A fateful encounter 楊戩
side
別れ際の優しい口付け
「まるで恋人のよう」
ため息まじりに呟いたとたん
涙が溢れてきた
あなたがこの部屋を出れば
誰より近くて遠い他人になる
かすかに残る温もりを抱いて眠る
あまりにも孤独な夜
僕にはさよならなんていえない
何度も誓った言葉が
僕の答えなのに
遠ざかるあなたの背中を見つめる
僕の瞳の中にあなたがいる
決して振り向かないと分かっているのに・・・
偶然でなかったとしても
あの日あの時出会わなければ
苦しまずにいれたのに
たくさんの年月が流れ
何も知らず孤独でいる幸せを知った
手を重ねあうと見えなくなる
行くあてのないあまりに孤独な日々
どんな優しさも言葉も消せない傷痕なら
約束も何も欲しくない
ただ僕の事だけを
見つめていて欲しい
紅く燃え立つ光
壊れるほど震えるほどあなたのことを抱き締めて
その涙
生きる証にしたい・・・
「運命、か・・・・・・」
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