この物語は、登場人物の行動・描写が暴力的かつ過激になっております。15歳以下の方の閲覧を禁止いたします。また、悲劇的要素を多々含みます。そういった表現が苦手な方にはお勧めできかねますのでご注意下さい。
Lament Angel 26 オーブの病院でキラが目を開けると、そこには首をかしげたトリィがいた。彼の瞳と同じ色の、小さな存在。 『トリィ』 耳になじんだその鳴き声、それは随分聞いていなかったように感じだ。キラは衰弱していた。それでも、その鳴き声に耳を傾けられるまでに回復していた。あれから、アスランを世界から失ってから、たった二日後の事だった。それはキラにとって、最も憂鬱な目覚めだった。キラはもう朝日など見たくもなかった。おれなのに、キラの身体が彼に死ぬ事を許さなかった。そう、見たくもないのに光が、キラの絶望をみせた。アスランがいないという事、その現実。それでも変わらず世界は美しくて、キラは一粒涙を流した。 「君にあいたいよ・・・」 それ以上、何をする事もできず、キラはただ、とめどない涙を流すだけだった。
いつか遠い昔、君が僕のために流してくれた涙は、悲しみと孤独も一緒に僕をそっと抱いていた。何度も深く傷ついて、殺しあって、焦がれあって、そうしてここに辿り着いた。それが宿命なら、全て受け止めるから。愛を、悲しみでもいい、全てを呼び覚まして。哀しみの鎖から僕を解き放って。どうか、お願いです。誰でもいい、僕を救ってくれる何かがあるのだったら、どうか、僕の旅路の果てに、彼が待っていますように。時は流れて何もかもが形をかえたとしても、君を想う心だけは変わらない。永遠に咲き続ける花のように。 続く。 |