歪んだ王国

 

狂ったのは自分 狂いたかったのも自分
彼の為―――? 自分の為―――?
「永遠」という言葉は決して自分のためにあるのではない
狂えない彼のために・・・
 

殺したのは彼 殺されたかったのは自分
何の為―――? 狂気の故―――?
「理由」という概念は決して二人のためにあるのではない
永遠を「生きる」者のために・・・
 

狂気を抱いても見出せるもの それは
彼の存在 自分の非存在 

それでも彼は目を開き 微笑んでくれた
これ以上の愛はどこに―――? 

彼は居る ここに居る
自分は居ない ここに居ない どこにも・・・ 

それでもまだ 幸せを感じるのなら
やはりここは 歪んだ王国