この物語は、登場人物の行動・描写が暴力的かつ過激になっております。15歳以下の方の閲覧を禁止いたします。また、悲劇的要素を多々含みます。そういった表現が苦手な方にはお勧めできかねますのでご注意下さい。
Lament Angel 13 「あの子が死んだわ。」
復讐は、冷たいほどよかった。それが冷たければ冷たいだけ、アスランは人でないものでいられた。キラの事だけを考えていられた。キラが今のアスランの全てだった。否、それは過去も同じくそうだったはずだった。関わった者、すべて。その言葉にたがわず、アスランは全ての者を消していった。まず一人、そしてそこで得た手がかりの女。その次は三人。若い男、老人、うら若い女。子供に近いものから、年老いた者まで、アスランは躊躇う事を一切しなかった。そのような感情はどこかに置いてきてしまっていた。そしてその手は、機械的に命を奪っていった。そしてアスランは、殺す前に必ずその目を見た。運命に抗う者、死を悟る者、今を否定する者、この世に残す愛しい者を呼ぶ者。それはさまざまだったが、そのどれもがどこか冷たかった。透き通った冬の湖のように、深く、暗く、そして底のないような色を見せていた。死に逝く者の瞳。その冷たさで、アスランは冷静になれた。 続く。 |