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おやすみなさい
長かった、そして楽しかった一日も、どうやら終わりに近づいているようでした。誰からともなくぱったりと大きなベッドにねっころがり、いつの間にかいつもの通りの順に並んで4人の若いホビットたちは寝転んでいました。
「今日は本当に楽しかったね。」
ピピンが、半分もう眠りながら言いました。
「いろんなことがあったしね。ぼくは満足だなぁ。」
メリーもそう言いながらころんと寝返りをうちました。
「ほんとにいろんなことがありましただ。」
少し含みを持たせて、でも満足そうにサムも言いました。
「そうだねぇ。」
サムが言いながらフロドにちらっとウインクしたのを見て、フロドが苦笑をかみころして言いました。
「またこんな日があるといいね。」
「ありますだよ。きっとこれから先、いつまでも、ずっと、こんな日ばっかですだよ。」
「そうだね、きっと。」
フロドはもう答えのない変わりにすうすうと規則正しい寝息が聞こえる向うのいとこたちと、うとうとしはじめたサムの夢交じりのそんな言葉に答えるように小さく言いました。
「おやすみ、わたしの愛しいホビットたち。」
おわり
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