The Two Hobbits 3 〜The
end of the journey〜
〜序章〜
ここから、フロドとサムの最後の物語が始まる。世界には残酷な死の影が落ち、闇の生き物が平和な土地を荒らし、光を切り裂き、人々を蹂躙し続けていた。エルフの時代は終わりを迎え、人間たちは勝利の望みのない戦いに身を捧げていた。しかしここでは歴史の表では決して語られなかった、たったふたりの戦いを述べたいと思う。これは、矛盾に満ちた生き物であるゴラムと、旅を続けたフロドとサムの信頼と愛情の物語である。この第三部は、暗黒の終焉に至るまでの話である。しかしその最後に旅の目的を脅かしたのは、オークでもナズグルでも、ましてやサウロンでもない。一つの指輪を持った者の、心の葛藤であった。これはフロドの苦しみと、それを何とか救わんとするサムの、小さくそして最も勇敢な旅の軌跡である。この想像を超える深い絆を知る者は、皆この地を去った。闇は葬り去られたが、同時に光も去り世界は変わった。そして、守るべきものたちが存在した頃の跡を辿ることさえ困難になった。それを知り、語り継ぐものが最後にこの地を去ったのはいつのことであろうか、その記録はない。 「小さな希望と大きな闇」に続く。 |