世界の中心でLをさけぶ

 

「竜崎―――!好きだー!!!」
「・・・・・・何をやっているんですか・・・」
「何って、決まっているじゃないか。竜崎への愛を叫んでいるんだ。」
「はあ、そうですか。それはなんともはた迷惑な。うるさいのでやめてくださいと先ほど松田にすら言われたところです。」
「迷惑な訳がないだろう。日本中が泣いた、あの感動が今ここに。しかも僕が叫んでいるんだ。感動しない訳がないだろう。」
「どこがですか。ちなみに私は題名は知っていますが、その映画も見ていない上に、原作本も読んでいないのでネタすら分かりません。」
「何!それはいけない。是非これから僕と一緒に見よう。そして泣くがいい!」
「相変わらず偉そうな態度ですね。それにあなたは執着を愛と勘違いしているようですが。」
「何を言っている。執着、それこそが愛の根源、そう、源なのだよ竜崎!素晴らしい!それが分かっているのだったら、そうだ今すぐ僕と一緒に愛の逃避行に出かけよう!地の果てまでも!そしてそこが僕が竜崎への愛を叫ぶ世界の中心だ!!」
「・・・何を言っているんだかはっきり言って訳が分かりません。」
「とにかくだ、僕と竜崎は結ばれる運命にあるんだ。さあ、共に愛を叫び合おう、竜崎!!」
「ああ、やかましい・・・」
 

疲れたLの負け。