Bourgeois?  オマケ

 

会話の完全復元版をお送りします。本編に挟み込んでお楽しみください。

「ねえー、なかなかいいものでしょう。なにしろかなりな額でちょっと言えないような方法で手に入れたものですからねぇ。」
「へえー、あいかわらず君のそういうあっち方面に研究熱心なところは尊敬に値するよメリー。」
「でしょ?フロド!メリーったら本当にすけべえなんだから。」
「ところで試してみたのかい?」
「ええ、そりゃもう。」
「ええっ!本気で言ってるのかい?わたしはまさか君たちがさっそく使ってするなんて思わないからちょっと意地悪したつもりだけだったのに。」
「僕たちを子ども扱いしちゃいけませんよ、いとこさん。」
「そうだよフロド。ぼくだってもう十分おとななんだし。」
「そう言われればねぇ。早いもんだね、あのおちびのピピン坊やがもうこんなことをする年になったんだから。」
「フロド!そういうところが年寄りくさいって言うんですよ。あなたは僕たちのあなたたちみたいな関係だって随分昔から知ってるじゃありませんか。」
「そうだったっけ?」
「どこまでからかってるんですか、もうー」
「いやいや、今日は別にからかいたくて呼んだ訳じゃないよ。」
「分かってますよ、これをサムとのことに使いたいんでしょ?」
「うわっ!メリーそんな具体的なこと言ってるよ。いいの?フロド。」
「うーん、まあ許そうか。だってわたしがサムとこれで試したいのは本当なんだから。」
「キャー!フロドまでそんなこと言って!ぼくもう帰ろうかな。」
「こらこら待ちなさいピピン!君の意見も聞かなきゃサムとわたしがどう反応するかわかんないじゃないか。」
「ええっ!そんな細かなことまで聞くんですか、いとこさん。」
「もちろんだよ、さ、お話し。」
「本気ですか?」
「もちろんだとも。それともわたしの夕食の誘いにのっておいて話さずに帰るなんて言うんじゃないだろうねぇ。」
「うっわー、卑怯ですよフロド!」
「フフフ・・・キノコをあれだけおかわりしたからねえ、君たち嫌とは言えないよ。」
「・・・分かりましたよ、言えばいいんでしょ、言えば。」
「そ。ものわかりがいいね。で、どうだった?」
「そりゃあいいものでしたよ。な、ピピン。」
「そうだねぇ。なんていうか、いつもと違ったよね。」
「それで?」
「うーん、普通の潤滑剤じゃないんですよ。」
「そうそう、なんだかにおいからして違うんだよね。においをかぐだけで体じゅうがかっかするっていうか。」
「それは強烈だねえ!君たちそんな刺激の強いもの使って気絶しなかったのかい?」
「大丈夫でしたよ、僕はね。ピピンはかなりやばかったみたいだけど。」
「だって相当やばいよこれ。フロドもぼくの立場でしょう?気をつけないとサムに嫌われちゃうくらい激しくなっちゃうと思うよ。まあメリーはいつもおとなしいからこれくらいしないといけないと思うんだけどね。」
「お、意外だね、メリー。研究熱心な割りにおとなしいんだ。」
「ピピン!余計なことを・・・まあいいでしょう。僕たちのことはさておき、ご察しのとおり、媚薬のたぐいも入ってますよ。においもたまりませんけど、塗れば効果てきめんですよ。」
「そりゃ塗られたこっちはたまんなかったよ、フロド。メリーは前だけだからいいけど、ぼくなんて前も後もでしょ?気が狂いそうだったよ、気持ちよすぎて。」
「そうなのかい?わたしは今まで結構色々使っているからねえ。いくら敏感と言ってもそれほどのものかなぁ。」
「ちょっと、自分で敏感って言わないで下さいよ。」
「本当だからしょうがないさ。サムだって分かってくれてるみたいだし。」
「かー、もうずっと言っててください。とにかくすごいですよ。」
「そうそう、あなたたちみたいに長い関係のホビットにはいいものだと思うよ。」
「そうかい。そこまで言われちゃもらうしかないようだね。何回分これに入っているんだい?」
「そうですねえ、大体3回ってところでしょうか。」
「それなら十分だな。楽しみだなぁ〜。サム喜んでくれるかな。」
「あー、やってらんないねピピン。ご自慢のワインをいただいたらすぐに帰ろうね。」
「そんなこと言って。どうせどこかに寄っていくんだろう?うちに泊まればいいのに。」
「嫌ですよ、いとこさん。ぼくあなたたちの声がちょっとでも聞こえたら叫んで逃げますからね。」
「そんなに声まで出るものかい?」
「ええ、はどめが効かないっていいますかね。多分サムも・・・ううー聞きたくないな。というわけで今日は帰りますよ。」
「分かったよ。お、サムとワインが来たみたいだ。君の言ったとおりサムにもワインを勧めるよ。つまりアルコールが入ったほうが効き目があるんだろ?」
「そうですよ。あ、来たっ!」
「やあご苦労様、サムや。」

おわり