうな脂肪の塊。女性の象徴ともいえる胸部の膨らみ。胸、おっぱい、乳、乳、乳。

 おかあさん、女の胸には殿方の夢がつまっているとおっしゃいましたね。だけど、女の夢も一緒につまっているみたいです。

「きゃあ! なっ、なにするんですか! や、ちょっと、揉まないで下さい!」

「ええい、大人しくしなさい! こんなの目の前にぶら下げられて我慢できるもんですか! なんでこんなに大きいのよ! こんな、ずるい! わけなさい! 少しぐらいわけなさい!」

「ひゃ、あぅ! やめて、おねがいだから……、ふぁ!」

 私のよりも大きく、それなのに完璧な形を誇るそれを揉みしだく。柔らかい。神様は絶対に不公平だ。なんでこれは触るだけでこんなに気持がいいのだろう?

「やだ、助けて。やっ、お願い助けて姉さん!」

「あら、もう私のことを姉と認めて下さるのですか。ええ、確かに私とシェロが結婚すればあなたは私の妹分になります。たっぷりと可愛がってあげましてよ。今から予行練習をするのも悪くありませんわね」

「いやっー!」

「えへへいくらさけんでもだれもきませんよいやがってみてもよろこばれるだけですわそれよりもおとなしくしていればいたくないしきもちよくなるしはやくおわりましてよ」

「わたしの妹になにしてるかっー!」

「――はぐぁっ! ガンド!?」

2

 ぷかーといい感じに浮かぶルヴィアゼリッタさん。危なかった。本当に危なかった。まさかそっちの趣味のある人だったとは。

「全く、わたしの桜に何してくれるのよ。桜、大丈夫だった?」

「ええ……。ありがとうございます。ね、遠坂先輩」

 そっか、さっきは必死だったけど、いつの間にか姉さんって呼んじゃったんだ。

「うん、よかった。……桜」

 姉さんもちょっと頬を赤らめて、わたしのことをちらちらと見ている。姉さんと呼んだのは気付かれているみたい。……今はまだ無理だけど、いつかはきちんと呼べるようになりたいと思う。

「……それにしても、なんだったのよ、こいつ」

「さあ……、わたしの胸をじーっと見て、それから急に……」

「ふーん。胸、ね」

 私の身体を見つめる姉さん。なんだか気恥ずかしくて、思わず腕で隠してしまった。日本人としては大きな胸も、可愛くなくてあまり好きじゃない。もし先輩が喜んでくれるなら構わないんだけれど。

「なによ、こいつだってこんなに大きな胸の癖に何の不満があるってのよ。わたしなんか……」

 そりゃあ、姉さんを基準にしたらほとんどの人が大きい部類に入るに決まってる。

「ねえ、桜さん。あなた今失礼なことを考えていませんでしたか?」

「いえ、全く!」

「そう、それならいいけど。……で、こいつはどうしよう?」

 ルヴィアゼリッタさんは背中を上にして浮かんでいる。あれでは絶対に呼吸ができない。放っておけば溺死すること請け合いだ。早く助けてあげないと。

「桜も食べたくない? ほら、この背中とかお尻とか、結構美味しそうじゃない?」

 ……姉さん? なんでルヴィアゼリッタさんのお尻を撫で回してるんですか?

「うわ、柔らかい。セイバーと同じぐらい美味しそうかも。ほら桜、遠慮しないで頂いちゃいなさい」

「遠坂先輩、何言ってんですか!?」

 見るとセイバーさんがどこにもいない。嫌な予感で背中が震えた。もしかして、その、もしかしての話だけど、姉さん、セイバーさんはもしかして……。

「セイバー? うん、可愛く泣いてたわよ」

 涼しい顔でそうのたまって、ルヴィアゼリッタさんを抱き上げる。そのまま脱衣所に向かう姉さん。物凄く不安でならなかったので、わたしはその後を追うしかなかった。

「士郎も交ぜてあげたら喜ぶわね。でもこれはあなたの獲物よ。桜が一番味あわなきゃ駄目なんだから」

 ふふふと、楽しげに笑っている。なんだか凄いことになっているのは気のせいじゃないはずだ。というか時計塔の人ってみんなこんな風なんだろうか? 姉さんもそこに毒されちゃったのだろうか? 首輪と手錠のどっちが好きかなんて本気で聞いてくる姉さんを見つめながら、とりあえずまだ見ぬ魔術師達の学び舎を呪ってみた。


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