Bourgeois?
3
サムがいつまでたっても煮え切らない(と言うより逃げ出したい気分になっている)ので、フロドはごうを煮やしてさきほどお互いの身体にこぼれてしまった香油を、自らのものに使い始めました。フロドはサムからやや身を離し、サムが自分をよく見れるようにサムにまたがりました。そしてサムの上半身裸にした、そのフロドご自慢のお腹の真ん中にあるくぼみにたまった香油をぴちょっと指に付け、おもむろに空いている方の手で自分の下着を脱ぎ、(それも時間がかかってじれったいのですが、サムを焦がさせるにはちょうどよいのかもしれません)髪の毛と同じ色のふわふわした毛に包まれたものにそっと塗りました。
「ぁあっ、んぁあっ!」
フロドは自分で自分に使っているにも関わらず、とんでもなく感じてしまって、あられもない声をあげはじめました。見る見る間にそこは大きくふくれあがり、サムの見ている前で空を目指してたちあがってゆきました。サムはもう、どうにもこうにもならないくらい目の前の景色に慌てふためきました。なにしろあの旦那が自分の上で、まるで自分を慰めるようにフロド自身のものを扱っているのです。しかも頬を赤らめ、いかにもうっとりした表情で、目を閉じ、こんなことを荒い息の中で漏らしながらしているのです。
「うぅん、サムぅっ!ああ、ああ!気持ちいい!いいよぅ!はぁっはぁっ!!」
もちろんサムのそれもフロドのこれと同じようになっていないわけがありません。ズボンを突き破らんばかりに張り詰めたそれはサムの下着を先走りの液で濡らしていました。おまけに上半身は香油のせいでかっかと熱く、フロドが自分の上で身悶えるたびにそこいらじゅう全部がサムのいいところになったように感じるのです。
「うぅっ・・・はぁ!」
サムがうなり声を思わずあげてしまったのも無理はないことでしょう。それでやっとフロドは、なかば自分だけでいきそうになり、涙が出て潤んだ瞳をあけました。そして自分から手を離し、サムのそれをズボンと下着の下から乱暴に引っ張り出しました。
「サムっ!お前こんなにして。はぁ。わたしが可愛がってあげるよ、わたしが・・・」
もうフロドは自分が何を言っているのだか分からないくらいになっていたのですが、それでもサムを掴んでそれにも例の油を塗りました。そして荒い息を繰り返すサムのそれと、自分のを互いに擦り合わせ、サムの上で二つのそれはぐっちゃぐっちゃと手による淫猥な響きをたてていました。どれくらい擦ったでしょう。気が付くと二人は、一旦自分の欲望を相手の腹へと叩きつけていました。
しかしフロドはそれだけで満足できないようでした。いつもと逆の身体の位置で、興奮もひとおしと言ったところでしょうか。フロドはなんとサムの視界の範囲内で自分の指に垂れたサムの熱いものと自分の白濁したものと、さらにはあの香油を全部すくい、自分に入れたのでした。
「あぁん、あぁぁ、サムぅ、ここだよぉ、ここっ!うん!」
フロドはサムを誘う場所へ指を入れては出し、入れては出し、サムの目の前であらん限りの醜態までさらけ出しました。粘着音があたりに響き渡り、喘ぎとうめきで暖炉の音はかき消され、にっちゃぬっちゃとお互いを煽る音しか聞こえませんでした。こんな状況に、いつまでもサムが耐えられるはずがありません。2度目か3度目を迎える前に、いつものようにフロドを味わいたいと本能がサムに叫んでいました。もちろんサムはそれに抵抗する気持ちなんてこれっぽっちも、もはや持ち合わせていません。相変わらず自分の上で腰を振っているフロドのそれをぐっと掴み、肩口をもう片方の手で引き倒し、馴染みのある体勢にもってゆきました。
「旦那、旦那ぁっ、いいですだか?いいですだ?」
「うんっ!はやくっ、はやくサム!ほら、あぁ!」
やっとサムの下になったフロドはまた指で自分の場所を押し広げ、赤く中の肉が見えるくらいにほぐしたそれをサムに突き出しました。
「ここにっ!」
そうして自分の指よりも、もっと圧力のある存在にフロドの中が占められ、たまらない快感と熱となってフロドを襲いました。ピピンの言っていたとおりです。前も後もこんなによいなんて、発狂しそうでした。
「はぁっ!ん、ん!んぅ!」
フロドが腰を振るたびに、サムはきゅっと締め付けられ、擦りあげられ、搾り取られてうなり声をあげました。知らず知らずのうちにどちらのあられもない声か分からない喘ぎ声の大合唱になり、確実に外まで聞こえていたというくらいでした。互いに腰を大きく、小さく、横に縦に、まるく円を描き、奥まで入れてはすっぽんと引き抜き、また入れて、その繰り返しでした。汗と香油と自分たちの匂いで充満した部屋は、蜜より濃い空間になっていきました、そしてもう何度目と数えられない絶頂に達した頃、夜は明け始め、二人はお互いの意識を手放して、明けゆく世界とは逆に、白濁した闇の世界に落ち込んでゆきました。
さて、二人が目をさましたのは、昇った陽が、また沈みかけた頃でした。そしてフロドはまた、今夜すぐに、メリーとピピンを夕餉に招待しました。今度はこの前よりはるかに豪勢な夕食会に、です。サムには有無を言わせずに用意をさせ、自分は暖炉の前でまだことの最中の気分にひたっていました。今までたまっていた?ものを全て出し切ったサムとフロドはすっきりした顔をしていましたが、多少からだのあちこちに支障をきたしてもいました。フロドは腰からねじが一本抜けてしまったようになっていますし、サムは咽喉がいがらっぽくて仕方ありませんでした。それでもフロドは早速に報告しなければと、招待に至ったのでした。夕食が終わり、サムがまたお皿の洗いものをしていると、例のあの部屋から(もちろん二人のものでだめになってしまった絨毯は替えてありました)またあやしげな笑い声が聞こえてきました。今度ばかりは話を完全に聞かなくとも、サムは内容を容易に想像することができました。どうせフロドがよかっただの、やっぱりサムはいいよだの、言っているに違いありません。他にもまだ腰が痛いんだとか、サムのあんな気持ちよさそうな声を聞いたことがなかったよとか、3回分よりたくさんだったよとか、もう一度ほしいとか、とんでもないことばかりが聞こえてきました。お皿を洗い終わったサムは、大慌てで手を拭き、今度は旦那方にワインも出さず、挨拶もせずに、耳をふさいで叫びながら逃げ出してしまいました。
「うわぁぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」
フロドはそれを聞いて、にやりとしました。メリーとピピンも笑い出しました。
「庭師くんには刺激が強すぎたようですよ、いとこさん。」
「そうですよ、ぼくたちみたいにかれは遊んでないからねぇ。」
ふたりはあっけらかんとそう言い、いかにもおもしろそうに走り去って行くサムを見ていました。それにフロドが最後の一言を付け足しました。
「しょうがないサムだねぇ。いいさ、これからゆっくり・・・ね。」
おわり
|