学校

「竜崎、お前学校には行った事あるのか?」
「どうしてそのような事を聞くのですか?」
「疑問を疑問で返すな。竜崎の嫌なところだ。」
「それはどうもすみません。でも、なぜ突然そのような事を聞く気になったのですか?」
「いや、竜崎のちょっとした常識のなさ等を見る限り、集団での生活というものに全くもって対処しきれていない節があるからな。」
「それは失敬な。私はあなたの心の裏側ほど集団生活に適していないとは思えませんが・・・まあいいでしょう。私は日本で言う義務教育のようなものはほとんど受けていませんよ。」
「やっぱりな。」
「どうしてそう思うのですか?」
「大体、鎖で腕を繋いで24時間生活をするなんて、集団生活を営んだ事のある人間が考えつける発想じゃない。」
「・・・そうでしょうか。現にあなたは集団生活をおくってきている上に、コミュニケーションが内にこもりやすい日本の教育環境の中で既に20年近くも生活しているのに、自分を監禁してくれと言い出したではないですか。」
「それは、あの状況下では仕方なかっただろう。」
「本当にそうですか?実際月くんはこの状況を楽しんでいると私は思っているのですが、違いますか?」
「う、それは・・・」
「違いませんね?あなたはこの状況をとてつもなく楽しんでいる。そうですね?」
「・・・う・・・」
 

月の負け。