Quadrangle straggle

 

プロローグ

 

「俺は、キラを、抱きしめたいと思った。」

それは、一言から始まる小さなうねり。想いは想いのままでいられず、そこにいるものたち全てを飲み込んで、宙の彼方まで痛みを運んだ。どうしてこんなことになってしまったのだろう。どこかで何かが散らばり、狂い、そして交わった想いは崩れてゆく。

 

「僕は、何が悲しいんだろう。ねえ、アスラン。僕は、こんなに幸せなのに。宙はこんなに綺麗なのに、なんで、涙が止まらないんだろう。僕は、みんなが好きなのに。どうしてなんだろう。何が悲しくて、僕は…」

「ラクス・キラサイド」に続く。